« 【クラシック】若さ爆発!小沢征爾音楽塾のベト七 | トップページ | 【オペラ】だんだんよくなる新国立劇場の『ワルキューレ』 »

2009/04/21

【歌舞伎】仁左衛門の伊左衛門がまた見れて幸せ・2009年4月夜の部

 今回のぽん太のお目当ては、仁左衛門の「廓文章」。昨年の3月に歌舞伎座で見て虜になりましたが、また見れるとはうれしいかぎり。しかも今回は玉三郎の夕霧。なにもかも「歌舞伎座さよなら公演」のおかげです。
 仁左衛門演ずる伊左衛門は、最初の出で花道に立つ姿からして、なよなよした感じと愛嬌と大店の若旦那の鷹揚さがにじみ出ます。このように立ち姿だけで人物を表現し、美しさを醸し出す芸術を、ぽん太は歌舞伎以外に知りません。一方玉三郎の夕霧は小芝居をせずに、凛としたなかにも楚々とした味わい。う〜ん、ごちそうさまでした。
 近松門左衛門といえば『曾根崎心中』、『曾根崎心中』といえば近松門左衛門という有名な作品ですが、ぽん太は生まれて初めて観ました。藤十郎のお初。小太りのおじいさんが、はしゃいで少女っぽく手をぱちぱちと叩いているところなど、「なんじゃこれは」という感じがするのですが、観ているうちに愛らしい女性に見えてくるから不思議です。さすが人間国宝。いよう、山城屋!
 しかし、近松門左衛門というと古風な芝居を想像しておりましたが、なんか現代っぽいというか、月の法善寺横町ではありませんが、大衆演劇っぽさがあるのが気になりました。筋も以外と単純。近松門左衛門の傑作といえるのかちと疑問。
 Wikipediaによれば、人形浄瑠璃の『曾根崎心中』の初演は1703年(元禄16年)、一ヶ月前に起きた現実の心中騒ぎを題材にしたものだそうです。大変な人気を博したそうですが、世の中に心中ブームが起きてしい、1723年(享保8年)に幕府は心中ものの上演を禁じるとともに、心中で生き残った男女をさらし者にするなどの措置を講じたそうです。その後ながらく上演されることはありませんでしたが、1953年(昭和28年)に宇野信夫の脚色で復活上演されました。このときのお初は、当時二代目扇雀だった現・藤十郎で、以後56年にわたって1300回の上演を重ねているそうです。
 ということは現在演じられている版は昭和に作られたのか。現代調なのもうなづけます。でも、復活上演の際、江戸時代の演出をどの程度取り入れたのでしょうか?当初の演出は、どのような形でどのくらい伝わっていたのでしょうか?ぽん太にはさっぱりわかりません。『曾根崎心中』の歴史的な価値としては、「世話物」というジャンルを打ち立てたことにあるそうです。
 ちなみにモデルとなった心中事件の現場は大阪曽根崎の露天神社(つゆのてんじんしゃ)だそうで、公式サイトはこちらです。
 「毛谷村」は、吉右衛門はこういう人のよい善人を演じると、明るくて華があっていいですね。福助のお園も、あいかわらず「やりすぎ」の感じはありましたが、許嫁と知って突然しおらしくなるところなど、おもしろかったです。


歌舞伎座さよなら公演・四月大歌舞伎
歌舞伎座・平成21年4月・夜の部

一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
    毛谷村
           毛谷村六助    吉右衛門
              お園    福 助
              お幸    吉之丞
      微塵弾正実は京極内匠    歌 昇
           杣斧右衛門    東 蔵

二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
    吉田屋
          藤屋伊左衛門    仁左衛門
            扇屋夕霧    玉三郎
           太鼓持豊作    巳之助
            番頭清七    桂 三
           阿波の大尽    由次郎
        吉田屋女房おきさ    秀太郎
         吉田屋喜左衛門    我 當

三、曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
           天満屋お初    藤十郎
          平野屋徳兵衛    翫 雀
          天満屋惣兵衛    竹三郎
          田舎客儀兵衛    錦 吾
           手代茂兵衛    亀 鶴
           油屋九平次    橋之助
         平野屋久右衛門    我 當

|

« 【クラシック】若さ爆発!小沢征爾音楽塾のベト七 | トップページ | 【オペラ】だんだんよくなる新国立劇場の『ワルキューレ』 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/44675362

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】仁左衛門の伊左衛門がまた見れて幸せ・2009年4月夜の部:

» 近松門左衛門NO.14・・・四月大歌舞伎「廓文章 吉田屋」(歌舞伎座) [飾釦]
■日時:2009年4月18日(土)、16:30〜 ■劇場:歌舞伎座 ■作:近松門左衛門 ■出演:坂東玉三郎、片岡仁左衛門、他 この舞台で圧倒的な存在感を見せたのが、坂東玉三郎でありました。美しいと劇場の観客から溜息が出ました。今回の四月大歌舞伎において一番印象に残ったのが、玉三郎が演じた夕霧です。彼が長くトップランナーとして存在しえているのは、たとえば茂木健一郎が司会を勤めるNHKの番組「プロフェッショナル・仕事の流儀」で紹介されていたような芸に対するストイックなまでの姿勢だけではなく、女形として... [続きを読む]

受信: 2009/04/22 20:52

« 【クラシック】若さ爆発!小沢征爾音楽塾のベト七 | トップページ | 【オペラ】だんだんよくなる新国立劇場の『ワルキューレ』 »