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2008/05/25

【ウズベキスタン旅行(4)】イスラム教とゾロアスター教

 ウズベキスタンの主な宗教はイスラム教ですが、あまり敬虔ではないようです。ガイドさんに毎日5回の礼拝をしているか聞いてみたら、していないとのこと。大切な金曜日の礼拝だけしている人が多いそうです。ラマダーンも、ガイドさんは「仕事があるのでしていない」とのことでした。しかしそんなガイドさんも、ぽん太たちとイスラムの聖者のお墓を訪ねたときは、神妙な面持ちで祈りを捧げていました。ウズベキスタン人たちは、豚肉も食べればお酒も飲みます。街で居酒屋や酔っぱらいを見かけないので、ウズベキスタン人はあまりお酒を飲まないのかと思ったら、そんなことはないそうで、酔っぱらって一晩中騒いだりするそうです。確かにタシケントで見かけた酒屋には、ウォッカがずらりと並んでいました。ちなみにソビエト連邦では、アルコール依存は大きな社会問題でした。
 ウズベキスタン人がイスラム教の戒律をあまり守らない理由は、宗教を禁じたソビエト時代の影響があるのかもしれません。「宗教はアヘンだ」というマルクスの言葉は有名です。高橋巖根の『ウズベキスタン 民族・歴史・国家』(創土社、2005年)によれば、ソ連時代にはイスラム教は公式には禁止され、無神論が押し付けられました。しかし実は、ソビエトの権力は意外と弱かったのだそうで、ウズベキスタンの農村部などではイスラムの伝統が儀礼や行事や民族心理として存続していたそうです。それでも、1日5回の礼拝は生産力の低下につながるため、まとめて行うよう指導されたり、労働者の断食の免除が正当化されたりしました。またメッカへの巡礼は宗教的な指導者にしか認められず、ソ連全体で年にたった36人だけだったそうです。断食明けの祭りラマザン・ハイートなどは、当局の警告にもかかわらず、公務員や共産党員も仕事を休んで参加していたそうです。
P5050050P5050052 サマルカンドのビビハニム・モスクは、中央アジア最大と言われています。左がソ連時代の崩壊した状態の写真、右が現在の復元された様子です。礼拝にきていたウズベキスタン人は、「モスクも改修され、礼拝に来ることも許され、独立して本当によかった」と言っていました。ぽん太がこのモスクを訪れた時、ちょうどインド映画の撮影をしていました。『マハラジャ、ウズベキスタンに行く』とでもいう映画かと思ったら、インドの宮殿という設定だそうです。
P5030204 ブハラのミル・アラブ・メドレセを見ながらお祈りを唱える老人です。このメドレセ(神学校)は、ソ連時代にも中央アジアで活動していた数少ない神学校のひとつです。
P5030218 イスラム教では偶像崇拝は禁じられているので、モスクや神学校などの宗教建築には絵画や彫刻はありません。しかし、このブハラのナディール・デイヴァンベギ・メドレセには、人の顔と鳥が描かれています。
P5050044 サマルカンドのシェルドル・メドレセにも、顔のかたちの日輪を持つライオンが、子鹿を追う様子が描かれています。

 イスラム教が伝わる以前、ウズベキスタンの信仰はゾロアスター教だったそうです。ゾロアスター教といえばペルシャだと思い込んでいたぽん太は、ちょっとびっくりしましたが、よく考えたらウズベキスタンはイランのすぐ近くです。
P5030198P5030199 ブハラにあるイスマイール・サーマーニ廟です。9世紀末から10世紀前半にかけて造られた、中央アジアに現存する最古のイスラム建築だそうです。とはいえ、丸や三角の石の組み合わせなど、ゾロアスターの様式も使われているそうです。
P5030220P5030001 同じくブハラのマゴキ・アッタリ・モスクです。創建は9世紀頃まで遡ることができるそうですが、丸や三角、リボンのようなかたちなど、ゾロアスター教の影響が見て取れます。
P5010092P5010093 ヒヴァのタシュ・ハウリ宮殿内部の装飾ですが、同様にゾロアスター教の伝統のリボンのようなデザインが用いられています。この宮殿が造られたのは19世紀前半ですから、ゾロアスター教の伝統がウズベキスタンにずっと受け継がれていることがわかります。

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