【歩かないと行けない温泉(1)】くろがね小屋@福島県安達太良山(歩行時間2時間)
百名山も完登して登山の目標を失ったぽん太とにゃん子ですが、先日泊まった那須の三斗小屋温泉大黒屋で気をよくして、「歩かないと行けない温泉」という新たな目標を見つけました。
もちろんこれまでも、歩かないと行けない温泉はいくつか泊まったことがあり、すでにご紹介したものでは黒部の阿曽原温泉小屋、八ヶ岳の本沢温泉などがあり、紹介していないものでは白馬鑓温泉、北アルプスの高天原温泉などがあります。
今回のぽん太とにゃん子のターゲットは安達太良山のくろがね小屋です。公式サイトはおそらくこちら。奥岳登山口から約2時間ほどで山小屋に到着。「馬車道」と呼ばれている林道を歩けば運動靴でも大丈夫ですが、登山靴で旧道を歩けば若干ショートカットできます。もちろん「山小屋」ですから登山の装備でどうぞ。 木造の小屋は、ちょっとモダンな雰囲気です。山小屋の開業は1953年、現在の建物ができたのは1963年だそうです。
内部は思ったより明るくきれいで、しゃれた雰囲気で、とても清潔です。
部屋はこのような感じ。個室はありません。梅雨の時期で空いていたので、ゆったりと寝ることができましたが、紅葉シーズンの週末などは混雑するそうです。
小屋の上部に源泉の湧出地帯があります。こちらにも昔は登山道がありましたが、現在は硫化水素が噴出しているため、立ち入り禁止となっております。ちなみにここは、ふもとの岳温泉の源泉でもあります。
岳温泉の歴史については、こちらの岳温泉の公式サイトをどうぞ。この写真の先に古くから温泉小屋がありましたが、江戸時代には二本松藩によって歓楽温泉街として整備され、おおいににぎわったそうです(湯日(元岳)温泉)。ところが1824年(文政7年)、台風による土石流で温泉街は壊滅します。二本松藩は現在の不動平に温泉街を再建しましたが(十文字岳温泉)、戊辰戦争のおり、西に位置する幕府軍の拠点となることを恐れ、二本松藩によって焼き払われます。1870年(明治3年)には、現在の岳温泉の南西部に深堀温泉として復興されましたが、1903年(明治36年)に火災により全勝します。そして1906年(明治39年)に現在の岳温泉が造られ、現在に至るそうです。お湯は源泉から松木の湯樋管で引かれていたそうですが、現在の湯樋管の上に一部置かれている木が、その名残なのだと思います。 さて、お目当てのお風呂ですが、ちゃんと男女別になっています。雰囲気ある木の浴室で、硫黄の香りがする白濁したお湯です。酸性でとても酸っぱいですが、肌はガサガサにならず、意外にしっとりします。もちろん源泉掛け流し。湯船は4~5人で満員くらいの大きさです。山ですからシャンプーや石けんは使えません。ちょっと熱めのお湯で、窓を開けると緑が眼前に広がり、とても気持ちよかったです。
夕食はカレーと聞いて、山小屋だからてっきりレトルトかと思ったのですが、さにあらず、じっくりコトコト煮込んだ本格的なカレーです。この山小屋の名物だそうで、これを目当てに泊まりにくる人も多いそうです。おいしゅうございました。
朝食は、山では貴重品のタマゴつき。小屋番のおにいさんが、自ら背負って運んで来たものだからです。おいしゅうございました。
清潔な小屋、おいしい食事、値段も手頃なのは県営(正確には県の外郭団体の福島県観光開発公社の経営)だからだそうです。そして小屋番のおにいさんがとってもフレンドリーで、会話も楽しかったです。ホントにお世話になりました。ただし泊まろうと思った方は、くれぐれも山小屋だということを忘れずに。
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