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2006/03/18

『アンティゴネ』のみちくさにチャレンジ

 ぽん太は以前のブログで、ギリシアのデルフィがソポクレスの悲劇『オイディプス王』に描かれた神託が行われた場所だということを書きました。ソポクレスには他にも『コロノスのオイディプス』と『アンディゴネ』というオイディプス王伝説を扱った悲劇があり、いずれも『ギリシア悲劇 (2)』(ソポクレス著、ちくま文庫、1986年)に収録されています。フロイトが重視したのはもちろん『オイディプス王』なのですが、実は『アンティゴネ』の方が古来多くの人々によって論じられてきたようで、ラカンも『精神分析の倫理 下』(小出浩之他訳、岩波書店、2002年)で『アンティゴネ』を論じていたのを思い出しました。ラカンの言いたいことはぽん太の狸脳では理解不能なのですが、ギリシャ悲劇つながりでみちくさしてみる気になりました。但し途中で道に迷って遭難し、すごすごと退散する可能性大です。
 とりあえず今回はオイディプス王の伝説のおおまかなあらすじをご紹介しましょう。
 まず『オイディプス王』に書かれている範囲は、冒頭にあげた以前のブログに書きましたが、再掲しておきましょう。

 テーバイの王ライオスは、自らの子供によって殺されるという神託を受けます。そこでライオスは、妻イオカステとの間にできた男児を山のなかに置き去りにするよう命じます。しかしその男児は羊飼いによって拾われてオイディプスと名付けられ、コリントス王の子供として育てられます。成長したオイディプスは、自分が本当にコリントス王の息子かどうか疑いを持ち始めます。オイディプスはそのことで神託を受けようとしますが、下された神託はその答えではなく、「父を殺し、母と交わるであろう」というものでした。コリントス王を実父と信じるオイディプスは、神託の実現を恐れて旅に出ます。ところが旅の途中で出会った老人といさかいになり、オイディプスはこの老人を殺してしまいます。実はこの老人はオイディプスの実の父親のライオス王だったのですが、オイディプスはそのことを知りません。そのころテーバイは、スフィンクスという怪物によって悩まされていました。旅人に謎をかけ、答えられないと食べてしまうのです。その謎とは、有名な「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足、な〜に?」というヤツで、オイディプスが「人間!」と正解を答えるとスフィンクスは自殺してしまいました。こうしてオイディプスは実の母であるイオカステと結婚してテーバイの王となるのですが、二人が実の母子であることはもちろん二人とも知りません。しかしそれ以来テーバイは疫病と不作に苦しめられるようになります。その原因を探る過程で、オイディプスは、神託どおり自分が父を殺し母と交わったことを知ります。真実を知ったオイディプスは、自ら目をつぶして盲目となり、テーバイから追放されるのです。

 話は『コロノスのオイディプス』に続きます。

 オイディプスと、その母であり妻であるイオカステのあいだには、ポリュネイケスとエテオクレスという二人の息子と、アンティゴネとイスメネという二人の娘がいました。長男のポリュネイケスがオイディプスの後を継いでテーバイの王となっていたのですが、弟のエテオクレスは、イオカステの兄弟のクレオンと共謀してポリュネイケスを王座から追い落としてテーバイから追放します。ポリュネイケスはアルゴス軍を引き連れてテーバイに再び攻め込もうとします。そこにオイディプスを味方につけた方が勝利するという神託が下されます。
 盲目となってテーバイを追われたオイディプスは、娘のアンティゴネに手を引かれてさまよううちに、コロノスに至ります。かつてのアポロンの神託によれば、オイディプスはこの地で命を終え、死体の葬られた地には祝福が与えられ、彼を追い出した地には呪いがもたらされるのでした。そこにイスメネ、クレオン、ポリュネイケスが次々とやってきてオイディプスを連れ戻そうとします。しかしテーバイを追い出されたことを恨みに思うオイディプスは、ポリュネイケスとエテオクレスの兄弟が二人とも互いの手によって殺されるであろう、と呪います。
 オイディプスはアテナイの王テセウスに導かれ、森の奥で神秘的な最後を迎えます。そして永遠にアテナイの守り神となるのです。

 で、最後は『アンティゴネ』です。

 オイディプスの死後、アンティゴネとイスメネの姉妹はテーバイの都に戻ります。しかしオイディプスの呪いどおり、王座を巡って闘ったポリュネイケスとエテオクレスの兄弟は刺し違えて死んでしまいます。かわって王座についたクレオンは、テーバイを攻めたポリュネイケスの死体の埋葬を禁じる布告を出します。しかしアンティゴネは布告に逆らってポリュネイケスの屍に葬礼を施します。捕らえられてクレオンの前に引き出されたアンティゴネは、自分の行為は正義に基づく正当なものだと主張します。クレオンは、息子でありアンティゴネの許嫁でもあるハイモンの抗議にも耳を貸さず、自分の布告に従ってアンティゴネを生きたまま墓に閉じ込めます。しかし予言者テイレシアスの忠告によって考えを改め、ポリュネイケスの遺体を埋葬したうえで、アンティゴネを墓穴から解放しに行きます。しかしクレオンが見たのは首を吊って死んでいるアンティゴネでした。そして息子のハイモンも、アンティゴネの後を追って自殺してしまうのでした。

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