« 【読書】あなたは欧米派それとも日本派? 石川榮吉『欧米人の見た開国期日本 異文化としての庶民生活』 | トップページ | 【ジャズ】大人のクリスマス/SADAO PLAYS AFRO SAMBA~Dedicated to Baden Powell~ »

2008/12/15

【オペラ】「ドン・ジョヴァンニ」でモーツァルトの奥の深さを知る・新国立劇場

 新国立劇場に「ドン・ジョヴァンニ」を観に行ってきました。このオペラを観るのは初めてで、これでモーツァルトがダ・ポンテと創った3つのオペラをすべて観たことになります。「コシ」と「フィガロ」を観た段階では、このコンビの特徴は「話しが馬鹿ばかしい」だと思っていたのですが、「ドン・ジョヴァンニ」は、馬鹿ばかしさもありながら、崇高さを併せ持つ奥が深いオペラでした。モーツァルトも芸域が広いですね(あたりまえか?)。
 今回の公演は(といっても初めて観たんですけど)、おちゃらけに走らず、格調を保った演出だったように思います。一番印象に残ったのはエレーナ・モシュクのドンナ・アンナでした。ドン・ジョヴァンニの誘惑を受け入れず、殺された父親の復讐を婚約者に託すという、うぶで真面目で主体性のない役どころですが、彼女の初々しさ・高潔さがとても心に響きました。モシュクの歌声もすばらしかったです。反対にドン・ジョヴァンニは、欲望のままに生き、社会秩序や道徳を顧みない、嫌なヤツという印象でした。それが今回の演出によるものなのか、ぽん太の個人的な受け止め方なのか、このオペラを初めて見るぽん太には判断がつきません。オペラをどう解釈するかは観る者の自由かと思いますが、こんかいぽん太の頭の中に浮かんだのは「ドン・ジョヴァンニ=アメリカ合衆国」という図式で、世界中の国々にアメリカ流欲望主義を広めようと、アフガンにちょっかいを出しイラクを口説いたりしていたドン・ジョバンニも、ついにサブプライム問題で地獄に引きずり込まれていったわけです。するとさしずめ日本はレポレッロか?
 ドンナ・エルヴィーラのアガ・ミコライも、ドン・ジョヴァンニに裏切られながらも愛し続け、更生を真摯に訴える姿が胸を打ちました。騎士長の長谷川顯が、迫力あるバスで好演。石像の場面では、ルチオ・ガッロのドン・ジョヴァンニに、互角に対していました。こちらの二期会のページを見ると、長く合唱団の一員だったとのこと。すばらしい人が隠れてたんですね。ファンになりそうです。ツェルリーナの高橋薫子も、素朴で愛らしい庶民の娘を見事に演じていました。
 舞台美術は、モダンでありながら落ち着いており、場面転換の手際も良く、ちょっと東洋風なところもあり、なかなかよかったです。ただ、地獄に堕ちるシーンでたくさんの手が出てくるのは、ちょっと陳腐か?指揮とオケの善し悪しは、ぽん太にはまったくわかりません。
 

「ドン・ジョバンニ」
2008年12月11日・新国立劇場オペラ劇場

【作 曲】W.A.モーツァルト
【台 本】ロレンツォ・ダ・ポンテ

【指 揮】コンスタンティン・トリンクス
【演 出】グリシャ・アサガロフ
【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ
【照 明】マーティン・ゲプハルト

【芸術監督】若杉 弘

【ドン・ジョヴァンニ】ルチオ・ガッロ
【騎士長】長谷川 顯
【レポレッロ】アンドレア・コンチェッティ
【ドンナ・アンナ】エレーナ・モシュク
【ドン・オッターヴィオ】ホアン・ホセ・ロペラ
【ドンナ・エルヴィーラ】アガ・ミコライ
【マゼット】久保和範
【ツェルリーナ】高橋薫子

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

|

« 【読書】あなたは欧米派それとも日本派? 石川榮吉『欧米人の見た開国期日本 異文化としての庶民生活』 | トップページ | 【ジャズ】大人のクリスマス/SADAO PLAYS AFRO SAMBA~Dedicated to Baden Powell~ »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/43398642

この記事へのトラックバック一覧です: 【オペラ】「ドン・ジョヴァンニ」でモーツァルトの奥の深さを知る・新国立劇場:

« 【読書】あなたは欧米派それとも日本派? 石川榮吉『欧米人の見た開国期日本 異文化としての庶民生活』 | トップページ | 【ジャズ】大人のクリスマス/SADAO PLAYS AFRO SAMBA~Dedicated to Baden Powell~ »