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2006/07/18

【自立支援法】医療費が払えず通院中断しそうな人がいます!

 2006年4月1日から障害者自立支援法が施行され、同日から自立支援医療費制度がスタートしました。これは、これまでの精神科通院医療費公費負担制度(通称32条)に換わるものですが、すでにさまざまな問題点が指摘されています。
 東京都の場合、これまでの32条では、収入が一定以下の患者さんは、医療費が無料になっていました。ところが今回の自立支援医療費では、これまで無料だった患者さんの多くが有料(医療費の1割負担)となりました。ただ、収入に応じて、一ヶ月あたりの医療費の自己負担額に上限が設けられました。
 ところがここに大きな問題があるのです。32条では「患者さん自身の」収入によって判断されたのですが、自立支援医療費では、「患者さんと同じ健康保険に入っている家族全体の」収入によって判断されることになったのです。たとえば患者さん自身が無収入であっても、親に一定の収入があれば、自己負担額が多くなるのです。
 これは「障害者の面倒は、まず家族が見ろ」と言っているようなものです。大家族制度が崩壊し、核家族が増えて行くなかで、社会的弱者を家族が支えるのではなく、社会全体で支えていこうというのが、福祉の大きな流れです。お年寄りの介護保険も、こうした流れのなかでできたものです。けれども、自立支援医療費の制度は、こうした流れに逆行するものです。
 こうした理念上の問題だけでなく、現実的に、医療費が患者さんの大きな負担になってきています。
 で、こんかいぽん太の診療所で、1割の自己負担額が払えないために、通院を中断しそうな患者さんが出て来ました。自立支援医療費の問題点をわかりやすく指摘するために、個人情報に触れない範囲でご報告したいと思います。

 患者さん(Aさんとしておきましょう)は、精神障害のため定期的な服薬が必要で、しかも働いてお金を稼ぐ力はありません。ですから32条のときは、医療費の自己負担はゼロでした。ところが自立支援医療費制度のもとでは、Aさんは、一定の収入がある父親と二人で暮らしているので、自己負担は1割で、月額の上限は1万円となります。しかしこのお父さんが、収入はあるものの、ギャンブル好きで多額の借金を抱えており、Aさんに医療費を渡してくれません。
 Aさんは、市役所や保健所などに相談に行ったようですが、生活保護は、父親に収入があるので無理だし、世帯分離のために一人暮らしをするのも、生活能力がないので不可能です。障害年金は、年金保険料を治めていなかったので受けられません。「先生に、タダで見てもらえないか相談したら?」などと、いい加減なアドバイスをする職員もいたようですが、「それだったら、あなたが自分でお金を貸してあげたらええやろ」とぽん太は言いたいです。Aさんは、「どこに相談してもダメだし、もう薬もやめて、家に閉じこもるしかないですね」などと言い出す始末です。
 とりあえずぽん太から市役所に電話を入れ、対応してもらうことにしました。お父さんを訪問してくれるそうですが、どこまで効果があるのか。また健康保険を親と別々にする方法もありますが、健康保険料は払ってもらえるのか?とりあえず、少しでも薬代を安くするために、薬価の高い非定型抗精神病薬をやめて、薬価の安い従来型に切り替えてみました。わざわざ新しいいい薬に切り替えたのに、再び古い薬に戻すのは、なんかぽん太自身も納得がいかないです。「お金がない人は、使える薬も制限される」という時代がついに始まったようです。
 通院中断による病状悪化という事態にならぬよう、祈るばかりです。

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