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2009/01/24

【歌舞伎】勘三郎が大活躍・2009年1月歌舞伎座夜の部

 歌舞伎座夜の部は、正月恒例の曽我の対面から。曽我兄弟が菊五郎と吉右衛門、工藤祐経が幸四郎と、歌舞伎座さよなら公演のせいか、豪華な配役です。その他の配役も含め、それぞれの役者が持ち味を発揮し、目出たい雰囲気を盛り上げます。
 続いて勘三郎の『春興鏡獅子』。2年前の正月にも勘三郎が同じ演目を踊っていたので、なんか観たばかりのような気がしますが、あいかわらず達者でした。千之助、玉太郎の胡蝶の精が「かわいらしい」だけではなく「上手」でした。
 勘三郎は、続けて『鰯賣戀曳網』で猿源氏を演じて、大活躍でした。勘三郎はこういう世話物の人情喜劇がホントにうまいですね〜。禿(今日は須田あす美か?)を思いっきり突き飛ばしていましたが、だいじょぶだったでしょうか?玉三郎は、喜劇とはいえ、今回は元はお姫様の傾城というお役。使い古された表現ですが、一つひとつの姿が錦絵のように美しかったです。台本は三島由紀夫とのこと。三島が歌舞伎を書いていたとは知りませんでした。ちょっと調べてみると、『三島由紀夫と歌舞伎』(木谷真紀子著、翰林書房 、2007年)などという本も出ているではないか!げに深きは無知蒙昧の闇。そのうち読んでみたいです。
 
 『寿曾我対面』を観るのも何回目かになるので、台本を読んでみました(『助六由縁江戸桜 寿曽我対面 (歌舞伎オン・ステージ (17))』、諏訪春雄編著、白水社、1985年)。何を言っているかが少しわかりました(次回観る時まで覚えているだろうか?)。そこに伊豆の地名がいくつか出て来ます。伊豆はダイビングでよく行くところなので、お遊びで調べてみました。工藤祐経が河津三郎祐康を殺した狩りを思い出す場面です。

工藤祐経 安元二年神無月、十日余りの事なりしが、佐殿をなぐさめんと、伊豆相模の若殿原、奥野の狩のその帰るさ。
曾我十郎 赤沢山の南、尾崎、柏ヶ﨑の半腹に、人や待つとも白月毛の駒にまたがりし祐康が。
  まず奥野ですが、修善寺の近くに奥野という地名が残っています(地図)。また伊東の南東には奥野ダムがあります(人造湖の名前は松川湖)。両者はだいぶ離れているようですが、伊東の内陸の山林一帯を奥野と読んだのかもしれません。
 次は赤沢山ですが、google map等で調べてもみつかりません。ググってみるとこちらのサイトに、谷文晁の描いた「赤沢山」の図が出ていますが、解説の文章のなかに「赤沢山(伊雄山)」と書いてあります。伊雄山ならこちら(地図)です。いまではすっかり別荘地化されているようです。付近には、河津三郎が亡くなった場所である「河津三郎の血塚」や、曽我兄弟の墓のある東林寺など、ゆかりの史跡があるようですが、こちらの「謡蹟めぐり」のページが詳しいです。今度伊豆海洋公園に潜りに行ったときに、寄ってみたいです。
 尾崎、柏ヶ﨑に至っては、現在のどこにあたるのか、まったくわかりません。
 

歌舞伎座
歌舞伎座さよなら公演・壽初春大歌舞伎
平成21年1月・夜の部

一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
            曽我五郎  吉右衛門
            曽我十郎  菊五郎
           小林妹舞鶴  魁 春
           近江小藤太  染五郎
            八幡三郎  松 緑
           化粧坂少将  菊之助
            梶原景時  錦 吾
            梶原景高  亀 蔵
            大磯の虎  芝 雀
          鬼王新左衛門  梅 玉
            工藤祐経  幸四郎

二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
      小姓弥生後に獅子の精  勘三郎
            胡蝶の精  千之助
            胡蝶の精  玉太郎
             局吉野  歌 江
           老女飛鳥井  吉之丞
         用人関口十太夫  高麗蔵
        家老渋井五左衛門  友右衛門

三、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)
             猿源氏  勘三郎
       海老名なあみだぶつ  彌十郎
         博労六郎左衛門  染五郎
       庭男実は藪熊次郎太  亀 蔵
              亭主  東 蔵
     傾城蛍火実は丹鶴城の姫  玉三郎


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