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2008/08/09

【バレエ】すべてがすばらしい夢の饗宴/エトワール・ガラ2008(付:青春のロシア・アヴァンギャルド)

 オーチャードホールに「エトワール・ガラ」を観に行ってきました。公式サイトはこのBunkamuraのサイトになるのでしょうか?
 パリ・オペラ座バレエ団では、団員がランク分けされており、その最高位に位置するのが「エトワール」です。つまりブランデーでいえば「ナポレオン」みたいなもんですね。「エトワール・ガラ」は、このエトワールを中心に行われるガラ公演です。
 先日Kバレエの熊川哲也が膝の半月板を損傷して「海賊」を降板しましたが、「エトワール・ガラ」でも出演予定だったダンサーが何人か降板。とくにエルヴェ・モローが来られなくなったのは残念です。その代わりにルグリが出演することになったのはよかったです。
 今回のガラは、それぞれの演目が個性的でどれもすばらしく、とても満足いたしました。特に強く印象に残ったのはルンキナの「ジゼル」です。バレエ初心者のぽん太には、「まるで体重がないかのような」という月並みな形容しか思い浮かばないのですが、軽さと柔らかさが感じられ、ウィリの悲しみが神聖さ、崇高さにまで高められていた気がします。お相手のエイマンは、以前に観た時は飛んだり回ったり元気な子供のような印象でしたが、こんかいは優雅さが感じられました。身体能力とテクニックのしばらしさはあいかわらず。
 「メリー・ウィドウ」は今回の公演のために新たに振り付けされたもので、世界初演とのこと。アニエスの衣裳に仰天しました。ぽん太はファッション史はドシロウトですが、アール・デコだかバウハウスだか、20世紀前半風の絢爛豪華で大げさなドレスのような気がします。今回使われた「メリー・ウィドウ・ワルツ」は聞き慣れた曲ですが(Youtubeの動画はこちら)、原作のレハール作曲のオペレッタはあいにく観たことがありません。あらすじはたとえばこちら。メリー・ウィドウ・ワルツは、第1幕の最後に、意地を張り合うハンナとダニロが踊るワルツで、フィナーレにも使われるようですが、今回のバレエは設定が違うように思われます。金持ちのマッダームと若い二枚目のシャレたダンスという感じで、アニエスの貫禄と、ガニオの美しさが光っていました。ガニオはスタイルもよければ顔もよく、にゃん子は大喜びでした。
 設定がわからないといえば、アッツォーニ(ハンブルク・バレエ団)とブベニチェク(ドレスデン・バレエ団)の「ハムレット」。アイビー・ルックの男性が、恋人と会った喜びもつかの間、革のトランクを抱えて旅に出るという話しのようですが、シェイクスピアの『ハムレット』のどの場面に相当するのかまったくわかりませんでした。
 ガニオはもうひとつ、「ロミオとジュリエット」の「マドリガル」を、ユレルと踊りました。未来のエトワールのユレルは、ロミオと会えてうれしくてたまらないジュリエットを初々しく踊っていました。ガニオもあいかわらずすばらしかったですが、ヌレエフ版の「ロミオとジュリエット」といえばヌレエフ自身が踊ったDVDを見慣れているぽん太には、ガニオの踊りが大きすぎるように感じてしまいました。
 バンジャマン・ペッシュは、昨年の「ルグリと輝ける仲間たち」で、ぽん太の大好きな「牧神の午後」をとんでもない振付けで踊ったにっくきヤツですが、今回のガラのアーティスティック・オーガナイザーであり、三曲も踊って大活躍でした。昔のことは水に流してやろう。
 リアプコ(ハンブルク・バレエ団)は、「ベラ・フィギュラ」ではキリアンの無機的な世界を表現しましたが、一方「バーンスタイン・ダンス」はジーン・ケリーやフレッド・アステアのようなアメリカ風の楽しいダンスでした。
 〆はなんといってもルグリ先生。バッハの無伴奏チェロソナタの生演奏に乗せてのソロでしたが、ときには険しい表情で荘厳に、最後は明るく陽気に踊ってくれました。この踊りの「表情」は、ルグリ先生の真骨頂です。赤いジャージ姿でしたが、できれば片足をまくってほしかったです。
 会場でバレエ・ファン(特にパリオペラ座バレエ団)のミンクさんに会いました。自分のブログで昨日行われた同じプログラムの感想を書いていたので、「あれ?同じプログラムをまた見るんですか」と聞いたら、「5日間全部観るのよ、ほほほ」とのこと。

 すばらしいバレエを満喫したのち、地下のBunkamuraザ・ミュージアムで「青春のロシア・アヴァンギャルド−−モスクワ市近代美術館所蔵
シャガールからマレーヴィチまで」を見ました。Bunkamuraのサイトの特集ページはこちらです。今回はピロスマニの絵が10点見れたのがよかったです。「アエリータ」(1924、ソ連)という映画の一部をプロジェクターで上映していましたが、今見ると、カッコいいようで滑稽なようで微妙でした。


エトワール・ガラ2008  Aプログラム
2008年8月7日(木)14:00 オーチャードホール

1)「ハムレット」第2幕より パ・ド・ドゥ(振付:J.ノイマイヤー 音楽:M.ティペット)
シルヴィア・アッツォーニ、イリ・ブベニチェク

2)「ジゼル」第2幕より(振付:M.プティパ、J.コラリ、J.ペロー 音楽:A.アダン)
スヴェトラーナ・ルンキナ、マチアス・エイマン

3)「椿姫」第1幕より(振付:J.ノイマイヤー 音楽:F.ショパン)
エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ/ピアノ:上田晴子

4)「メリー・ウィドウ」 ※世界初演 (振付:P.ラコット 音楽:F.レハール 衣裳:P.ラコット)
マリ=アニエス・ジロ、マチュー・ガニオ

5)「ラ・バヤデール」第1幕より(振付:M.プティパ  音楽:L.ミンクス)
スヴェトラーナ・ルンキナ、バンジャマン・ペッシュ

6)「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル”(振付:R.ヌレエフ 音楽:S.プロコフィエフ)
メラニー・ユレル、マチュー・ガニオ

7)「思いがけない結末 Unintended Consequence」 ※世界初演 (振付:J.ブベニチェク、マリ=アニエス・ジロ 音楽:E.クーパー)
マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク

8)「ベラ・フィギュラ Bella Figura」(振付:J.キリアン 音楽:G.B.ペルゴレージ、A.ヴィヴァルディ)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

9)「カンツォーニ Canzoni」 ※日本初演 (振付:M.ビゴンゼッティ 音楽:N.ケイヴ)
エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ

10)「バーンスタイン・ダンス」より“Part1 Wrong Note Rag”(振付:J.ノイマイヤー 音楽:L.バーンスタイン)
アレクサンドル・リアブコ

11)「ダンス組曲」(振付:J.ロビンス 音楽:J.S.バッハ)
マニュエル・ルグリ/チェロ:宇野陽子


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