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2008/07/23

【オペレッタ】「こうもり」は小澤征爾の心意気に拍手!

 海の日の月曜日、ぽん太とにゃん子は横浜まで小澤征爾音楽塾の「こうもり」を観に行ってきました。7月30日には東京文化会館での公演もあるのですが、その日はあいにく都合がつかないため、はるばる神奈川県民ホールまでの遠征となりました。結論からいえば、わざわざ時間をかけて出かけて行ったかいがありました。
 小澤征爾音楽塾は(公式サイトはこちら)、若い演奏家や声楽家をオペラの上演を通して育成しようというものだそうです。外国の一流歌手をソリストに迎え、若手にとってはまたとない経験の場です。
 7月21日は、全国で5回行われる公演の初日でした。小澤征爾は椎間板ヘルニアで5月末から活動を休止していたので、今回の公演もどうなるか心配しておりましたが、元気に指揮をしておりました。

 ヨハン・シュトラウスはワルツ王の異名をとり、「美しく青きドナウ」を初めとする数々の名曲で有名ですが、彼のオペレッタを観るのはぽん太は生まれて初めてでした。とにかくすべての曲が流麗で美しく、脚本もおもしろく、舞台も楽しく華やかで、シュトラウスの才能には感服いたしました。

 開演前から、オケのメンバーはオーケストラピットで一生懸命に練習。開演のブザーが鳴り、会場が暗くなって、観客が小澤征爾を固唾をのんで見守っていると、意外にも向かって右から小澤が登場。観客の熱狂的な拍手が彼を迎えます。有名な序曲の演奏が始まります。若いオケは細かいニュアンスをきっちりと演奏しておりましたが、「習った通り頑張ってます」という感じで、余裕というか、ゆとりというか、味というか、シュトラウスの流麗さ、華やいだ雰囲気までは出ていませんでしたが、それは仕方のないこと。序曲が終わると自然に盛大な拍手が起こりました。観客は、若いオケのメンバーに、そして彼らを支援しようという小澤の心意気に、心からの声援を送ったのだと思います。小澤もそれがわかっていたようで、オケを全員立たせて拍手に応えました。
 ソリストたちは歌はもちろんのこと演技もすばらしく、滑稽な場面には会場が爆笑でした。楽しく明るく、ウィーンの華やいだ雰囲気が伝わって来ました。日本だと、クラシックというのはしかつめらしく高尚なものと思われていますが、海外の歌手はこのような演技が身体に染み付いているように思われました。きっとこれがホントのオペラ歌手なのでしょう。
 「こうもり」のあらすじはこちらが簡単でわかりやすいです。登場人物全員がお気楽です。これから刑務所に収監されるというアイゼンシュタインはこっそりと舞踏会へ、妻のロザリンではその間に昔の恋人と逢い引き、小間使いのアデーレは伯母が病気と偽って舞踏会へ。三人が表向きは辛い悲しいといいながら、心の中ではうきうきしている様子を描いたメロディは序曲にも使われていますが、こんな意味のメロディだとは思いませんでした。今後「こうもり」序曲を聞くと、これまでとはまったく違った意味に聴こえそうです。ヨハンシュトラウスは有名な曲がいっぱいあって、どの曲がどの題名だかわからないのが多かったのですが、「こうもり」序曲はもう絶対忘れません。
 登場人物たちが、その場を取り繕うために他人を装うことで、嘘が嘘を呼びながら物語が展開していくさまは、三谷幸喜の芝居を思い出しました。

 ところで19世紀末のウィーンといえば、精神科医のぽん太はフロイトとの関係が気になってきます。ヨハン・シュトラウスは1825年のウィーン生まれ。フロイトは1856年生まれですから、約30歳年上になります。「こうもり」は1874年初演ですから、フロイト18歳の頃。この当時のウィーンが、オペレッタに描かれているようなお気楽な都市だったのか、それとも実は頽廃や虚無感につきまとわれていたのか、興味があるところです。このようなオペレッタを観に来ていたのがどのような階層の人々なのか、フロイトはヨハン・シュトラウスをどう思っていたのかなど、ぽん太の興味はつきません。そのうちみちくさしてみたいと思います。

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトIX
J.シュトラウスII世:喜歌劇「こうもり」
[全3幕]<原語上演/字幕付>
2008年7月21日、神奈川県民ホール
スタッフ
音楽監督・指揮:小澤征爾
演  出:デイヴィッド・ニース
装  置:ヴォルフラム・スカリッキ
衣  裳:ティエリー・ボスケ
照  明:高沢立生
振  付:マーカス・バグラー
サンフランシスコ・オペラ・アソシエーション所有プロダクションを使用
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合  唱:小澤征爾音楽塾合唱団
出演
ロザリンデ:アンドレア・ロスト
ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:ボー・スコウフス
アデーレ:アンナ・クリスティ
アルフレート:ゴードン・ギーツ
オルロフスキー公:キャサリン・ゴールドナー
ファルケ博士:ロッド・ギルフリー
フランク:ジョン・デル・カルロ
ブリント博士:ジャン=ポール・フシェクール
フロッシュ:小迫良成

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