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2009/09/16

【歌舞伎】鈴ヶ森刑場つながり? 2009年9月歌舞伎座夜の部

 なかなか楽しかったです。
 「浮世柄比翼稲妻」は、「鈴ヶ森」は観たことがありますが、「鞘當」は初めて。伊達姿の若侍二人が、傾城を巡って争いを繰り広げます。松緑と染五郎が色気もありながら涼やかで、若々しい勢いを感じる舞台でした。「鈴ヶ森」の白井権八は梅玉、幡随院長兵衛は吉右衛門というごちそう。こちらはベテランの芸。ところで白井権八のモデルである 平井権八は実際に鈴ヶ森刑場で処刑されました。そういえば最後の演目の八百屋お七も鈴ヶ森刑場で火刑となっています。こんかいは鈴ヶ森つながりか?まさか「勧進帳」は鈴ヶ森とは関係ないよね。
 続いて幸四郎の「勧進帳」。ぽん太が前回観た仁左衛門の「勧進帳」は、台詞もはっきりしていてドラマチックな心理劇でしたが、2008年10月15日に弁慶1000回目達成をした幸四郎は、あまりにも何度も演じすぎたせいか、台詞がお経のようでよく聞き取れません。では悪いかというとさにあらず、様式的・儀式的で、なにやら神事を観ているような神聖さがありました。吉右衛門の富樫がこれまた大きくて立派。見得を切ったときの微かに笑みを浮かべたような表情が、明るくて華やかでした。「勧進帳」というと弁慶と義経ばかりに目を向けていましたが、富樫もいい役であることを改めて感じました。幸四郎と吉右衛門のあいだに入ると、さすがに染五郎の義経は悪くはないけど見劣りがしました。判官御手も何かが足りない。残念!
 「松竹梅湯島掛額」は明るく楽しい笑劇で、趣向もたっぷり。福助のお七がすばらしく、「お土砂」では可愛らしい娘をちょっとコミカルに演じながらも、例の変な声を出すのを一カ所に留めて、品が悪くなりませんでした。「櫓のお七」の人形ぶりはあまりリアルではなかったけれど悪くはなく、吉三郎に会いたい、救いたいという一心で鐘を叩く迫真の演技は最高でした。
 さて、八百屋お七が避難したお寺に関しては、諸説あるようですが、「松竹梅湯島掛額」では本郷駒込の吉祥院とされています。これは現在の文京区本駒込の吉祥寺で、公式サイトはなさそうですが、場所はこのへん(地図)です。吉祥寺に関しては、 こちらのサイトが詳しいようで、それによれば、境内には鳥居耀蔵、榎本武揚、二宮尊徳らの墓、お七・吉三の供養塔などがあるそうです。そのうち行ってみたいです。吉祥寺は元々水道橋近く(現在の都立工芸高校あたり: 地図)にあったのが、1657年(明暦3年)の明暦の大火で焼失したため現在の地に移ったのだそうですが、このとき焼け出された周辺住民が移住したところを吉祥寺と名付け、それが現在の武蔵野市吉祥寺だそうです。ふ〜ん、知らなかった。豆知識ですな。
 ところで、「お土砂」の「木曽の源範頼が江戸に攻め上がってくる」という「世界」がぽん太には理解できません。範頼が木曾義仲追討のため義経と協力して京に攻め上った宇治・瀬田の戦い(1184年(寿永3年)のことでしょうか?それとも単純に木曽義仲が京に上ったときのことか?ううう、よくわかりません。


歌舞伎座さよなら公演
九月大歌舞伎
歌舞伎座/平成21年9月夜の部

一、浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)

  鞘當
          不破伴左衛門  松 緑
           名古屋山三  染五郎
           茶屋女お京  芝 雀
  鈴ヶ森
          幡随院長兵衛  吉右衛門
            飛脚早助  家 橘
           北海の熊六  桂 三
           東海の勘蔵  由次郎
            白井権八  梅 玉

二、七代目松本幸四郎没後六十年
  歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

           武蔵坊弁慶  幸四郎
             源義経  染五郎
            亀井六郎  友右衛門
            片岡八郎  高麗蔵
            駿河次郎  松 江
           常陸坊海尊  錦 吾
           富樫左衛門  吉右衛門

三、松竹梅湯島掛額(しょうちくばいゆしまのかけがく)

  吉祥院お土砂
  櫓のお七
           紅屋長兵衛  吉右衛門
           八百屋お七  福 助
           小姓吉三郎  錦之助
            丁稚長太  玉太郎
            下女お杉  歌 江
            長沼六郎  桂 三
            月和上人  由次郎
            若党十内  歌 昇
           釜屋武兵衛  歌 六
            母おたけ  東 蔵

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