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2009/10/19

【歌舞伎】三津五郎の『毛抜』、藤間大河くん初お目見得・2009年10月歌舞伎座昼の部

 まず初めは『毛抜』。推理ドラマの筋立て、磁石を使ったトリック、若衆や腰元に言い寄る主人公の豪放な性格など、歌舞伎十八番に数えられる演目にしては、近代っぽい雰囲気があります。それもそのはず、元々は1742年(寛保2年)に初演されましたが、ながらく上演されなかったものを、1909年(明治42年)に復活上演したのだそうです。現行の芝居の、どこが初演当時のもので、どこが明治後期に付け加えられたものなのか、無知なるぽん太にはまったくわかりません。初役の三津五郎の粂寺弾正は、バカっぽさや途方もない大きさには欠けますが、かわりに古風な味わいがあり、細かいところまで神経が行き届いている感じで、とても良かったです。
 この演目には、雨乞いに使う小野小町の歌の短冊が出て来ますが、これは以前の記事に書いた「雨乞小町」の話しを踏まえています。小野小町が詠んだ雨乞いの歌は、「ことわりや日の本ならば照りもせめ さりとてはまた天が下とは」というものです。この歌の意味は、例えばこちらに書いてありますが、それによれば、「我が国は日の本といいますから、陽が照るのも理屈でしょう。でも、天(雨)が下ともいいますから、降ってもいいでしょうに」というものだそうです。
 次は玉三郎の『蜘蛛の拍子舞』。源頼光の土蜘蛛退治を世界とした舞踊劇です。「玉三郎の踊りはさすがにいいな〜」などと思っているうちに、日頃の疲れに昼食後も重なって、意識を消失。意識が戻ると、舞台上にはでっかい蜘蛛がいました。なかなかよくできています。その後、玉三郎が女郎蜘蛛となって登場し、最後は三津五郎の坂田金時の押し戻しまで付いて、なかなかのごちそうです。でもホントは最初の舞踊が見たかった。
 続いて藤十郎の「河庄」。原作の『心中天網島』は近松門左衛門の代表作のひとつですが、ぽん太は初めて観ました。藤十郎はうまいといえば確かにうまいのですが、段四郎とのやり取りがくどくて、ちょっと辟易しました。歌舞伎の和事が脈々と受け継がれて吉本新喜劇に至ったのかな〜などと思いながら見てました。また藤十郎の紙屋治兵衛は、なんかコドモみたいな世間知らずのぼんぼんに見えるのですが、そんなもんなんでしょうか?時蔵の小春はいつもながら絶品。
 最後の「音羽嶽だんまり」は、菊五郎、富十郎、吉右衛門、魁春、菊之助などが顔を揃えた豪華な一幕。お目当ては松緑の長男の藤間大河(たいが)君(3歳)の初お目見得です。おっきなお声でごあいさつ。可愛かったです。なんかユキヒョウの赤ちゃんを見に行ったときを思い出しました。


歌舞伎座さよなら公演
芸術祭十月大歌舞伎
平成21年10月・昼の部

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
              粂寺弾正       三津五郎
       小原万兵衛実は石原瀬平       錦之助
              小野春風       松 也
               錦の前       梅 枝
              秦秀太郎       巳之助
              八剣数馬       萬太郎
              腰元若菜       吉 弥
               秦民部       秀 調
              八剣玄蕃       團 蔵
              小野春道       東 蔵
              腰元巻絹       魁 春

二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)
  花山院空御所の場

  白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精       玉三郎
              碓井貞光       松 緑
               渡辺綱       萬太郎
              ト部季武     尾上右 近
               源頼光       菊之助
              坂田金時       三津五郎

三、心中天網島
  玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)

             紙屋治兵衛       藤十郎
            紀の国屋小春       時 蔵
            江戸屋太兵衛       亀 鶴
             五貫屋善六       寿治郎
             丁稚三五郎       萬太郎
            粉屋孫右衛門       段四郎
             河内屋お庄       東 蔵

四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
  藤間大河初お目見得

            音羽夜叉五郎       菊五郎
              奴伊達平       松 緑
              稚児音若  初お目見得藤間大河(松緑長男)
            大内息女大姫       菊之助
              大江三郎       権十郎
             結城左衛門       錦之助
            白拍子仏御前       萬次郎
              鎌田蔵人       團 蔵
              夕照の前       魁 春
              局常盤木       田之助
              畠山重忠       吉右衛門
            雲霧袈裟太郎       富十郎

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