【温泉】真新しい建物なが素朴な山の湯の雰囲気・中の湯温泉旅館(付:卜伝の湯)(★★★★)
上高地につながる釜トンネルへの分岐を通り過ぎたところに、なにやら怪しげな建物があります。「卜伝の湯」と書かれていますが、なにやら舞台のセットのような薄っぺらい建物で、日帰り入浴700円と書かれています。以前から前を通り過ぎるたびに気になっていたのですが、今回初めて入浴することが出来ました。ちなみに「卜伝の湯」は「とでんのゆ」ではなく「ぼくでんのゆ」で、塚原卜伝にちなんで名付けられたのだそうです。
卜伝の湯を管理しているのは、この中の湯旅館です。公式サイトは見当たらないので、日本秘湯を守る会のページと、上高地公式Websiteにリンクしておきます。安房トンネル入り口付近から分岐する、つづら折りの旧道をしばし登ったところにあります。旧道は冬期は閉鎖されているので、ゲートを開けて登っていきます。
入り口には、天然の大木を刻んだ彫刻が飾られていますが、なかなかいい感じです。建物は新しいですが、1998年(平成10年)の新築。温泉ファン、あるいは上高地ファンなら、中の湯が以前は釜トンネル入り口近くにあり(安房トンネル方向に少し登った左側に、建物が残っています)、安房トンネル掘削のために休業しておりましたが、1995年(平成7年)の4人の命を奪った水蒸気爆発事故に伴って、現在の位置に移転したことを知っております(たとえばこちらをご覧ください)。安房トンネルをご通行の方は、取り付け道路の左側に残る旧橋脚をご覧になり、犠牲者のご冥福をお祈りください。
浴室は、男女別の、露天風呂付きの内湯があります。男女入れ替えはありません。泉質は単純硫黄泉。透明ですが湯の華がかすかに舞います。
こちらが露天風呂。近くに餌付けのポイントがあり、朝風呂に入ると、入浴しながら小鳥などの野生動物を観ることが出来ます。また目を上げると、奥穂から明神だけに続く穂高連邦を見ることができます。
そしてこの宿に泊まったらぜひ入りたいのが、冒頭の写真の卜伝の湯。宿泊すると無料で入浴でき、車で送迎してくれます。鍵を開けてもらって中に入ると、ひなびた脱衣所があります。
その奥には地下に続く階段が……。
階段を下りると、天然の洞窟を利用した湯船があります。灰褐色の濁り湯で、硫黄臭と鉄味がします。野趣あふれる温泉で、温泉ファンには見逃せません。
対岸から眺めると、梓川沿いの崖にへばりつくように作られています。
こちらが夕食です。自家製豆腐がおいしかったです。この時期はあげたでの山菜天ぷらがごちそうです。
こちらは朝食。朴葉焼きが、高山文化の影響を感じさせます。
建物は新築ながら、素朴な山の湯の雰囲気を残した名湯。従業員の応対も変な媚がなくて、素っ気なくて暖かい。卜伝の湯は温泉ファンなら一度は入ってみる価値があります。
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