【京都】高雄の高山寺・元栂ノ家・神護寺

Pb250030 城崎温泉三木屋で松葉ガニを堪能したぽん太とにゃん子は、紅葉を求めて京都の高雄に向かいました。写真は高山寺の国宝石水院です。紅葉がとても美しかったです。せっかくの国宝の建築物なのに、外観を眺めることができないのが残念です。高山寺といえば国宝『鳥獣戯画』が有名ですが、ここにはレプリカの一部があるだけで、現物は国立博物館に保管されています。ぽん太は最近はサントリー美術館で拝見したことがあります。
Pb250024 高山寺の駐車場の向かいにある元栂ノ家(もととがのや)です。川に面した細長い建物で、この時期紅葉が見事です。うどんが美味しゅうございました。
Pb250046 「かわらけなげ」で有名な神護寺です。嵐山・高雄パークウェイに入るとすぐ、無料の駐車場があります。そこから階段を降りて行くと、神護寺への参道に行けるので、駐車場料金を節約できます。神護寺に行くには、いったん坂道を谷底まで下り、また反対側の階段を登って行く必要があるので、けっこう大変です。いい運動になりました。こちらが神護寺の公式サイトです。

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【第九】やっぱ西本智実はカッコええのう

 ナマ西本智実を一度見て、失礼!、聴いてみようと、出かけてきました。
 西本智実と言えば、美しい容姿で有名な女性指揮者で、「男装の麗人」ともウワサされています。ちなみにこちらがオフィシャルサイトです。美しい写真もありますよ。だれですか、とろりん(西村知美)と間違えているのは。あの西本智実をぽん太の生息地の多摩地区で見れるとなれば、行かない手はありません。
 風の便りによれば、西本智実のコンサートには、彼女と同じように黒いパンタロンスーツに身を包んだコアなファンが押し寄せるとのこと。西村智実を見るも楽しみですが、訪れる観客を見るのもまた楽しみです。ひょっとして客席は、そんな女性ばっかり?中年タヌキのぽん太は、ホールへ向かう道すがら、ひょっとしたらとっても場違いなところに来てしまったのではないかと気恥ずかしくなり、顔を伏せて裏道を歩いてゆきました。しかし実際に行ってみると、普通に第九を聴きに来た多摩地区のおじさん・おばさんも多く、バッチリ化粧を決めた熱烈なファンは見当たりませんでした。ぽん太の考え過ぎだったのでしょうか?

 オーケストラの音合わせがすんで、客席が暗くなり、いよいよナマ西村の登場です。今回はクラシック・コンサートでありながら、ぽん太は双眼鏡を持参。さっそうと下手から登場する様子をアップで眺めます。胸から上に黒い刺繍が施されたタキシードがカッコいいです。宝塚風の濃いメークをしているのかと思ったら、意外とナチュラル・メイクで、かわゆらしかったです。
 まずは「フィガロの結婚」序曲。指揮ぶりもオーソドックスで、けっこう淡々とタクトを振っていました。そのせいか細かなニュアンスには欠けた気がしましたが、あくまでも「第九」の前菜なのでこんなものでしょうか。しかし、なんで「第九」の前に「フィガロの結婚」なのか、という疑問も残ります。メイン料理を引き立てるために、どのような前菜を出すかは、とっても大切なことのはず。十分に考えた上での選曲なのでしょうか?地方公演なので、有名でわかりやすけりゃいいや、という理由だけだったとしたら、ぽん太は納得できません。
 続いて休憩を挟まずお目当ての「第九」。全体としては悪くなかったですが、特徴というか、自己主張があまり感じられませんでした。昨年聴いたシフの第九は、とにかく速くて閉口しましたが、(ぽん太は納得しなかったものの)一本筋は通っていました。西本ならではの音楽を聴かせて欲しいところです。アンサンブルやリズムが時々乱れたのは、オケの実力もあったのかも。ところどころにテンポや音量でアクセントを付けるのですが、曲全体としての構成に裏打ちされていないので、唐突な印象を受けてしまいます。何回か、フッと一瞬の静寂を作るのは、ちょっとキザッタらしいけど面白かったです。激しい部分では、力強さを出そうとしてなのか、タクトを鋭く降っては止め、鋭く降っては止め、という動作になるので、ビートが強調されて旋律の流れが寸断されていたようにも思われました。終楽章は熱演でしたが、宗教性というか思想性というか、高尚さにはやや欠けた気がします。逆に意外とよかったのが3楽章。この曲が、こんなに美しくて奇麗な曲だったとは、これまで気がつきませんでした。

 コンサート終了後は、CD等の購入者を対象に、サイン会が行われました。数百人が並んでいたように思います。すごい人気です。ぽん太とにゃん子は、サインはもらいませんでしたが、近くから美しい御姿を鑑賞させていただきました。演奏が終わったばかりなのに、一生懸命ファンサービスをしている姿が、ちょっと気の毒にも思えました。
 ぽん太としては、もっと憂いを含んだ横顔や恍惚とした表情を聴衆に見せたり、キッとオケを睨んだりして、ビジュアル系を徹底して欲しいです。音楽ももっとスタイリッシュにして、「他の指揮者がやったら怒るけど、西本なら許せるよな〜」というビューティーな演奏を期待します。
 もっとも西本自身は、こうした「売れ方」は望んでおらず、実力で勝負したいと思っているのでしょう。しかし容姿の美しさも天から授かった才能で、そのおかげで多くのファンが聴きに来てくれるのですから、それを感謝し大事にしつつも指揮者としての実力を身につけて欲しいと、ぽん太は願っております。

どりーむコンサート
東京交響楽団が贈る 人類讃歌〜ベートーヴェン「第九」
2008年11月30日/府中の森芸術劇場どりーむホール

モーツァルト
 歌劇「フィガロの結婚」K.492より序曲
ベートーヴェン
 交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱付」

     指揮:西村智実
   ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:林美智子
   テノール:経種廉彦
   バリトン:宮本益光
   合唱指揮:安藤常光
     合唱:東響コーラス
    管弦楽:東京交響楽団


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【温泉】風情ある木造三階建てと松葉ガニづくし・城崎温泉三木屋

Pb250014 ぽん太とにゃん子は、紅葉を追いかけて京都に行ってきました。ついでに、城崎温泉まで足を伸ばし、以前から一度泊まってみたかった三木屋さんにお世話になりました。こちらが三木屋の公式サイトです。創業260年以上。建物はいつ頃作られたのか知りませんが、風情ある木造3階建てです。城崎の11月から3月は、松葉ガニ(ズワイガニ)のシーズンらしく、街中がカニ、カニ、カニ、という雰囲気でした。三木屋さんでも、この時期は松葉ガニ料理のプランとなるそうで、ちょっとお値段は高かったですが、奮発して行ってきました。
Pb240002 こちらが部屋の様子です。おちついた数寄屋風の和室です。けっこうひろく、中庭に面していて、とても落ち着きます。
Pb240006 こちらは宿の内湯。タイル張りで、あまり広くありません。お湯は透明で、ちょっと塩っぱいです。泉温が高いため水道水を加水しており、循環濾過はしているようですが、加温はしていないそうです。かなり地味ですし、入浴しているお客さんはあまりいません。
Pb250016 それもそのはず、城崎温泉といえば、外湯巡りです。全部で7つありますが、ぽん太とにゃん子はそのうち3つに入浴しました。写真は一の湯です。三連休の最終日の夜だったのですが、たいへん込み合っていて、にゃん子の話しでは特に女湯はすごかったそうです。雨が降っていたので宿の傘を借りて外湯巡りに出かけたのですが、あっという間に傘がなくなりました。貸傘には宿の名前が書いてありますから、きっと翌日、取り違えられた傘をそれぞれの宿に戻すのでしょう。
Pb250019 こちらは柳湯です。それからもうひとつ、まんだら湯に入りました。
 実はぽん太とにゃん子は、ずっと昔、城崎温泉に泊まったことがあります。そのとき泊まったのは、なんと「素泊まりの宿」だったのですが、温泉街を歩いていたら見つけました。みよし旅館という名前です。城崎温泉にはカニ料理の店もいっぱいあるので、素泊まり旅館に泊まって夕食を外で食べるのも、悪くないと思います。
 なんで昔の話しをしたかというと、その時の記憶では、昔ながらの古めかしい外湯も残っていたような気がしたからです。現在はどれも新しく建て直されて、アメニティはいいかもしれませんが、昔ながらの風情はなくなってしまったような気がしました。
Pb240008 さて、こちらがお目当ての松葉ガニのカニすきコースです。一人一匹分のカニすきは、しゃぶしゃぶでいただいたら甘くてとてもおいしかったです。焼きガニも香ばしくて美味。カニのお造りがないのがちと残念でしたが、カニしゃぶが十分埋め合わせてくれました。
Pb250011 朝食は、これまた定番のカレイの唐揚げ。お豆腐もおいしく、疲れて胃袋を癒してくれました。
 三木屋さんは、「志賀直哉ゆかりの宿」だそうで、『城の崎にて』はこの旅館で執筆されたのだそうです。家に帰ってから宿のホームページをチェックして知ったのですが、言えば、志賀直哉が滞在した部屋を見学できたようです。いろいろと慌ただしくて旅行前に情報を得られずに、残念でした。

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【副作用】便秘薬の酸化マグネシウムの副作用で死亡例も!?

 本日の朝刊に、便秘薬としてよく使われる酸化マグネシウムの副作用に関する記事が掲載されていました。例えば毎日新聞の記事はこちらで、「酸化マグネシウム:便秘薬など副作用15件、うち2人死亡」というタイトルになっております。
 タイトルだけ読むと、命を失いかねない恐ろしい薬のようですが、記事をよく読んでみると、「『酸化マグネシウム』の服用が原因とみられる副作用報告が05年4月~今年8月に15件あり、うち2人が死亡していた」とのこと。3年4ヶ月で15件、死亡が2名ということです。その記事によれば、酸化マグネシウムの推計使用者は、年間延べ約4500万人とのこと。それが3年4ヶ月分ですから、リスクは高いとはいえません。使用を控える必要はないと思いますが、副作用を常に念頭に起きながら診療をすることと、定期的な血液検査は行う必要がありそうです。
 今回の情報は、厚労省が月1回出している「医薬品・医療機器等安全性情報」に掲載されたものですが、なぜかそれは厚労省のホームページにはアップされておらず、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」が運営する医薬品医療機器情報提供ホームページというサイトのこのページで読むことができます(きっと天下り先ではないでしょう)。平成20年11月27日(No,252)で、そのpdfファイルはこちらで読むことができます。
 そこに死亡例2例の概略が出ておりますが、おのおの80歳代、90歳代と高齢ですので、若い人に用いる場合にはリスクは高くなさそうですが、それでも十分な注意が必要と思われます。
 酸化マグネシウムの販売名の一覧も、上記のpdfファイルに書いてあります。
 高マグネシウム血症の症状もまた、上記のpdfファイルにも出てますが、またこちらのメルクマニュアル家庭版でも見ることができます。初期症状としては、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠などがみられ、重篤になると、呼吸抑制や意識障害、不整脈などが現れ、心停止にいたることがあるようです。治療としては、カルシウム製剤や利尿剤、透析などが行われるようですが、クリニックレベルでここまで行ってしまってはダメで、そうなる前に発見して薬の投与を中止する必要があると考えられます。

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【オペラ】荒川静香の記憶と重なって思わず涙/キエフ・オペラ『トゥーランドット』(2008年11月23日)

 先日『マノン・レスコー』を観たキエフ・オペラですが、次に『トゥーランドット』を観てきました。『トゥーランドット』といえば、オペラ初心者のぽん太には、なんといっても荒川静香のイナバウワーのイメージです。おそらくほかの聴衆の多くもそうでありましょう。2006年トリノ・オリンピックの荒川静香のYoutubeの動画はこちら。ぽん太も久々に見ましたが、柔らかくてしなやかですばらしい演技ですね。でもイナバウワーって、意外と一瞬だったんですね。
 今回は某デパートのカード会員の特別企画で、「見どころ講座」と「リハーサル見学」つき。「見どころ講座」、楽しみにしていたのですが、何の手違いか講師の先生の到着が遅れて、話しを聞く時間が短くなってしまったのが残念でした。あらすじを追いながら、聞き所を解説していただきました。到着が遅れたあいだ、光藍社の偉い人が公演にまつわる舞台裏などを話して下さり、それもまた面白かったです。手違いのお詫びとして公演プログラムもいただき、ありがたいかぎりです。リハーサル見学では、合唱の歌手たちが、私服で発声練習をするという、普通ではけっして見られぬ場面を見ることができました。学校の音楽の時間のように、少しずつ音程をあげて行きながら、声慣らしをしてました。そのあとオケも加わって、出だしの部分のリハーサルをしていました。私服のおじさん・おばさんたちが、本番では見事な衣裳を着て化粧もばっちり決めて出てきたときには、そのギャップが面白かったです。
 さて感想ですが、先日観た『マノン・レスコー』より、格段とよかったです。その理由が、プッチーニの遺作の『トゥーランドット』が出世作の『マノン・レスコー』より音楽や脚本が優れているからなのか、歌手がよかったためなのか、それとも事前に「見どころ講座」を聞いたおかげなのか、オペラ初心者のぽん太にはさっぱりわかりませんでした。
 しかし、音楽的に『トゥーランドット』が『マノン・レスコー』よりはるかに優れているのは確かなようで、和声や構成もより複雑ですし、ドラマとしてもよくできてますし、また「誰も寝てはならぬ」のようなすばらしいメロディもあります。Wikipediaの「トゥーランドット」の項目によれば、ドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』の影響をうけたりもしているそうですが、ほかにもストラヴィンスキーっぽいところとかもあったような気がします。とはいえ決して難解で高尚にはならず、あくまでも通俗レベルの上をキープしているところがプッチーニっぽいです。
 あらすじは簡単に言えば、ツンデレ姫トゥーランドットのお話しです。興味がある方は上にリンクしたWikipediaをご覧下さい。
 歌手では、カラフのオレクシィ・レプチンスキーが、とても伸びやかで明るい声で朗々と歌い、イタリアっぽくてすばらしかったです。トゥーランドットのザクラスニャーナは、容姿は貫禄があって気が強そうでトゥーランドットに合っていますが、声の質は意外と軽やかでかわいらしく、ツンデレのデレになってからの方が似合っていると思いました。それからすばらしかったのが、リューのアッラ・ロジーナ。美人で細身。カラフへの身分を超えた愛のために自らの命を捧げる女奴隷の役を、見事に歌い上げました。もう少し声に細かな表情があるといいのですが。
 演出は伝統的で奇をてらったところはありません。セットも重厚で、それなりに豪華でした。コンヴィチュニーのような新解釈もいいけど、古典的・伝統的な演出の「グランド・オペラ」も悪くないですね。

 ところで『トゥーランドット』の元になる物語に関しては、いろいろと説があるようで、上述のWikipediaからもリンクされていますが、香川大学教授の最上英明氏の論文がとても面白いので、ぽん太もリンクを張っておきます(「トゥーランドット物語の変遷」(1997)、「トゥーランドット物語の起源」(1998))。
 日本の昔話『竹取物語』も、「謎掛け姫」物語のひとつと考えていいのでしょうか?また、「名前当て」という点では、グリム童話の『ルンペルシュティルツヒェン』が思い出されます。青空文庫に邦訳のテキストがあります。
 

『トゥーランドット』
作曲:ジャコモ・プッチーニ
ウクライナ国立歌劇場
2008年11月23日・調布ドリームホール

トゥーランドット:ジャンナ・ザクラスニャーナ
カラフ:オレクシィ・レプチンスキー
皇帝アルトウム:ステパン・フィツィチ
ティムール:セルヒィ・マヘラ
リュー:アッラ・ロジーナ
ピン:ペトロ・プリイマク
パン:セルヒィ・パシューク
ポン:パブロ・プリイマク
役人:ミハイロ・キリシェウ

指揮:ヴォロディミル・コジュハル
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
合唱:ウクライナ国立歌劇場オペラ合唱団
バレエ:ウクライナ国立歌劇場バレエ団

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【オペラ】力強いけど繊細な表現力に欠けるかな/キエフ・オペラ『マノン・レスコー』(2008年11月19日)

 「マノン・レスコー」と聞くと、ぽん太がまず思い出すのは、岩崎良美の「あなた色のマノン」である(Youtubeの動画はこちら)。なにやら恋に生きた女の話しらしい。それにしても岩崎良美はどうしているのだろうか。

 感想は、正直言うと、こんなもんかな、という感じでした。このオペラを初めて観たぽん太には、プッチーニが悪いのか、歌手が悪いのか、演出が悪いのか、とんと区別がつきません。
 1893年初演。プッチーニの出世作とのことですが、心を揺さぶるようなアリアがありません。マノン・レスコーのテチヤナ・アニシモヴァは声量はありますが、声を張り上げたときに柔らかさがなく、繊細な表現力に欠ける気がしました。デ・グリューのドミトロ・ポポウはなかなか伸びのある声でしたが、イタリア的な明るさがないような気がしました。
 なんだか場面が飛んで筋がわかりずらかったのですが、「マノン・レスコー」は、当時は誰でも知っている有名な話しだったからとのこと。しかし、第2幕でジェロンテの妾宅にいきなりデ・グリューが現れるのは、不自然なのはもとより、家宅侵入ではないでしょうか。またそこで、これまでみんなにちやほやされて喜んでいたマノンが、突然「愛しているのはあなただけよ」と歌いだすのも、「をいをい、さっきまで喜んでたくせに」と突っ込みたくなります。第3幕でも、デ・グリューが「私もこの船に乗せてくれ」と言い出し、いきなり船長が「下級水夫として乗せてやる」とか言って、「やった〜」とマノンと階段の途中で抱き合うのも、わけが分かりません。アメリカまでイチャイチャしながら航海したのでしょうか?最後のルイジアナの荒野の場面も、いわゆる「異国情緒」というヤツなのでしょうか、ちょっと唐突です。「あなた色のマノン」で、「ああずっとこのままあなたが疲れ果て、砂にたおれるまで愛してくれますか」とか「連れてって下さい遠く遠く砂漠よりも、遠く果てなく」というのは、これだったのか。
 セットや衣裳は意外と豪華。全体として素朴で力強いけど、ちょっと繊細さに欠けて大味なオペラだったように思います。リーゾナブルな価格で「マノン・レスコー」を観れたのでよかったです。なかなか熱演だったのに、歌手ごとのカーテンコールがなく拍手が終わってしまったのが、ちょっと申し訳ない気がしました。
 こんど、原作を読んでみたいと思います。
 それからキエフ・オペラは、荒川静香で有名な『トゥーランドット』も観に行く予定なので、またご報告いたします。


キエフ・オペラ(ウクライナ国立歌劇場オペラ)
「マノン・レスコー」
作曲:G.プッチーニ
2008年11月19日、東京文化会館

      マノン・レスコー:テチヤナ・アニシモヴァ
          レスコー:ヘンナージィ・ヴァシェンコ
 騎士レナート・デ・グリュー:ドミトロ・ポポウ
ジェロンテ・ド・ラヴォワール:セルヒィ・マヘラ
         エドモンド:セルヒィ・パシューク
         旅籠の主人:アンドリィ・ゴニュコフ
          舞踏教師:ドミトロ・クジミン
           音楽家:テチヤナ・ピミノヴァ
         街灯点灯夫:ユーリィ・アブラムチュク
         射撃隊軍曹:エフゲン・オルロフ
            軍曹:ミハイロ・キリシェウ

            指揮:ヴォロディミル・コジュハル
           管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
            合唱:ウクライナ国立歌劇場オペラ合唱団
           バレエ:ウクライナ国立歌劇場バレエ団

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【雑学】ぶらぶら病(ぶらぶらやまい)補遺

 ぽん太は以前の記事で、歌舞伎の「直侍」に出てきた「ぶらぶら病」(ぶらぶらやまい)をみちくさしました。そのとき、松井高志の『人生に効く!話芸のきまり文句』(平凡社新書、平凡社、2005年)でぶらぶら病について触れているらしいと書きました。こんかいその本を入手しましたので、ご報告申し上げます。
 204〜205ページの欄外の「豆辞典」に出ています。引用させていただきます。
 「ぶらぶら病(ぶらぶらやまい)  重症ではないが、寝たり起きたり、さっぱり全快しないような病気。気鬱の病(神経症)など。話芸では、実は往々にして深窓の令嬢の恋煩いであったりする。(落語「代脈」「御神酒徳利」他)」
 なるほど。挙げられている落語を聞いたりし始めると、きりがなさそうなので、みちくさを続けるのは止めておきます。
 ちなみに「ぶらぶら病」でググって見ると、現代の用法で一番多いのは、放射線による原因不明の健康被害(たとえばこちら)のことのようです。

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【歌舞伎】こんな恐ろしい芝居は見たことない・仁左衛門の『盟三五大切』

 こんな恐ろしい芝居、いや、小説や映画を含めて、こんな恐ろしいものは初めてでした。
 ぽん太とにゃん子がごひいきの仁左衛門をはじめ、豪華な顔ぶれによる顔見世大歌舞伎、うきうきとした気分で観に行ったのですが、こんな怖い目に遭うとは思いませんでした。
 というのは『盟三五大切』のことです。ぽん太は初めて観る演目です。作が『東海道四谷怪談』などで有名な四世鶴屋南北なので、おどろおどろしいのはある程度予測しておりましたが、仁左衛門演じる薩摩源五兵衛は心底怖かったです。
 この狂言の初演は1825年(文政8年)江戸中村座。筋書によれば、小万・源五兵衛の心中事件を題材にした並木五瓶の『五大力恋緘』(がだいりきこいのふうじこめ)を下敷きに、当時大阪曾根崎新地で起きた五人切り事件と、『忠臣蔵』や『東海道四谷怪談』を結びつけて作られているそうです。歌舞伎ではこれを「綯い交ぜ」(ないまぜ)というそうですが、ポストモダン的な「引用」と言ってもいいでしょう。この台本は、さまざまな事件や作品を「引用」しているというだけでなく、色男と傾城のつやっぽいやり取りから、語り、殺人、ありきたりなお笑い、怪奇的な場面など、あらゆるもののごた混ぜ、チャンプルーで、キッチュな香りが濃厚です。
 仁左衛門は、「二軒茶屋」までは後半のネタを割らず、あくまでも人のいい色男の若侍として源五兵衛を演じます。「五人切」では殺しの美学。忍び寄る影が丸窓に映り、中央に立ちはだかったところで障子がすーっと開くところで、青ざめた仁左衛門の表情に背中がゾクゾクします。そしてだんまりのようなスローで様式的な動きのなか、次々に人々が斬り殺されます。気分がすっかり暗くなり、幕間の弁当がすすみません。
 「四谷鬼横町」になると、まさに幽霊です。八右衛門が身代わりでお縄にかかったことで、すべての恨みは晴れたかのように見えますが、それでもやはり恨みが忘れられぬと、源五兵衛は立ち戻ってきます。小万を切り刻み、刺青のある腕を落とし、子供までも手にかける様子は、まるで地獄絵図です。歌舞伎ではしばしば悪や人殺しが描かれます。この狂言でも、三五郎は源五兵衛を騙して百両を奪い取るという「悪」を働きます。しかしここでの源五兵衛は、そうした通常の悪とは比べ物にならない、人間の業というか、根源的な悪を表していました。ぽん太の目にはうっすらと涙がこぼれて来たのですが、それは同情やカタルシスの涙ではなく、ぽん太のなかにもおそらくは潜んでいる、あらゆる人間が持つ根源的な悪に対する、哀しみの涙でした。
 小万殺しの場面の猟奇的な美しさも見事でした。帯にくるんだ首を、いとおしそうに抱きながら立ち去る姿は、オスカー・ワイルドの『サロメ』で、サロメが銀の皿にのせられたヨハナーンの首に接吻する場面を思い出しました。
 薄暗い中に、源五兵衛を迎えに来た志士が一斉に並び、志士の一員に加われたことを源五兵衛が悦ぶというラスト・シーンは、筋の流れがめちゃくちゃで、まるで不条理劇のような迫力でした。
 今月の新橋演舞場における海老蔵の仁木弾正や福岡貢の殺しもそれなりに面白かったのですが、本日の仁左衛門の芸をみてしまうと、まだまだレベルの差を感じます。

 ところで、殺人の場面でのきまりに対して拍手が起きるのに、ぽん太は違和感を感じます。ぽん太の感覚では、拍手というのは、「囃し立てる」というイメージがあり、目出度いものを誉めたたえる意味があるように思えます。殺人のような場面では、いかにその演技がすばらしかろうと、拍手をするのは場違いのような気がするのですが、皆様はいかがお感じでしょうか。こういうときは、大向こうの鋭いかけ声があっているような気がします。とはいえ、ぽん太の「拍手」の語感に関しては、直ちに論拠を提示することはできません。ぽん太だけの思い込みかもしれません。
 ところで、小万が腕に彫った「五大力」ってなんだ?洋服の「五大陸」なら知っているが。goo辞書で引いてみると、もともとは五大力菩薩を意味しますが、五大力の加護によって封が解けずに相手に届くようにと、女性が恋文などの封じ目に書くようになり、さらに、女性が誓いや魔除けの言葉として使うようになったのだそうです。

 昼の部のもうひとつの演目「吉田屋」は、以前に仁左衛門がとても可愛らしく演じた記憶が残っています。藤十郎の伊左衛門は、上方らしい柔らかい雰囲気に満ちておりました。馬鹿ばかしいほど明るく目出度いラストで、暗くなった気分がようやく救われました。


歌舞伎座百二十年・吉例顔見世大歌舞伎
平成20年11月・歌舞伎座
昼の部

一、通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
    序 幕 佃沖新地鼻の場
        深川大和町の場
    二幕目 二軒茶屋の場
        五人切の場
    大 詰 四谷鬼横町の場
        愛染院門前の場
          薩摩源五兵衛    仁左衛門
            芸者小万    時 蔵
          六七八右衛門    歌 昇
           出石宅兵衛    翫 雀
          お先の伊之助    錦之助
            芸者菊野    梅 枝
         ごろつき勘九郎    権十郎
           廻し男幸八    友右衛門
           内びん虎蔵    團 蔵
          富森助右衛門    東 蔵
            家主弥助    左團次
            僧 了心    田之助
          笹野屋三五郎    菊五郎

二、玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう)
    吉田屋
          藤屋伊左衛門    藤十郎
            扇屋夕霧    魁 春
           若い者松吉    亀 鶴
           女房おきさ    秀太郎
         吉田屋喜左衛門    我 當

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【登山】早くも冬枯れ・快晴の大菩薩嶺

Pb130023 毒沢温泉神乃湯でのんびりくつろいだぽん太とにゃん子は、翌日、大菩薩で登山と洒落込みました。実は前日も、韮崎の近くの荒倉山に登るつもりでいました。ぽん太が持っていたガイドブックには、「親睦会にいい山」と軟弱そうなことが書いてあって、温泉の前に気軽に紅葉を楽しむ予定でした。遠くから眺めた荒倉山は、予想どおりの紅葉のまっさかりだったのですが、いざアプローチしようと車で林道に入って行ったら、登山口がよくわかりません。そのうち林道が細くなって凹凸も激しくなって来たので、車から降りて偵察に出ました。するとそこにいたのは何十匹もの猿の大群です。「キーッ、キーッ」と警戒の声をあげながら逃げて行きます。
 ところが次の瞬間、猿たちの声が「ギャーッ、ギャーッ」という攻撃と威嚇の声に変わりました。ぽん太は猿語は解さないのですが、動物の本能として、それが攻撃の声であることはすぐわかりました。林道の両脇の1〜2メートルしか離れていない茂みからも、ガサガサと物音が聞こえて来て、多数の猿が攻撃の機会を伺いながらぽん太を包囲している様子です。ぽん太はあわてて車に駆け戻りました。
 むむむ、マイナーな山は恐ろしいわい。「親睦会にいい山」と書いてあったが、猿が親睦会をやっているとは思わなかった。
 ということで本日は、「アツモノに懲りてマナスを吹く」ということで、超メジャーな山・大菩薩に登ることにしました。

【山名】大菩薩嶺
【山域】山梨県
【日程】2008年11月13日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】快晴
【コース】上日川峠(12:35)…福ちゃん荘…大菩薩嶺(13:49)…大菩薩峠…上日川峠(15:50)
【マイカー登山情報】上日川峠周辺に駐車場あり。そこまでの道は舗装されていて、道幅もそれほど狭くない。福ちゃん荘まで車で入ることはでき、宿泊客なら車も停められるようだが、一般車は駐車できないので注意。
【参考リンク】
大菩薩嶺/山と高原地図web:ご存知昭文社の山と高原地図のサイト
丸川荘ホームページ:丸川峠にある丸川荘のサイト。登山道やその他の案内が詳しい。

 とても暖かい秋晴れの日でした。上日川峠の駐車場に車を停めて林の中を福ちゃん荘に向かいます。紅葉は既に1000メートル以下。ここらはもう冬枯れの様相で、真っ青な空を背景にした雑木林がとても美しかったです。
Pb130025 稜線の雷岩まではひとのぼり。まず大菩薩嶺まで往復です。頂上付近の稜線には、すでに雪もありました。雷岩ですばらしい展望を眺めながらお弁当です。
Pb130028 南にはすでに雪化粧をした富士山がそびえています。手前には上日川ダムのダム湖が見え、左には大菩薩峠を経て南へと小金沢連嶺が続いています。
 稜線を大菩薩峠まで歩きました。大菩薩峠からの下り道はまるで林道のような整った道でしたが、道に迷ったり猿に襲われそうになったりせずに、安心して下ることができました。

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【温泉】この褐色のお湯はいかにも効きそうじゃわい・毒沢鉱泉神乃湯(★★★★)(付:諏訪湖間欠泉)

Pb130014 以前から気になっていた宿、毒沢鉱泉神乃湯に泊まって来ました。武田信玄の隠し湯と呼ばれる歴史ある鉱泉です。「毒沢」という名前が独特ですが、温泉成分が濃くて魚が死んだためとか、武田信玄が金山の人夫の治療に使うにあたり、金山を知られないように恐ろしい名前をつけたとか、いくつかの説があるようです。場所は諏訪湖の北、諏訪大社秋宮の近くです。こちらが宿の公式サイトです。
Pb120003 毒沢鉱泉は数件の宿屋からなる小さな温泉ですが、神乃湯は一番奥の高台にあります。紅葉した木々に囲まれ、山荘風の落ち着いた建物です。クリスマスの飾りが可愛かったです。
Pb130021 建物は平成13年に改装されたとのことで、いわゆる和風モダンの洒落た造りになっております。
 お風呂は、男女別の内湯のみ。「同時に6名まででご利用下さい」という張り紙がしてあります。けっこうひろいので、6人以上入れそうですが、静かで落ち着いた雰囲気を保つための配慮でしょうか、ぽん太には好ましく思われました。泉温が2度とのことなので、循環加熱をしておりますが、茶褐色に濁ったお湯はいかにも効果がありそうです。なめるととっても渋くて酸っぱいです。傍らに小さな源泉の浴槽がありますが、10秒間手を入れて考えて、入浴をあきらめました。
Pb120005 夕食は盛りつけがとてもきれいで感心しました。地元の新鮮な素材を使った美味しい郷土料理で、自家製ピーナッツ豆腐や、鰻の肝焼きが珍しかったです。もちろん信州ですからお蕎麦が着くのはあたりまえ。身体が内側からきれいになって行くようなお料理でした。
Pb130009 朝食もおいしゅうございました。
Pb130017 宿の裏手には薬師神社があります。館内には他にもさまざまな神様が安置されています。「神乃湯」という名前からもわかるように、若干神秘的な傾向がありますが、普通に泊まる分には気にせずに泊まることができます。初代の子供の医者に見放された病が、このお湯によって治ったことから、噂を聞きつけて人々が入浴するようになったため、この宿ができたのだそうです。
 鉱泉のマイナーな味わいを残しながらも、レトロモダンの洗練された味わいが心地よく、さらに「癒し」の雰囲気もよく、ぽん太の評価は4点です。

Pb120001_2 以前に疑問に思った諏訪大社と狐の関係を探求した方のですが、時間がないので省略。先日訪れた吹上温泉と間欠泉つながりで、諏訪湖間欠泉センターを訪れました。次の噴出まで時間があったので、噴出は見学できませんでした。写真が噴出口ですが、なんか人口的。そういえば、噴出時間が決まっていて、しかも10時とか11時30分とか切りがいいのが妙です。しかも夜間は止まるとのこと。帰宅してから公式サイトを見てみると、昭和58年に掘削したときは50メートルの高さまで吹き上がったのだそうですが、次第に間隔が長くなって自噴しなくなり、現在はコンプレッサーで圧搾空気を送り込んで、噴出させているのだそうです。な〜んだ。
 ちなみにぽん太の頭の中には、「諏訪湖畔で間欠泉が高々と吹き上げているのを高速から見ている」という記憶があるのですが、それがホントに見たものなのか、いろいろな情報から作られたものなのか、確かめる方法はありません。

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