【歌舞伎】映画のようなスピーディーな展開『夏祭浪速鑑』(2008年6月コクーン歌舞伎)
ぽん太とにゃん子がBunkamuraに行く日は雨が降るというジンクスは今回も健在。
コクーン歌舞伎は今回で3回目。これまでは2階席でしたが、今回は平場のチケットが取れました。期待通り、役者さんたちが周囲を歩き回って演技をし、まるで舞台の上で観ている感じというか、演じられている世界のなかに自分がいるかのような臨場感でした。
勘三郎の九郎兵衛と橋之助の徳兵衛のコンビは、若々しくて元気一杯。展開もスピーディーで、映画の「俺たちに明日はない」とか「明日に向かって撃て!」を思い出しました。
串田和美の演出ですが、まずは恒例の「池」が舞台上にしつらえられ、もちろん平場のかぶりつきはポンチョ着用。父殺しの場面では、歌舞伎の昔の照明の面あかりが効果的に用いられ、それに火がついて燃え上がった瞬間ににぎやかなお祭りの場面に転換したところは見事でした。ラストのアレもアメリカ公演の噂は耳にしていましたが、悪くはありませんでした。
ただ、普段歌舞伎を見ていないお客さんを対象にするのなら、江戸時代は父親殺しが、斬首獄門(つまり斬られた首を晒される刑)に匹敵する重罪だったことを、どこかの台詞に入れた方がいいのではないでしょうか(江戸時代の死刑制度)。そうでないと、なんで義父の理不尽な仕打ちをあそこまで我慢しなくてはならないのか、現代のお客さんにはわかりにくいのではないでしょうか。
迫力ある太鼓と笛の熱演も加わり、いつも見慣れているはずの歌舞伎の立ち回りや見得が、まったく別のパフォーマンスであるかのように、とても新鮮に感じられました。客席の真ん中で行われた梯子に上るタテも、平場から見るとすごく高さが感じられました。観客もノリノリ。最後は全員がスタンディング・オベーションでした。
歌舞伎もちょっと工夫するだけで、現代の観客をこれだけ熱狂させる力があるのだな、と思いました。
とはいえぽん太が伝統的な歌舞伎を嫌いかというとそんなことはなく、実は先日見た「三人笑」のような芸も大好きなのです。
2008年6月コクーン歌舞伎
「夏祭浪花鑑」
シアター・コクーン
演出:串田和美
団七九郎兵衛・・・中村勘三郎
一寸徳兵衛・・・中村橋之助
玉島磯之丞・・・中村勘太郎
徳兵衛女房お辰・・・中村七之助
三河屋義平次・・・笹野高史
大鳥佐賀右衛門・・・片岡亀蔵
釣船三婦・・・坂東彌十郎
団七女房お梶・・・中村扇雀
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