« 「ローマ皇帝カエサルは帝王切開で生まれた」は間違い | トップページ | 感情表出(EE)を下げていきいき家族(その2) »

2005/03/20

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その1)

 奥様こんにちは、みのぽん太です。
 さて、本日の「おもいッきりブログ」ですが、テーマは「感情表出(EE)」です。感情表出とかEEとか、ときどき聞きますね〜。でも、それがどういうものか知っているひとは、あんがい少ないと思います。そこで今日は奥様がたに、ぜひ、「感情表出」を勉強していただき、実際に生かして欲しいと思います。

 まず最初のフリップです。

家族の感情表出が高い(高EE)と、
統合失調症患者の○○○が上がる。

 さあ奥様、何でしょう。え? そうですね、「再発率」です。

家族の感情表出が高い(高EE)と、
統合失調症患者の再発率が上がる。

 ね〜え奥様、ご家族の統合失調症が再発すると困りますよね。ご本人もご家族もつらい思いをいたします。統合失調症の再発率を上げてしまう「感情表出」って、いったい何でしょうか? 覚えて帰ってくださいね。はい、次のフリップをご覧下さい。

家族表出(EE:Expressed Emotin)とは
家族が患者さんに示す悪い感情のこと

 感情表出とは、簡単にいえば、感情を表すことです。英語ではExpressed Emotionといいますので、略してEEと呼ぶこともあります。感情といっても、すべての感情ではありません。いくつかの悪い感情のことです。ですから感情表出がいけないからといって、笑いも怒りもせずに能面のようにあらゆる感情を押し殺さなければいけないというわけではありません。
 それでは、どんな感情が問題なのでしょう。それは三つあります。フリップをご覧下さい。

◯◯
◯◯
◯◯◯◯◯

 はい、まず最初の悪い感情ですが、

批判
◯◯
◯◯◯◯◯

 批判ですね。患者さんと一緒に暮らしていると、病気だから仕方がないと自分に言い聞かせていても、ついつい文句を言いたくなることがありますよね。「この子はわけわかんないことばかり言って」とか「まったく一日中ごろごろ寝てて」とか。こういう批判や非難が再発率を高める感情表出のひとつなんですね。気をつけましょう。
 さて、次の悪い感情は

批判
敵意
◯◯◯◯◯

 敵意です。敵意というのは、患者さんの一つひとつの症状や行動を批判するのではなく、患者さんの存在自体を否定するような言葉や感情ですね。たとえば「あなたとなんか暮らしたくないわ」とか、「お前は生きてる価値がないね」とかいうものです。こんなこと言われたら、誰だってつらいですよね。
 さて三番目の悪い感情は・・・

批判
敵意
巻き込まれ

 そうですね、巻き込まれですね。ほら奥さん。患者さんが不安になってくると、一緒になって不安になってしまうことがありませんか? あるいは患者さんが興奮して怒鳴ったりしているのを見て、奥さんも腹を立てて怒鳴り返したりしませんか? こういうのが巻き込まれですね。それから患者さんのことを心配しすぎて、いちいち行動を監視したり、細かいことをああだこうだ指図したりすることはありませんか? また過保護になって、本人に任せられず、なんでも代わりにやってしまったりしていませんか? これらも巻き込まれの一種なんですよ。
 これらの三つの感情、これが多すぎると、ご家族の統合失調症の再発率があがるんですね。では、実際にどれくらい再発率があがるのか? それは次回の「おもいッきりブログ」でお話いたします。

参考文献
レフ、ヴォーン『分裂病と家族の感情表出』三野善央ら訳、金剛出版、1991年

その1その2その3その4その5

|

« 「ローマ皇帝カエサルは帝王切開で生まれた」は間違い | トップページ | 感情表出(EE)を下げていきいき家族(その2) »

精神医療・福祉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/3365517

この記事へのトラックバック一覧です: 感情表出(EE)を下げていきいき家族(その1):

« 「ローマ皇帝カエサルは帝王切開で生まれた」は間違い | トップページ | 感情表出(EE)を下げていきいき家族(その2) »