ハンガリーは自殺が多い?
自殺に関する統計を見ていて思い出したのですが、ゴールデンウィークに中欧を旅行したとき、ハンガリーの現地ガイドさんが、「ハンガリーは自殺が多い」と言っていました。ところが、こちらの自殺率の国際比較というページを見てみると、ハンガリーの人口10万人あたりの自殺率は28.0人で、世界7位です。この数字は、世界10位の日本の24.1人と大差なく、また世界1位のリトアニアの44.7人には遠く及びません。ということで、ハンガリーの自殺率は確かに高い方であるが、飛び抜けて高いとは言えないようです。
しかし、こちらの主要国の自殺率長期推移というデータを見てみると、1980年代のハンガリーの自殺率がダントツに高かったことがわかりました。なんと約45人です。ガイドさんはこの頃の印象から、「ハンガリーは自殺が多い」と言ったのでしょう。
同じデータは、厚労省の自殺死亡統計の概況のなかの諸外国の自殺死亡率というところでも、ちょっと見にくいですが、見ることができます。
1980年代のハンガリーで自殺率が高かった理由を分析する能力はぽん太にはありません。この時代は、1989年のベルリンの壁崩壊に向けて、社会主義の限界が次第に明らかになってきた時代で、これも自殺率増加の要因の一つでしょうけれど、社会主義国家のなかでもハンガリーの自殺率が高かったわけですから、別の理由があるのでしょう。
写真は、ブダペスト市内を流れるドナウ川にかかる橋の一つ、「自由橋」です。ガイドさんの話しでは、この橋はブダペストの自殺スポットになっていて、ここから真冬の凍てついたドナウ川に飛び込む人が毎年数人いるそうです。その人たちが自由を求めているのか、それとも自由から逃げ出したかったのかは、ぽん太にはわかりません。
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