2019/03/11

【舞踏】アイディアの数々と素晴らしいスペクタクル 「ヤン・リーピンの覇王別姫〜十面埋伏〜」

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 有名なヤン・リーピンを初めて観に行きました。とはいっても、本人は踊らず演出だけ。

 面白いアイディがいくつもあり、またはっとするような美しいビジュアルが随所に見られました。
 なんとカテコは撮影可。スマホで必死に撮ったのが上の写真です。

 天井には無数のハサミが吊り下げられ、舞台上手では女性がハサミで紙を切っており、切られた紙がうず高く積まれております。この女性は、冒頭から最後まで紙を切り続けておりますが、時々観客に向かって切った紙を広げて見せるのですが、それが漢字になっていて、テロップというか表題になってたりします。最初の「静」というのは、始まるのでご静粛に、という意味か。ちょっと受けました。戦いのシーンでは紙をちぎっては投げたりして暴れてました。

 虞美人は京劇の伝統にならって男性が踊りましたが、最初は白いパンツだけで登場して身体の動きの美しさをしばらく見せ、そのあと舞台上で衣装をつけて役に入っていくのも面白かったです。

 ラストの、舞台に敷き詰められた赤い羽根を舞い上げながらの踊りも、これまで見たことがないスペクタクルで、ゆっくりと落ちてくる羽によってまるで水の中にいるかのような不思議な感覚が生まれました。長い袖を使って羽をバッと巻き上げるのも凄い!

 音楽は、琵琶や琴、太鼓の生演奏。特に琵琶が素晴らしかったです。

 次々と登場する人物の衣装も美しく、照明によって素晴らしい効果を生み出していました。

 身体的には、中国の武術や、京劇の動きやテクニックが使われているように思いました。バク宙や回転回し蹴り(?)は見もの。
 ダンスとしては、上述の虞美人が見応えありました。

 ただ全体として見ると、ぽん太には、なんか芸術というよりはエンターテイメントに見えました。なんでかわらかないけど。動きに「統一性」がないからかしら? 武術的な動きも、最初は驚くけど、目が慣れてくるとちと飽きてきます。

 ぽん太は、項羽と劉邦の話をほとんど知らないので(虞や、虞や、汝をいかんせん、というのは学校でならった気がするが)、ストーリーについていけなかったのが残念です。中国人にとっては誰もが知っているストーリーでしょうから、ストーリーをドラマチックに表現するというよりは、有名な場面をいかに面白く表現するかということに力が向けられていたのかもしれません。

 遅ればせながら『史記』の現代語訳を読んで見たのですが、それでもさっぱりわからず、次に司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を読み始めたらとても面白かったのですが、長くていつ読み終わるのかわかりません。

 パンフレットは買ってないのですが、チラシや公式サイトを見ても、それぞれのダンサーの名前すら出てないのが、不思議に感じました。

 次はヤン・リーピンが踊るのも見てみたいです。

「ヤン・リーピンの覇王別姫〜十面埋伏〜」

Bunkamuraオーチャードホール
2019年2月21日

公式サイト

芸術監督・演出・振付:ヤン・リーピン

美術指導・衣裳・舞台デザイン:ティム・イップ
舞台美術(はさみ):ベイリー・リュウ

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2019/03/10

【バレエ】熊哲、まだまだ踊れるじゃん!「カルメン」Kバレエカンパニー

 熊川哲也が踊るというので、久々にKバレエカンパニーを観に行きました。演目は「カルメン」。

 熊川が踊るのを見るのは何年振りでしょう。どうやら3年前の「白鳥の湖」が最後だったようです。
 いったい何歳になるんだろう。1972年生まれですから47歳ですか。すごいですね。イチローやカズ、ジャンプの葛西紀明など、日本人では年齢が上がっても体力がキープできる遺伝子があるんでしょうか。
 さすがに目の覚めるようなジャンプや、高速のピルエットは影をひそめましたが、安定した優雅な踊りで、まだまだ踊れるじゃん!という感じでした。

 Kバレエの「カルメン」は、2014年以来2回目。
 前回と比べて、どこがどう変わったとか言えるほど、ぽん太の記憶力は良くありません。
 ただ前回は、とても感動して、熊川の振り付けの能力を見直した記憶があります。

 こんかい観ても、ダンサーの演劇的な表現力、ストーリーのわかりやすさ、セットや衣装の美しさなどは素晴らしく、振り付けも面白かったです。

 ただやっぱり、ダンサーのテクニックをたっぷりと見せる部分や、しっとりとしたパ・ド・ドゥなども観たかったです。

 それから、ドン・ホセがピストル自殺をしようとするシーンから始まることからもわかるように、カルメンよりドン・ホセに焦点が当てられておりました。これじゃあタイトルは「カルメン」じゃなくて「ドン・ホセ」? オペラでは、カルメンは束縛を嫌い、自由を求める女として描かれており、それゆえ初演時にはニーチェも絶賛したわけですが、こんかいのバレエでは、ふしだらで浮気っぽくて道徳心が乏しい女性として描かれておりました。というわけで、ドン・ホセという真面目な男が悪い女にひっかかって人生を台無しする、というストーリーになってしまい、ちょっと残念でした。

 ダンサーもだいぶ入れ替わったみたいで、知らない人ばかりでした。
 カ矢内千夏さん、カルメンを色気たっぷりに熱演。踊りも演技も上手でした。ミカエラの成田紗弥さん、美人で清楚でこの役にぴったり。
 エスカミーリョ:の遅沢佑介、モラレスの伊坂文月、スニガのS・キャシディなどは、懐かしい顔ぶれ。
 民衆の男三人組(?)のなかに素晴らしいジャンプをする人がいた気がするけど、名前がわかりません。

 しかしビゼーの音楽はいいですよね〜。序曲を聞いているだけで、悲しい結末が思い浮かんで胸が痛んできます。井田勝大指揮のシアター オーケストラ トーキョー、残念ながら音が薄い。もっと小さいハコならいいのかもしれないけど。もっとねっとり感や迫力が欲しかったです。

熊川哲也Kバレエカンパニー Spring Tour 2019
『カルメン』

Bunkamura オーチャードホール
2019年3月6日

Kバレエ公式サイト

芸術監督:熊川哲也

カルメン:矢内千夏
ドン・ホセ:熊川哲也
エスカミーリョ:遅沢佑介
ミカエラ:成田紗弥
モラレス:伊坂文月
スニガ:S・キャシディ

[指揮]井田勝大
[管弦楽]シアター オーケストラ トーキョー

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2019/02/24

【温泉】湯河原をなめるなよ!登録有形文化財の宿「源泉 上野屋」神奈川県湯河原温泉(★★★★★)

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 久々の5点満点の宿です。1月下旬に湯河原の上野屋さんに泊まりました。こちらが公式サイトです。

 湯河原温泉というと、海沿いのすっかりひらけた観光地を思い浮かべますが、山の方に上がっていくと、まだ古い街並みや風情のある和風旅館が残っております。
 ぽん太は以前に伊藤屋さんに泊まったことはありますが(【温泉】藤村も愛したレトロな宿/湯河原温泉伊藤屋(★★★★)/付:小梅堂・福泉寺の首大仏)、こんかいは上野屋さんにお世話になりました。

 昔ながらの和風旅館で、建物は登録有形文化財に指定されております。最も古い大正12年築の別館は、とても風情があります。また、昭和5年築の本館は木造4階建てで、楼閣のような雰囲気が漂います。
 温泉は自家源泉を持ち、もちろん源泉掛け流し。無色透明、弱アルカリの、とっても肌に優しいお湯です。
 お料理は、ぽん太とにゃん子は量が少なめのスタンダードプランにしましたが、これで十分。美味しい会席料理で、もちろんお造りや、朝食の干物など海の幸は絶品です。
 おもてなしもアットホームで、お値段もお部屋を選べばリーズナブル。
 昔ながらの湯河原温泉を楽しみたい人には是非おすすめ。ぽん太の評価は5点満点です!

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 玄関の破風にある彫刻。玄関よりも古い時代のものと思われます。
 創業300年余りの宿。現在の湯河原温泉において、最も古い宿だそうです。

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 中に入ると、昔ながらの「帳場」が迎えてくれます。
 この玄関棟は昭和12年ごろの建物で、登録有形文化財に指定されております。他に、本館と別館の建物も、登録有形文化財です。

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 レトロな廊下が続きます。

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 大正12年建造の別館の磨き込まれた廊下です。この宿で最も古い建物です。

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 部屋の入り口の意匠。もちろんぽん太が泊まった部屋ではありません。

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 迷路のような階段。

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 こちらがぽん太とにゃん子が泊まった、昭和5年建造の本館のお部屋です。格調のなかにも、温泉旅館らしい軽みと遊び心が感じられます。

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 外から見た本館です。木造4階建て。ちょっと楼閣のような雰囲気もありますね。こちらも登録有形文化財です。

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 温泉は、男女別の内湯(入替あり)と、ふたつの貸切露天風呂、そして眺めのいい足湯があります。

 写真は貸切露天風呂のうちのひとつ。無料で利用できます。湯河原の温泉街にあっては開放感がないのは仕方ありませんが、裏山の林を見ながら入浴できます。
 お湯は自家源泉を掛け流しで利用。無色透明、無味(ちょっと塩っぱいかも)無臭のやわらかいお湯です。

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 しかし、実は成分が濃いことは、湯口に析出した結晶を見ればわかります。さすが湯河原のお湯です。

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 温泉分析書です。泉温は81.3度と高温。pHは8.4で弱アルカリです。泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉。

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 源泉が高温のため、浴槽に湯を張る時に加水をしておりますが、循環・加温・消毒なしの源泉掛け流しです。

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 宿の敷地内にある自家源泉です。

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 男女別の内湯。浴槽の縁が御影石です。

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 もうひとつの内湯。時間で男女交替になります。こちらはヒノキ。

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 お料理も、一つひとつ手が込んだ懐石料理で、美味しゅうございました。

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 朝食は伊豆だけあって、干物やカマボコが絶品でした。

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 出発前に宿の周囲を散策。海沿いはすっかり開発されてしまった湯河原ですが、ここのあたりは古い温泉地の雰囲気が残っています。

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 いい感じの古い建物が残ってます。写真は富士屋さんか?高級旅館です。

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 こちらは閉館しているようですね。

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 館内に貼ってあった、古い湯河原温泉の案内図。明治36年とありますが、この頃は上野屋周辺が温泉の中心地であったことがわかります。

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 う〜ん、いいですね。旅館かしら?違うかも。
 このあたりの宿も、早く泊まらないと、取り壊されたり、高級旅館化してしまうかもしれませんね。

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2019/02/23

【温泉】源泉ドバドバ系のリーズナブルな宿、朝食もうまい!「五十沢温泉 ゆもとかん」(新潟県南魚沼市)(★★★★)

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 2月中旬、新潟県は南魚沼の「五十沢温泉(いかざわおんせん)ゆもとかん」に泊まってきました。こちらが公式サイトです。

 いわゆる源泉ドバドバ系の宿。無色透明なアルカリ性の源泉が、これでもかというほどドバドバとかけ流されております。混浴の岩風呂と露天風呂(女性・男性それぞれ専用時間帯あり)に、男女別の内湯(女性は露天付き)もあります。これらに入れるだけで泊まったかいがあるというもの。
 建物やお料理は、悪くはありませんが、それなりに普通という感じ。しかし、一泊二食付きで一人8,000円から(消費税抜き)というお値段を考えると、コスパは最高です。
 スキーやスノボが目的の若者たちは、コンビニの弁当を持ち込んで素泊まりで利用するケースも多いらしく、共用の電子レンジなども備えております。
 中居さんたちのざっくりとしたフレンドリーな対応も、雰囲気にあっていて、なんか居心地がいいです。
 それから、実は、ぽん太としては、朝食のバイキングがかなりのおすすめです(下記参照)。
 ぽん太の評価は、温泉とコスパ(と朝食)を高く評価して4点!

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 場所でいうと、関越自動車道の六日町インターの西側、車でわずか10分です。とはいえ、北に八海山、南には巻機山があり、東に目を転ずると、はるか高みに中ノ岳あたりの雪の稜線が見え、山好きには嬉しい立地です。

 建物は、いたって普通の雪国の温泉ホテルといった感じ。広い駐車場があり、日帰り入浴客も多いようです。

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 こちらが客室。最も安いプランのお部屋ですが、シンプルではありますが、新しく清潔です。

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 温泉は、混浴があるため、撮影禁止。写真は宿のホームページ などをご覧ください。

 浴室は、混浴の岩風呂と露天風呂、男女別の内湯(女湯は露天付き)があります。混浴風呂は、夕食前に男性専用時間、夕食後に女性専用時間が設定されております。

 岩風呂・露天風呂は、どちらもかなり広く、そこにお湯がドバドバと注がれ、源泉掛け流しになっております。豊富な湯量があればこその方式です。お湯は無色透明・無味ですが、かすかに硫化水素臭がします。
 上は、露天風呂の温泉分析書。泉温50.9度、湧出量はなんと毎分214リットル! す、すごいですね。pH9.4とアルカリ性で、お肌がすべすべになります。泉質はアルカリ性単純温泉。

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 こちらが内風呂の温泉分析書。内湯も窓が多くて、広々した感じです。こちらも泉温49.8度で、湧出量は毎分232リットル。2本の源泉で毎分0.5トン近くのお湯が湧いていることになります。pHは同じく9.4ですが、なんか露天の方がヌルヌル感が強い感じがします。

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 夕食は、普通の温泉旅館のお料理ですが、悪くはありません。

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 揚げたての天ぷらも運ばれてきます。魚沼の地酒飲み比べを注文。


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 朝食はバイキングでいただきますが、ぽん太的にはこれがなかなか得点が高かったです。

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 「きりざい」あるいは「きりぜぇ」と言うようですが、納豆に、細かく切った野沢菜や野菜、ゴマを入れてかき混ぜ、ご飯にかけていただきます。魚沼の郷土料理だそうです。初めて聞いた名前ですが、そういえばどこかの旅館で以前に、すでに混ぜてあるものを食べたような気がします。

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 こちらは、ずらりと並んだご飯のお供の数々。う〜ん、これをつまみながら地酒をチビチビやりたいな〜。

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2019/02/22

【温泉】落ち着いた雰囲気の秘湯・高湯温泉 旅館ひげの家(福島県福島市)(★★★★)

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 2月中旬に大寒波のなか泊まってきました。こちらが公式サイトです。

 福島市の西にそびえる吾妻山の裾野に位置する高湯温泉。ひげの家(ひげのいえ)は、日本秘湯を守る会の会員宿。ホームページを見ると「予約はお電話を」になっていて、ネット予約サイトに登録していないところをみると、昔ながらのスタイルを守っているようにも見えますが、一方で露天風呂やテラスがついたベッドルームを用意するなど、時代に合わせた変化にも前向きなようです。内装はロッジ風。温泉は、高湯ならではな白濁した硫黄泉が、内湯、露天、貸切と三つの浴室で楽しめます。お料理も、日本酒付きのぽん太に合いそうな、手の込んだ会席料理。
 ちょっとお洒落な秘湯でのんびりしたい方にオススメ。ぽんたの評価は堂々の4点です。

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 福島西インターから車で20分ほど。磐梯吾妻スカイラインの北の入り口近くにある高湯温泉ですが、いまだに静かな雰囲気が残っております。さらに今回は大寒波が北日本を覆って雪に見舞われ、いっそう山深い雰囲気が漂います。
 和風の門構えで、日本秘湯を守る会の提灯がぶら下がっておりますが、建物はけっこう新しくて大きいです。

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 フロントやロビーも、木材が多用されて、落ち着いたロッジ風の雰囲気。秘湯に良くある古めかしさはありません。
 お部屋も、露天風呂やテラスがついたお洒落なベッドルームもありますが、ぽん太とにゃん子は財政的観点から和室を選択。それでも、広々した気持ちいのいいお部屋でした。

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 温泉もなかな高得点。男女別の内湯、露天風呂、貸切露天風呂がありますが、まずは貸切露天風呂から。雪を見ながらの入浴は温泉の醍醐味ですが、ヒートショックには気をつけましょう。写真には写ってませんが、正面は渓流になっております。
 そして「温泉といえばコレ」といった感じの白濁した硫黄泉。硫化水素の香りが漂います。源泉掛け流しは当たり前。

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 源泉は「高湯16番 仙気の湯」。pH=2.8の強酸性。泉温は48.5度。泉質は「酸性ー含硫黄ーカルシウムー硫酸塩温泉(硫化水素型)」です。

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 続いて露天風呂。こちらも渓流に面しております。

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 こちらの源泉は、「高湯26番 滝の湯」。pHはやはり2.8と強酸性。泉温は51.0度。泉質は「酸性ー含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫酸塩温泉(硫化水素型)」で、若干異なっております。

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 最後は男女別の内湯です。湯気で曇っていてちと見づらいですが、天井が高く、窓も大きく、広々して気持ちがいいです。源泉は露天と同じく「滝の湯」のようです。

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 夕食は、お酒好きにはたまらない手の込んだお料理が、次々と出てきます。

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 こちらがメニューです。

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 とても美味しゅうございました。

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 ライトアップされて舞い踊る雪を眺めていると、飽きることがありません。

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 朝食です。湯葉を作るための豆乳を使ったお豆腐が、大豆とにがりの濃厚な味がして美味しかったです。

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