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2009/07/25

【歌舞伎】今回の「海神別荘」は笑わずに感動できました・歌舞伎座2009年7月昼の部

 「五重塔」は初めて観る演目でした。勘太郎と獅童の熱演にもかかわらず、あんまりおもしろくありませんでした。なんか脚本がいまいちのような気がします。というのも、みたところ「のっそり」している十兵衛が、実は大工として腕が立つあっぱれな人物であるということが、ちっとも芝居のなかで描かれていません。また幕切れでは、制札に「江戸の住人十兵衛これを作り、源太郎これを成す」と書かれていて、二人が仲直りをするのですが、五重塔は十兵衛が源太郎の手を借りずに建てたわけで、なぜ「源太郎これを成す」なのかよくわかりません。まあ、このあたりは観客が知っているものと見なして、思い切った省略をしたのでしょうけれど、無学なぽん太には、説明不足に感じました。このようにストーリー展開を重視しなばあい、場面場面での十兵衛と源太のやり取りが見所になるのでしょうけれども、そうすると勘太郎と獅童では少し貫禄不足だったように思いました。
 ところで、「五重塔」の舞台となった感応寺は、現在は台東区谷中にある天王寺とのこと。公式サイトはなさそうです。こちらがWikipedia、またこちらのサイトは、江戸時代の絵や地図なども載っていておもしろいです。場所はこちら(Googleマップ)で、日暮里の近くです。今度見に行ってみます。
 Wikipedaを読んで、天王寺の歴史をざっとみちくさしておきましょう。元々は「長耀山感応寺」という日蓮宗のお寺だったということです。しかし徳川幕府から弾圧された不受不施派に属していたため、1698年に強制的に改宗させられ、天台宗のお寺になりました。1700年からは幕府公認の富くじが行われるようになりましたが、目黒不動、湯島天神と共に「江戸の三富」と呼ばれてにぎわったそうです。1772年に明和の大火で五重塔が焼失し、1791年に再建されたのが、こんかいの「五重塔」の題材です。1833年には、護国山天王寺と改名になります。戊辰戦争では五重塔は焼失を免れましたが1957年に谷中五重塔放火心中事件により、この五重塔は焼失し、その後再建されることなく現在に至っているようです。

 「海神別荘」は、一昨年以来の2度目の観劇でした。前回よりもさらによい舞台だったと思いますが、残念ながら日頃の疲れが出て、所々まだらに記憶がありません。前回は海老蔵の公子がなんだかすっとんきょうで、失笑が漏れたりしていましたが、今回は落ち着いた演技で、俗世間から超然としている、美しいが恐ろしくもある公子を見事に演じておりました。玉三郎のすばらしさはいうまでもなし。美女がファルコンに乗って海底へと輿入れする場面では、笑三郎の女房を初めてとしてすべてがゆらゆらと揺れ動き、海の「うねり」が見事に表現されていたことは、ダイビングをしている人にはよくわかると思います。ダイビングをしている玉三郎ならではの表現だったと思います。


歌舞伎座さよなら公演 七月大歌舞伎
歌舞伎座・平成21年7月・昼の部

一、五重塔(ごじゅうのとう)
           大工十兵衛  勘太郎
              お浪  春 猿
              お吉  吉 弥
          用人為右衛門  寿 猿
            大工清吉  巳之助
            朗円上人  市 蔵
            大工源太  獅 童

二、海神別荘(かいじんべっそう)
              美女  玉三郎
              博士  門之助
              女房  笑三郎
            沖の僧都  猿 弥
              公子  海老蔵

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