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2006/07/09

7月は障害年金の診断書で大忙しです

 7月は、障害年金を受給している患者さんの診断書が一度に来るので、書類かきで大変です。ぽん太のちっちゃな診療所でも、一ヶ月で十数枚の診断書を書かないといけません。これが非常に書くところが多いので、一枚書くのに30分ぐらいかかります。診断書料を考えても、書けば書くほど赤字ですが、年金をもらっている患者さんから、高額の診断書料をもらうわけにもいきません。せめてパソコンで打ち出せるようにしてくれるだけで、手間が非常にはぶけるのですが……。
 厚生年金の場合は、患者さんの誕生月に診断書を出すので書く時期がばらけるのですが、国民年金の場合、なぜか7月にまとめて来るのです。お役人さん、少しはこっちの手間も考えて、分散させてくれませんかねえ。
 (2011.12.6付記:ある年の7月に、ぽん太が実際にどのくらいの書類を書いたかの実例はこちら → 【医療改革】書類を減らすだけで医者不足は解消できる)。

 障害年金とは、身体や精神の障害を負った場合に支給される年金です。障害の程度で額が変わりますが、1級で月10万弱、2級で月8万弱です。精神の障害を持つかたにとっては、大きな経済的支えとなります。
 受給の条件は非常に複雑な部分がありますので、国民年金のひとは市役所の国民年金課、厚生年金のひとは社会保険事務所、共済年金のひとは各事務所で聞いてみるのがいいでしょう。社会保険庁のホームページの解説がありますが、これではよくわかりません。こちらの障害年金サポートセンターのページの方がわかりやすいかもしれません。

 ところで障害年金に関して、以前からぽん太が疑問に思っていたことがあります。身体障害の場合、例えば片腕がなければ何級、というふうに決まっていて、そのひとが一生懸命リハビリをして生活能力を高めようが、あるいは会社に就職しようが、基本的には年金の支給額は変わりません。収入があろうがなかろうが、ハンディキャップがあるひとを応援していこうという視点です。ところが精神障害の場合は、作業所への通所などを通して日常生活が自立できるようになったり、就職をしたりすると、障害の等級が下がって支給額が減り、場合によっては支給されなくなってしまいます。つまり、努力してリハビリをすればするほど、年金収入が減ってしまうのです。これではリハビリの意欲がおきません。これはタヌキの世界の理屈からすると明らかにおかしいので、リハビリをしても等級が下がらないようにしろ!と、ぽん太はあちこちで文句を言っているのですが、人間たちはへたな冗談だと思ってぽん太を笑うのです。
 もっとも、身体と精神とでは、障害の性質が異なることは、よく知られています。例えば1980年のWHO国際障害分類(ICIDH)では、障害の概念は、疾病または変調disease or disorder、機能障害impairments、能力障害disabilities、社会的不利handicapsにわけられます(たとえばこちらの全家連のページをどうぞ)。身体障害の場合は、疾病と機能障害と能力障害は、はっきり区別できますが、精神障害の場合はこれらが混ざり合っている側面があるのです。ですから精神障害のばあい、身体障害のようにすっきりいかないのです。
 なお全家連のページも書かれているように、WHOは2001年に新しいWHO国際障害分類(ICF)を採択し、障害を新たな観点から捉えようとしておりますが、それについてはまた別の機会にみちくさすることにしましょう。興味のある方は、例えばこちらの厚労省のページをご覧になるといいでしょう。

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