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2007/12/09

【オペラ】ドレスデン国立歌劇場「ばらの騎士」

 先月末、ぽん太とにゃん子は、NHKホールにドレスデン国立歌劇場の「ばらの騎士」を見に行ってきました。
 オペラ初心者のぽん太は、リヒャルト・シュトラウスといえば、いくつかの交響詩や「サロメ」は耳にしたことがあるものの、「ばらの騎士」はまったく初めてで、きっと例によって難解なオペラだろうと思っておりました。そこで『DVD BOOK 魅惑のオペラ 10 ばらの騎士 』(小学館)を買って、予習をしました。そしたら、な、なんと、わかりやすくて笑える楽しいオペラではないか。これまでのぽん太のリヒャルト・シュトラウスのイメージと違って、音楽も筋立ても大衆向きであることに驚きました。

 当日、NHKホールの前の道はストリート・ミュージシャンでいっぱい。ちょっと早く着いたので、鑑賞しながら行きました。若い男の子や女の子が一生懸命歌ったり踊ったりしていて、オジサンにはかわいらしく見えました。特にホールの入り口のところで歌っていたBUZZ、愛らしかったです。ちなみにオジサンの好みはshukuちゃんです。
 さて、第1幕の舞台装置は、前述のDVDブックに載っていた、ウィーンでのアルフレート・ロラーのものに似ていました。でも時代は現代に設定されているようでした。ググってみると、誰かのブログに、プログラムによれば原作の登場人物の子孫たちが主人公だとか書いてありましたが、ぽん太はお金をケチってプログラムを買わなかったのでよくわかりません。
 元帥夫人とオクタヴィアンのすばらしい歌声を堪能。男爵のコミカルな演技や、イタリア歌手の歌もよかったです。古風な舞台装置もあいまって、18世紀ウィーンの明るく華やかで軽妙洒脱な雰囲気を楽しめました。
 第2幕は、日本人の森麻季が登場。かわいらしいけど、やはりちょっと声量がないような。二重唱ではヴォンドゥングが声を落として合わせていたようで、ちと迫力に欠けてました。才能ある歌手なのかもしれませんが、高いお金を払ってドレスデン国立歌劇場を見に行って、日本人の歌を聞くというのは「なんだかな〜」という感じです。たとえばドイツ人が、日本の歌舞伎のドイツ公演を高いお金を払って見に行ったのにドイツ人が出演していたら、それがどんなに歌舞伎のうまいドイツ人であったとしても、イヤだと思うのですが……。
 また、この幕では、オックス男爵の酔っぱらった召使いが、小間使いの女性を相手にズボンを下げて下着を出すなどという顔を背けたくなる場面がありました。コミカルな場面へのグロテスクなものの突然の侵入に、演出家の「単なる楽しい娯楽にしたくない」という意志を感じました。
 第3幕は、地下室の廃墟のような舞台装置に、カーテンや小道具を整える場面からはじまり、「嘘くささ」が強調されます。混乱、喧噪、叫び声が繰り広げられ、明るいどんちゃんさわぎではなく、暗くグロテスクなカーニバル的雰囲気です。足下からの照明によって大騒ぎする人々の大きな影が壁にうつるシーンは、ドイツ表現主義的な不気味さを感じました。元帥夫人の「これで終わり」という言葉は、舞台のなかの意味以外に、「こんな明るく楽しいオペラはもう終わりよ」というダブルメッセージにも思われました。「ばらの騎士」が大成功をおさめ、観劇のための特別列車まで仕立てられたというユーゲント・シュティールの繁栄も終わり、第一次大戦の暗い時代へと向かっていくことを暗示しているような気がしたのです(考え過ぎか?)。さらに言えば、愛の「永遠」を信じる若い二人をいとおしみながらも、大人の元帥夫人には社会が戦争へと突入していく「時間」が見えており、見えていながらも暗い時代に向かって進んで行かざる終えない運命を悲しんでいるかのように感じました(考え過ぎか?)
 とても感動して、涙が止まりませんでした。オペラ初心者につき妄言多謝!

ドレスデン国立歌劇場「ばらの騎士」
2007年11月25日、NHKホール

作曲:リヒャルト・シュトラウス
台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
指揮:ファビオ・ルイジ
演出:ウヴェ=エリック・ラウフェンベルク
舞台美術:クリストフ・シュビーガー
衣裳:ジェシカ・カーゲ
合唱指揮:ウルリッヒ・ペッツホルト

元帥夫人:アンネ・シュヴァンネヴィルムス 
オックス男爵:クルト・リドル
オクタヴィアン:アンケ・ヴォンドゥング
ファーニナル:ハンス=ヨアヒム・ケテルセン 
ゾフィー:森麻季

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