【富士宮】白糸の滝・曽我物語史跡・富士山本宮浅間大社・さの食堂の焼きそば
話しはちと遡りますが、8月の末、山梨県は赤石温泉で一泊したぽん太とにゃん子は、そのまま帰宅すると午前中に家についてしまうので、どこかみちくさするところはないかとあれこれ考えた結果、精進ブルーラインから富士宮道路を走り、朝霧高原を抜けて富士宮に出てみることにしました。これまで通ったことがない道です。
残念ながら雲がたれ込めていて、朝霧高原から富士山は見えず。ガイドブックを眺めていると、白糸の滝というものがあり、国の名勝、天然記念物に指定されているとのこと。これは見ずばなりません。
こちらが白糸の滝です。富士山の伏流水が、地層の間からさながら白い糸のごとく、幾筋にもなって流れ落ち、なかなか見事な風景です。
見終わって駐車場に帰ろうとしたところ、小さな案内板が目にとまり、読んでみると、時の征夷大将軍源頼朝公が富士の裾野で巻き狩りを行った際ここに立ち寄り、鏡のような水面に顔を映して鬢(びん)のほつれを直したとのこと。こ、これはぽん太が先日みちくさしたばかりの「曽我物語」ではないか!! これがその「おびん水」だ〜!う〜む、巻き狩りは富士の「裾野」で行われたと書いてあったから、てっきり現在の裾野市かと思っていたら、富士宮だったのか〜。
なんと近くには「工藤祐経の墓」もあるとのこと。工藤祐経(くどうすけつね)は、曽我兄弟の仇討ちによって殺された人です。場所はここですが、とってもわかりずらいです。赤い祠の中に墓石があります。
こちらは「曽我の隠岩」。曽我兄弟がこの岩陰で工藤暗殺の策を練ったのだそうです。
白糸の滝の近くにある「音止の滝」。曽我兄弟が仇討ちを果たした瞬間、ぴたりと音が止んだのだそうです。虹が出ていてとてもきれいでした。
いいものを見てほくほく顔のぽん太が次にみちくさしたのは、富士山本宮浅間大社です。こちらが公式サイトです。この神社は、富士山の山頂の所有者であることで有名ですね(豆知識)。その経緯を知りたい方は、たとえばこちらのページをどうぞ。
富士宮と言えば焼きそばです。どこがおいしいのかわからないので、たまたま通りかかって店構えがおいしそうな雰囲気だった「さの食堂」に入ってみました。公式サイトはなさそうです。場所は ここでございます。富士宮のやきそばの特徴はよく知らなかったのですが、鰹節がいっぱいかかっていておいしかったです。家に帰ってから調べてみると、腰が強い麺、肉かすの使用、鰹節がかかっている、などの特徴があるようです。 富士宮やきそば学会のサイトにリンクしておきます。
最後に、冨士インターの近くにある曽我寺によりました( 地図)。ここには曽我兄弟の墓があるそうです。ちなみに曽我兄弟の墓は各地にあり、 箱根にもあります。
ふと境内の案内板を見てみると、このお寺の近くにも、「工藤祐経の墓」をはじめとして曽我物語史跡セットが一式あるようです。じゃ、ぽん太が今日一生懸命見た史跡はなんだったんだ!ぽん太は複雑な気分で多摩の巣穴に戻りました。
帰宅後再び「曽我物語」をひもといてみました。テクストは『曽我物語』 (新編日本古典文学全集53、小学館、2002年)です。
巻第七の最後のあたりから、舞台は仇討ちの場となった富士の裾野に移ります。三島明神に祈念した曽我兄弟は、まず「駿河国小林」の狩場で工藤祐経の隙をうかがいます。この狩場の位置は、注によれば、ちょうど富士インターがある 富士市伝法あたりと考えられているそうです。しかしここでは、仇討ちの機会はありませんでした。
翌日、頼朝ら一行は「井出」の狩場に移動しますが、ここは現在の 富士宮市上井出あたりだそうです。例の白糸の滝の近くですね。
しかしその後は地名に関する記述はなく、源頼朝が顔を水に映して鬢を直したとか、仇討ちをした瞬間に滝の音が止んだとかいう記述はありません。もっとも「曽我物語」にはいろいろな版があるようですから、なかにはそういうことが書かれているものもあるのかもしれませんし、「曽我物語」とは別に地元の伝承があるのかもしれません。
| 固定リンク
「旅・宿・温泉」カテゴリの記事
- 【温泉】玉子湯再訪(福島県高湯温泉)(★★★★)(2020.04.15)
- 【スキー】快晴の蔵王スキー場。樹氷ニョキニョキ外人いっぱい。(2020.03.06)
- 【温泉】和モダンに生まれ変わった湯治宿。峩々温泉(★★★)宮城県(2020.03.05)
- 【温泉】歴史ある宿がワイナリーもオープン。中棚荘(長野県小諸市)(★★★★)(2019.12.26)
- 【温泉】こんなところに秘湯中の秘湯が!赤滝鉱泉@栃木県矢板市(★★★★★)付:八方台のレンゲツツジ(2019.06.12)
コメント