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2008/03/16

【スーパ−歌舞伎】父と子の感動のドラマ(『ヤマトタケル』2008年3月新橋演舞場)

 ぽん太とにゃん子は新橋演舞場に『ヤマトタケル』を観に行ってきました。スーパー歌舞伎ははじめてです。2階の西袖のチケットが偶然とれました。ヤマトタケルは右近と段治郎のダブルキャストですが、細面の段治郎を選択。右近さんごめんね。
 美しい衣装を身につけた役者がずらりとならんでの豪華な幕開き。次いで段治郎の早変わりの連続による一人二役。熊襲の祝宴の群衆。宮殿のセットを破壊しつくす大立ち回り。ふだん歌舞伎をあまり見ないひとにとっては「をを、歌舞伎ってスゴイ」という感じかもしれませんが、ぽん太はケレンの連続にちと苦笑。第2幕になっても、焼津の火の海が終わったかと思ったら、次は大海原を船でいくシーンとなり、「火の次は水かい」と食傷気味。ここは箸休めにあっさりと所作事でも入れて欲しいところです。とはいえ、焼津の火の海のシーンは、美術的にも美しく、火の精たちのアクロバティックの身体能力もすごくて、とても迫力がありました。
 第3幕は伊吹山の山神と姥神が間狂言のように滑稽でおもしろかったです。ヤマトタケルの上にでっかい雹(ひょう)がどどどと落ちてくるシーンは、ドリフターズを思わせ、できればタライも落として欲しかったです。「能煩野」の場になってから芝居が締まってきて、父親に受け入れて欲しいという願いや、故郷への思い、妻や子への愛情が、心に響いてきました。
 そしてラストシーン。タケルが白鳥となって飛び立ちます。2階西袖の座席。これまで舞台が見にくくとも花道が見えなくても我慢してきたかいがありました。すぐ目の前をタケルが飛んで行きます。段治郎の表情は、白鳥となって、人間的な悲しみや苦しみや怒りといった感情は超越しながらも、人間レベルを超えたもっともっと深い悲しみをたたえており、ぽん太はすっかり感動してしまいました。
 普通の歌舞伎と違ってカーテンコールつき。「白鳥となって飛び去っていったタケルが、素の段治郎に戻って挨拶するのを見るのは気分が壊れてやだな」と思いながら見ていたのですが、各役者たち、真剣な面持ちで、役を演じたままご挨拶。そして最後にセリから上がってきた段治郎、いやタケルが、父親に抱きしめられます。父に受け入れてもらうことを願って戦いに明け暮れて生涯を終えたタケルが、ついに父と和解する場面が、カーテンコールにしつらえてあるとは、とても素敵な演出だと思いました。
 右近のタケヒコの味のある演技、笑三郎の古風で存在感のある倭姫と使者、猿紫のヘタルベの若さゆえのいちずさなどもよかったです。

演目と配役
 小碓命後にヤマトタケル/大碓命  段治郎
            タケヒコ  右 近
        兄橘姫/みやず姫  笑 也
         倭姫/帝の使者  笑三郎
     老大臣/尾張の国造の妻  寿 猿
            ヘタルベ  猿 紫
             弟橘姫  春 猿
     ヤイラム/伊吹山の山神  猿 弥
       皇后/伊吹山の姥神  門之助
               帝  金田龍之介

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