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2008/02/07

【歌舞伎】雪が舞うなか新春らしい華やかで古典的な舞台(2008年2月・歌舞伎座夜の部)

 今日もまた雪が舞っていました。昼の部の時間が押しているらしく、ようやく入場したかと思ったら、開演5分前のブザーです。今回の席は3階だったので、全体はよく見えましたが、細かい表情や動作は見えませんでした。
 まずは『対面』。曽我兄妹の仇討ちは、忠臣蔵の赤穂浪士の討ち入り、荒木又右衛門の伊賀越の仇討ちとともに、日本三大仇討ちに数えられておりますが、現代では一般には、忠臣蔵は良く知られているものの、伊賀越の仇討ちは古い映画や講談・浪曲に生き残っている程度です。曽我兄妹の仇討ちはほとんど知られていませんが、歌舞伎の世界では、初春の芝居は必ず「曽我もの」で始まるという伝統が受け継がれており、よくしられた演目です。
 富十郎の工藤祐経は、朗々としてかつ威厳があり、敵役と思えない貫禄がありました。曽我十郎の橋之助はほれぼれするような美男子ぶりでしたが、声を傷めていたのが残念。三津五郎の曽我五郎は、大きさやみなぎるような力強さには欠けましたが、古風で様式的な美しさを感じました。
 『口上』では、雀右衛門にとにかく大拍手。
 『熊谷陣屋』は、平成18年10月の歌舞伎座と似たような顔ぶれ。ぽん太の狸脳には前回の記憶が残ってな〜い!芝翫と魁春は、様式的な美しさのなかに深い悲しみを表現して絶品。幸四郎は、芝居が現代劇風になって古風な狂言では一人浮いてしまう傾向があるように思っていましたが、今回はそうした違和感をあまり感じませんでした。ただ、僧形になって座っている姿が、しょんぼりと小さくなってしまっていたのが気になりました。ここは苦しみに心が張り裂けんばかりなのか、出家を決意して澄み切った心境なのかぽん太にはわかりませんが、憔悴しきっているのではないことは確かでしょう。
 『鏡獅子』は、染五郎の弥生の美しさに、改めてびっくりしました。丁寧に踊っていましたが、色気や風情がにじみ出てくるところまでは行ってないか?後シテの迫力はさすが。ぜひとも女形も立役もできる俳優になって欲しいと思いました。
 ところで「獅子」ってなんだ?日本にライオンはいなかったはず。インドにはいるらしいが。伝説や伝承がもとになった架空の生き物でしょうか?「獅子」の歴史にも興味がわいて来たな。
 というのは置いといて、雪のなかでしたが新春らしく華やかで、かつ古典的な舞台でした。

歌舞伎座百二十年・初代松本白鸚二十七回忌追善
二月大歌舞伎(2008年2月・歌舞伎座)
夜の部
1、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
            工藤祐経  富十郎
            曽我五郎  三津五郎
            曽我十郎  橋之助
           化粧坂少将  孝太郎
           近江小藤太  松 江
            八幡三郎  亀三郎
            梶原景高  亀 蔵
            梶原景時  市 蔵
           小林朝比奈  歌 昇
            大磯の虎  芝 雀
          鬼王新左衛門  東 蔵
2、初代松本白鸚二十七回忌追善
  口上(こうじょう)
                  幸四郎
                  染五郎
                  松 緑
                  吉右衛門
                  雀右衛門
3、一谷嫩軍記
  熊谷陣屋(くまがいじんや)
            熊谷直実  幸四郎
             源義経  梅 玉
             弥陀六  段四郎
            亀井六郎  亀 寿
            片岡八郎  松 也
            伊勢三郎  宗之助
              庄屋  幸右衛門
            梶原景高  錦 吾
             堤軍次  松 緑
             藤の方  魁 春
              相模  芝 翫
4、新歌舞伎十八番の内
  春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
      小姓弥生後に獅子の精  染五郎
           老女飛鳥井  吉之丞
         用人関口十太夫  桂 三
        家老渋井五左衛門  由次郎

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