« 【バレエ】アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の「海賊」 | トップページ | 【バレエ】米露対決とオイディプス・コンプレックスがテーマ!?・アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のマッケンジー版「白鳥の湖」 »

2008/07/25

【歌舞伎】海老蔵の源九郎狐が今回はそんなにヘンじゃなくて感動できます

 猛暑のなか歌舞伎を観に行きました。いつも通り11時スタートのつもりで歌舞伎座に行ったら、なんと今月は11時30分のスタートでした。
 昼の部は、海老蔵の源九郎狐と玉三郎の静御前による「義経千本桜」! 平成18年11月の新橋演舞場で、海老蔵が源九郎狐を初役で演じた時は、発声と口調がヘンテコで、「佐藤忠信は実はオカマの狐だった」という画期的な新解釈かと思われました。最近なかなか良くなっている海老蔵、今回はどのような源九郎狐を演じてくれるか楽しみです。
 
 さて「鳥居前」では、揚幕からの声がすでに、例のくぐもった高音が朗々と響き渡り、先行きを心配させます。しかし忠信の荒事はいつものがらの大迫力。
 ぽん太が一番気に入ったのは、実は次の「吉野山」でした。玉三郎のすばらしさは言うまでもありませんが、海老蔵の忠信は実に美しい若侍で、静御前とは主従の関係でありながら、男女の情感の漂う道行きでした。踊りながらの海老蔵の表情の変化が、気持ちの細かな動きを浮かび上がらせていました。今回は清元を入れずに竹本だけの上演だそうで、華やかさには欠けましたが、古風さと格式が感じられたような気がします。海老蔵ってしゃべらないとカッコいいのにな〜。
 さて問題の四の切(川連法眼館)ですが、「狐ことば」がかなり省略されている感じでした。声の調子も安定していたので、客席からの笑い声は少なかったです。また前回は、平舞台からひとっ飛びで二重に飛び乗るというジャンプ力を披露しましたが、今回はその技は封印していました。確かに狐の正体を現したあとで、義経や静御前がいる二重に登るというのは、恐れ多い感じがします。階段の途中までしか登らない今回の演技が本筋でしょう。総じてケレンを抑制し、心情表現を深めることで、両親を失った源九郎狐と、兄に追われる身となった義経の悲しみが共鳴するという、この演目本来のテーマが明確になったような気がします。でも、せっかく涙がこぼれそうになると、海老蔵の台詞や仕草に笑ってしまうのは残念です。
 玉三郎はホントにすばらしいです。「四の切」で、本物の忠信を見定めようと、近づいて「ほれ、姿を見せてみよ」とばかりにセンスで欄干を軽く叩くしぐさなど、歌舞伎初心者のぽん太は具体的にどこがどういいのか言うことはできませんが、とにかく絶品でした。
 夜の部も楽しみです。

歌舞伎座 七月大歌舞伎 (平成20年7月)
昼の部
一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
    鳥居前
    吉野山
    川連法眼館
  市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候

  鳥居前
      佐藤忠信実は源九郎狐    海老蔵
             源義経    段治郎
             静御前    春 猿
            早見藤太    市 蔵
           武蔵坊弁慶    権十郎

  吉野山
      佐藤忠信実は源九郎狐    海老蔵
             静御前    玉三郎

  川連法眼館
       佐藤忠信/源九郎狐    海老蔵
             源義経    門之助
            川連法眼    寿 猿
             妻飛鳥    吉 弥
            駿河次郎    薪 車
            亀井六郎    猿 弥
             静御前    玉三郎

|

« 【バレエ】アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の「海賊」 | トップページ | 【バレエ】米露対決とオイディプス・コンプレックスがテーマ!?・アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のマッケンジー版「白鳥の湖」 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/41948399

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】海老蔵の源九郎狐が今回はそんなにヘンじゃなくて感動できます:

« 【バレエ】アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の「海賊」 | トップページ | 【バレエ】米露対決とオイディプス・コンプレックスがテーマ!?・アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のマッケンジー版「白鳥の湖」 »