« 【歌舞伎】2007年12月大歌舞伎午前の部(歌舞伎座)「鎌倉三代記」「信濃路紅葉鬼揃」「水天宮利生深川」 | トップページ | 【グルメ】由比の井筒屋で桜えびを食す(★★★★★) »

2007/12/07

【温泉】伊豆の踊子の宿・福田家は川端康成の世界(★★★★★)

伊豆の踊子の宿・福田家 11月下旬、ぽん太とにゃん子は、伊豆の踊子の宿・福田家に泊まってきました。こちらが福田家さんの公式サイトです。場所は、西伊豆の河津から自動車で10分ほど河津川を遡ったところにある湯ヶ野温泉です。車で宿の前まで行くことはできず、河津川のこちら側に車を停め、橋を渡っていきます。
 この宿は、「伊豆の踊子の宿」というのが売りです。『伊豆の踊子』という小説は、川端康成が一高時代の1918年(大正7年)に伊豆を旅したときの体験をもとに、1926年(大正15年・昭和元年)に書かれたものですが、この一高時代に泊まった宿というのがここなのです。ですから、『伊豆の踊子』を執筆した宿というのは別にあり、湯ヶ島の湯本館です。
川端康成が泊まった部屋@福田家 ここが川端康成が泊まった部屋です。1枚目の写真でいうと、橋の正面の2階で、福田家という看板がある部屋です。当日の宿泊客がいなかったので、内部を見せていただきました。
伊豆の踊子の宿・福田家 手すりの下部の透かし彫りの装飾です。富士に舟という伊豆らしい図案です。
太宰治が『東京八景』を執筆した部屋@福田家2 隣りには、太宰治が『東京八景』を執筆した部屋もありました。『東京八景』は「文学界」の1941年(昭和16年)1月号に発表されたので、泊まったのはその直前になるのでしょうか?
榧のマス風呂@福田家 宿の創業以来百二十数年使われている、榧(かや)のマス風呂です。風格があります。建物はコンクリートで造りかえられているようですが、レトロなタイルがムードがあります。もちろん源泉かけ流しです。お湯は無色透明で、少しスベスベ系です。
内湯@福田家露天風呂@福田家 こちらが露天風呂つきの内湯です。客が少なかったせいなのか、お風呂は夕方から早朝まで、どちらも貸切で入るシステムです。露天風呂つきの内湯を貸し切りで入るのは、なかなかの贅沢です。
福田家の夕食 夕食は、伊豆の幸、魚をふんだんに使ったお料理です。刺身に唐揚げ、そしてキンメダイの煮付けがうれしいです。
福田家の朝食 朝食もアジの開きが柔らかくておいしかったです。職員の応対も素朴で暖かくてよかったです。宿の評価は満点です。

 さて、川端康成の『伊豆の踊子』と聞いて、どんな小説だったか思い出そうとしたのですが、ぽん太の狸脳に浮かんで来たのは、山口百恵が裸で風呂から飛び出して手を振るシーンだけです。ところでこのYoutubeの動画、部屋や風呂が福田家さんとそっくりですが、ロケでしょうか、セットなのでしょうか。
 あまりに自分が情けなくなり、文庫本を買って読み返してみました。
 踊子一行とともに湯が島に着いた主人公は、踊子とは別の宿に案内されます。「私達は街道から石ころや路や石段を一町ばかり下りて、小川のほとりにある共同浴場の横の橋を渡った。橋の向こうは温泉宿の庭だった」。これが福田家さんですね。いまではこの共同浴場はなかったと思います。この共同浴場から山口百恵、じゃなくって踊子が裸で飛び出して来たわけですね。また主人公は、踊子一行が川向こうの料理屋のお座敷に呼ばれている物音を、悶々として聞いていたのですが、現在の宿の川向こうは、すっかり寂れていました。しかしこの『伊豆の踊子』という小説は、ひねくれた若者が踊子と接したことで素直な気持ちになるという話しで、なんかどうでもいい話しである。

 ついでに太宰治の『東京八景』も読んでみることにする。お読みになりたい方は、記事の下にある岩波文庫に収録されていますし、青空文庫で無料ダウンロードできます。『東京八景』は太宰治がこれまでの半生を振り返った作品のようですが、出だしは次のようになっています。
 「伊豆の南、温泉がわきでているというだけで、ほかには何一つとるところのない、つまらぬ山村である。戸数三十という感じである。こんなところは、宿泊料も安いであろうという、理由だけで、私はその索漠たる山村を選んだ。昭和十五年、七月三日の事である」
 う〜む。いくら太宰でも、この宿が川端康成の定宿だったということを知らないはずはないですよね。ぽん太は太宰治という作家はほとんど知らないのですが、彼特有のヒネクレなのか、それとも小説上のレトリックなのか。
 ところでこの本に書いてある、薬物依存になった太宰治が、1936年(昭和11年)に入院させられた板橋の脳病院はどこだ? 精神科医のぽん太は気になってきました。ググってみたら、ハハ〜ァ。これは奥が深そうなので、また日を改めてみちくさすることにしましょう。

|

« 【歌舞伎】2007年12月大歌舞伎午前の部(歌舞伎座)「鎌倉三代記」「信濃路紅葉鬼揃」「水天宮利生深川」 | トップページ | 【グルメ】由比の井筒屋で桜えびを食す(★★★★★) »

旅・宿・温泉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【温泉】伊豆の踊子の宿・福田家は川端康成の世界(★★★★★):

» 昭和 レトロ 雑貨 [,【温泉】伊豆の踊子の宿・福田]
家もハイテク化の時代、ですが、それに逆行して、調理道具や周りの物を昭和のレトロ(古くさい)な物に置き [続きを読む]

受信: 2007/12/08 03:12

« 【歌舞伎】2007年12月大歌舞伎午前の部(歌舞伎座)「鎌倉三代記」「信濃路紅葉鬼揃」「水天宮利生深川」 | トップページ | 【グルメ】由比の井筒屋で桜えびを食す(★★★★★) »