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2005/01/29

統合失調症の再発率は?

 統合失調症の再発率はどの程度なのか? ぽん太はおおよその数字は知っていますが、恥ずかしながら正確なエビデンスを知りません。患者さんに説明するときには、ついつい服薬を止めないように、脅しというわけではないですが、大きめの数字を言いたくなります。しかしこれからはインフォームド・コンセントの時代ですから、エビデンスに基づく正確な情報を伝えるべきでしょう。
 とはいえ調べるにしても、ぽん太のように開業してしまうと、医学の学術誌を参照するのがとても難しくなります。医学論文がインターネットで簡単に見れるようになるといいのですが。
 そこで手元にある、日本精神神経学会監訳『米国精神医学会治療ガイドラインー精神分裂病』医学書院、1999(現在は絶版。もうすぐ新版が翻訳されると思います)を見てみました。以下に引用いたします。

 「多くの研究が、安定期に入っても薬物療法を継続した患者とプラセボに変更した患者について、その再発率を比較している。最初の1年間は、薬物療法を継続した患者は薬30%しか再発しなかったが、プラセボに変更した患者では薬65%が再発している。
 一方、デポ剤を使用して薬物療法のコンプライアンスが保証されていた場合でも、1年間に24%の患者が再発している。Hogartyらは、抗精神病薬を2-3年にわたって継続投与され、安定期で再発の危険性が低いと判断された外来患者の66%が、薬物療法を中止したその年のうちに再発することを見いだした。Kaneは、十分に安定していた患者の薬物療法を中断した研究をレビューし、75%の患者が6-24ヶ月以内に再発すると報告している。
 多くの研究は、統合失調症の初回エピソードから回復した後の抗精神病薬の使用に焦点をあてている。入念に設定された二重盲検試験では、初回エピソードから回復して治療を受けなかった場合には、回復後1年間のうちに40-60%の患者が再発することを示している。」(前掲書、32ページ。病名など一部改変)。

 ということで、初回のエピソード後の1年間で、薬物療法を受けていても約30%が再発し、薬を中断すると再発率が2倍の60%程度に高まるという認識で、ほぼ問題はなさそうです。
 複数回のエピソードを経験しているひとは、再発率は当然高まると考えられます。安定した状態が数年続いているひとは、再発率は低くなるでしょう。

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精神医療・福祉」カテゴリの記事

コメント

コメントありがとうございます。
精神病院への入院、確かに不安でしょうね。でも、先生やスタッフの人たちとの信頼関係がおありになるようなので、安心して入院できることと思います。
病気はなんでもそうですが、早めにしっかり治療をしたほうが、治療効果があがります。また薬もいろいろな種類が出ておりますので、先生と協力して、自分に合った薬を見つけることができると思います。
早く元気になって退院できるといいですね。
またぽん太のブログに遊びに来て下さい(さいきん精神医学の記事が少なくてごめんなさい)。

投稿: ぽん太 | 2015/05/05 16:03

精神病院への入院を考えています。
色々と不安があるのですが
先生やスタッフさんは親切な人達ばかりなので
先生を信じてがんばって治療しようと思い始めています。
色々な薬を試すというのは普通の治療方法だと書いてありました。
薬を飲まないと障害が残るとも書いてありました。
ストレスへのバリアにもなるということなので
それは絶対に必要だと思いました。

投稿: | 2015/05/02 18:09

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