【温泉】伊達政宗も泊まった歴史ある宿・青根温泉湯元不忘閣(★★★★★)
久々に満点5つ星の宿です。蔵王山の北東の山麓にある青根温泉は、営業を止めてしまった宿もいくつかある小さな温泉街ですが、そこに広々とした敷地に美しい木造建築が建つ宿があります。これが青根温泉湯元不忘閣です。こちらが公式サイトです。温泉の歴史は古く、戦国時代の16世紀前半までさかのぼれるそうです。
こちらが名物の「青根御殿」です。江戸時代には伊達藩の御殿湯とされ、伊達政宗も利用したそうです。当時の建物は残念ながら明治時代に火災で焼失したそうで、現在の建物は昭和7年に復元されたものだそうです。
昭和に再建されたものとはいえ、今では手に入らないような木材を使った立派な建物です。以前はお客さんを泊めていたそうですが、現在はお宝が展示されていて、朝に内部を案内していただけます。
本館から青根御殿に向かう渡り廊下に飾ってあったのは、歌舞伎の中村勘三郎の筆です。あ、今の勘三郎ではなくて、お父さんの17代目ですね。
不忘閣には多くの文人が宿泊したそうで、芥川龍之介や川端康成の書も残っていました。山本周五郎もここで『樅ノ木は残った』を執筆したそうで、その題材となったのがこの樅の木だそうです。中央で、向かって左にちょっとかしいでいる木です。
こちらは「竹ノ間」。古賀政男が滞在していた部屋だそうです。
不忘閣には多くの風呂があります。当日は宿泊客が少なかったので、御殿湯を除いて、すべて貸し切りで利用することができました。ありがたいシステムです。写真は「大湯」。長く青根温泉の共同浴場として使われていましたが、老朽化のため2006年3月で閉鎖され、共同浴場は別の場所に「じゃっぽの湯」が作られました。その後2008年4月、昔からの石造りの浴槽を生かして、不忘閣の内湯として再建されました。青森ヒバと土壁を使った趣きある建物で、赤っぽい土壁は、地元の土を火で焼くと出てくる色なのだそうです。大湯というくらいでとても大きな浴槽ですが、貸し切りで入浴です。
さて、こちらの一角には昔からの土蔵が並んでいますが……。
一番奥の土蔵を利用した風呂が「蔵湯浴司」です。内部は木材を使った暖かい雰囲気で、ここも貸し切りです。
こちらは男女別の御殿湯。時間で男女交代となります。泉質について書くのを忘れてましたが、無色透明・アルカリ性で、刺激がなくてとても肌触りがやわらかく、お肌がすべすべになる優しいお湯です。もちろん源泉掛け流しです。
こちらは「新湯」ですが、名前とは裏腹に古風でとっても風情があります。
夕食は手の込んだ会席料理で、手が込んでおり、品数も多く、とてもおいしかったです。
朝食もご覧のような品数の多さです。
静かなたたずまい、歴史ある建物、やわらかいお湯、それぞれに個性ある浴室、おいしいお料理、アットホームな接客と、すべてが大満足で、ぽん太の評価は満点です。
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