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2008/07/16

【医療】医者の書く書類が多すぎます

 7月になってほとんどブログを書いていないぽん太ですが、では何を書いていたのかというと、障害年金の診断書を書いていました。
 人間の世界ではまさかそんなバカなことはないと思いますが、タヌキの世界では、2年前にも書きましたが、国民年金の障害年金の診断書が7月にまとめてくるので大忙しです。ぽん太の弱小クリニックでも、十数人の書類を書かなくてはなりません。この書類、A3の裏表あり、まじめに書くと1枚につき30分近くかかります。15枚書くとして、30*15=450分=7時間30分で、ほぼ一日分の診療時間に匹敵します。書類書きのためにまる1日休診しているのと同じで、このために30人以上の患者さんの診察ができない計算になります。(追記:平成21年7月に、実際に書いた書類の実例は → こちら)。
 医師不足と世間が騒いでいる状況で、まったくもったいない話しです。
 この診断書は数年ごと(病状によって異なる)に出すのですが、これまでの病歴など、前回とまったく同じ部分が9割を占めています。ですから前回に比べて変わったところだけを書くだけなら、十分の一の時間ですみます。450/10=45分で、これなら患者さん3〜4人の診察時間で済みます。
 あるいはパソコンで書けるようなフォーマットになっていれば、前回の診断書を一部修正するだけで済みます。さまざまな書類を電子化するのは莫大な費用がかかると思いますが、パソコンで書けるようなフォーマットに変更し、フォーマットをダウンロードできるようにするだけで、相当な事務処理の効率化につながるのではないかと思うのですが……。でもその際、Wordのフォーマットだけでなく、AppleWorksのフォーマットでもお願いしますね。Macユーザーのぽん太はWordのために高いソフトを買うのは嫌ですし、公務員が特定のOSを推奨するのはおかしいと思います。でも実際は、(タヌキの)東京都のホームページにある申請書などで、WordやExcelの形式が多くみられるのが事実です。

 近年タヌキの世界では、医師による書類作成の負担が予想以上に増加しております。事務作業のために医師の多大な時間を割くのはもったいないと考えられるようになり、医療クラーク(医療秘書)に事務作業を分担させようという動きが出て来ています。今年の4月の診療報酬の改定でも、病院の場合、医療クラークを配置すると診療報酬に加算がつくようになりました(たとえばこちらのニュースを参照して下さい)。
 ぽん太のような診療所にはこのような加算はありませんが、それでもぽん太の負担を軽減するため、多くの書類において、前回に比べて変わったところだけをぽん太が書き、あとは事務員さんに書き写してもらうことにしました。これでとっても楽になりました。なんせ先ほど言ったように、9割は前回と同じなのですから。医療クラークに加算をつけるまえに、書類のパソコン・フォーマットを作るだけで、多額の医療費を節約できると思うのですが……。

 とにかく(タヌキの世界の)書類は煩雑で、同じことを何度も書かなくてはならず、めんどくさいです。ところが市役所の職員に「ホントにめんどくさいですよね〜」などとグチをこぼしても、「そうですね〜」という返事が返ってきません。そのことが前から気になっていたのですが、ある日突然わかったのですが、彼ら(彼女ら)は、この煩雑な事務処理がなければ自分たちの仕事がなくなることを熟知しているのです。ですから彼ら(彼女ら)は、無意味に複雑な書類に文句も言わずに対応しているのです。

 ついでに以前の記事で書いたことを繰り返せば、自立支援医療費(精神通院)で、月額の上限額を計算するために、医療機関と薬局で書類のやりとりをするのも、とても煩雑です。ぽん太のクリニックで月額の上限を超えるのは多くて10人程度。それ意外のひとたちは上限を越えず、実質的には無意味な書類のやりとりを、100人近くで行わなくてはなりません。その事務の負担や、上限管理票の印刷や配布の手間などを考慮した場合、経済的に意味があるのでしょうか? 以前にも書いたように、病院は病院、薬局は薬局でそれぞれ上限を決めれば、こような書類のやりとりは省略でき、自院のレセコンで処理できるのですが……。コンピューターの時代に、コンピューターで処理できない制度を編み出し、自分たちの仕事を確保しようという(タヌキ界の)公務員の根性は大したものです。

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精神医療・福祉」カテゴリの記事

コメント

ほたるさん、コメントありがとうございます。
せっかく励ましのコメントをいただいたのに、返事が遅くなって申し訳ありません。
ほたるさんも、いろいろと病気をお持ちのようで、大変そうですね。医者としては、患者さんのためにベストを尽くしたいと考えているのですが、もろもろの制約によって、なかなか現実はうまくいきません。患者さんが医者に気を使う必要はないかと思いますが、患者さんと医者との協力関係は、確かに必要かと思います。

投稿: ぽん太 | 2009/02/13 13:08

同じ投稿が2通重なってしまって
申し訳なかったです(詫)

投稿: ほたる | 2009/01/29 00:39

ぽん太さん初めまして(^-^)ほたると申します。膠原病、線維筋痛症、仙腸関節炎等を長く患っています。最近外来を受診すると、先生方はパソコンとの格闘にだいぶ時間を取られているご様子で、患者の私から見ても、とても大変そうに見えました。その他にも書類仕事が多々あって、先生方はとてつもない激務なのですね(悲)先生に診察して頂き、問われたら答える…を当たり前と想わずに、病気を良くする為には、互いに(患者の側にも)円滑な治療の為の努力というか、工夫も、病の回復には必要なんだろうなぁと改めて想いました。ぽん太さんもお身体ご留意くださいね(^-^)突然のおじゃま、失礼しました(詫)

投稿: ほたる | 2009/01/28 21:37

ぽん太さん初めまして(^-^)ほたると申します。膠原病、線維筋痛症、仙腸関節炎等を長く患っています。最近外来を受診すると、先生方はパソコンとの格闘にだいぶ時間を取られているご様子で、患者の私から見ても、とても大変そうに見えました。その他にも書類仕事が多々あって、先生方はとてつもない激務なのですね(悲)先生に診察して頂き、問われたら答える…を当たり前と想わずに、病気を良くする為には、互いに(患者の側にも)円滑な治療の為の努力というか、工夫も、病の回復には必要なんだろうなぁと改めて想いました。ぽん太さんもお身体ご留意くださいね(^-^)突然のおじゃまをお許しくださいね(詫)

投稿: ほたる | 2009/01/28 21:36

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