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2007/12/01

【精神医学】河原俊雄「G・ビューヒナー研究 殺人者の言葉から始まった文学」をさらにみちくさする

 先日ネット上で発見した河原俊雄先生の論文「G・ビューヒナー研究  殺人者の言葉から始まった文学」をもう少し読んでみましょう。こちらから論文のpdfファイルがダウンロードできます
 ぽん太は文学論には興味がないのですが、1820年代、30年代のドイツの精神医学の状況に関しては興味があります。上記の論文の第四部、第二章で、それに触れられています。いくつかおもしろかった点をあげてみましょう。

 クラウゼは、1969年に出版された『ヴォイツェク』の解説において、1820年代、30年代に起こった殺人事件と、その精神鑑定書公開の年表を整理しているそうです。それからわかることは、当時のドイツには精神鑑定の制度があり、鑑定書やそれに対する批判が公にされていたという事実です。ヴォイツェク事件はこの時代、議論の中心だったようです。
 エーラー=クラインは1985年の論文で、フランツ・ガル(Franz Joseph Gall, 1758-1828)の学説とビュヒナーの作品の関連を論じているそうです。ガルといえば骨相学で有名です。骨相学は19世紀に広く流行し、ゲーテやヘーゲルにも影響を与えました。一方でガルは犯罪精神医学にも興味を持っていたそうで、部分的精神病(patriale Geisteskrankheit)が脳の機能障害(die Funktionsstörung)によって起こる病気あると考え、殺人・窃盗・放火などの犯罪を解釈していたのだそうです。ガルは有名なひとですが、ぽん太は彼のことはほとんど知らないので、そのうちみちくさしたいです。
 さらにゼーリング=ディーツは、2000年の論文『宗教的メランコリーの症例の再構築としてのビューヒナーの<レンツ>』において、1820年代、30年代のドイツでは、精神の部分的錯乱(die psychsche Partialstörung)の解釈を巡って「精神派」(Psychiker)と身体派(Somatiker)の論争があったと述べております。精神派は、キリスト教的な「意志の自由」という原則から、精神障害を個人の過失(selbstverschuldet)とみなしましたが、身体派は、ピネルやエスキロールの影響を受け、部分的な精神錯乱の原因を身体的な病(eine körperliche Krankheit)とみなしたそうです。

 ふむふむ、これはそのうち、精神鑑定の歴史をみちくさする必要がありそうです。なにかいい本はあるかしら。

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