« 【歌舞伎】若々しくてよかった「盟三五大切」・2009年11月花形歌舞伎昼の部 | トップページ | 【慶良間ダイビング(2)】パンダダルマハゼとピペキ(Phyllidiopsis pipeki)に感動 »

2009/11/15

【歌舞伎】伸張著しい右近の吃又・澤瀉屋一門の『傾城反魂香』

 (※本日のブログには題材となる芝居の関係で一部差別的な用語が使われていますが、ご容赦願います)。
 澤瀉屋一門の『傾城反魂香』は、平成19年10月に三越劇場で見たことがあります。たしかこのときは右近が又平の初役だったと思います。猿之助の又平は見たことがないのでよくわかりませんが、猿之助の演技が右近に合わないのか、なんだか又平が吃り以外に知的障害も合わせ持つみたいで、変な又平でした。今回はどうかと思って観にいったのですが、なかなかよかったです。こうやって工夫して演技を変えていくんだなと、歌舞伎初心者のぽん太には大変勉強になり、かつ興味深かったです。「気違い」と言われて女房おとくをたたくところも、前回はマンガのだだっ子のようにぽかぽか叩いておりましたが、そこも工夫されておりました。土佐の名字をもらってから、うれしそうに着替えたり舞ったりする部分も、右近自身が持つ愛嬌やひょうきんさがうまく出ていました。ただ気になったのは、手ぬぐいで顔を覆って泣いている場面が多いこと。右近の表情をもっと見たい気がするのですが、他の役者さんでもこんな感じでしたっけ?次に見るときは注意して観たいと思います。笑三郎の女房おとくは、持ち前の古風な演技がすばらしく、しっかりものの女房でした。弘太郎の修理之助は、又平に同情するものの、土佐将監の命には従わねばならないという葛藤が、十分出ていない気がしました。
 今回も三越劇場のときと同じく、「土佐将監閑居の場」の前に序幕がついてました。「近江国高嶋館の場」があると、絵に描いた虎がなんで出て来るかよくわかります。またお姫様や、虎の立ち回りも、見ていて楽しいです。次の「館外竹薮の場」は立廻りの見せ場のようですが、残念ながら狩野雅楽之助をやるはずだった段治郎が体調不良で休演。代役の猿四郎が奮闘しておりましたが、やはり段治郎の迫力にはかなわなかったです。
 さて、会場は府中の森芸術劇場でした。ぽん太の棲む多摩地区にあって近いので行ってみました。花道がないのはしかたないにしろ、音楽ホールのせいか残響が長くて、ちょっと台詞が聞き取りにくかったです。最後は又平とおとくが客席を通って退場し、大サービスでした。

松竹大歌舞伎 秋季公演
平成21年11月12日 府中の森芸術劇場

一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)

  序 幕 近江国高嶋館の場
      館外竹薮の場
  二幕目 土佐将監閑居の場

            浮世又平  市川 右 近
           女房おとく  市川 笑三郎
            土佐将監  市川 寿 猿
          土佐修理之助  市川 弘太郎
          狩野雅楽之助  市川 猿四郎
            銀杏の前  市川 春 猿
          不破入道道犬  市川 猿 弥
        狩野四郎二郎元信  市川 笑 也

|

« 【歌舞伎】若々しくてよかった「盟三五大切」・2009年11月花形歌舞伎昼の部 | トップページ | 【慶良間ダイビング(2)】パンダダルマハゼとピペキ(Phyllidiopsis pipeki)に感動 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/46745377

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】伸張著しい右近の吃又・澤瀉屋一門の『傾城反魂香』:

« 【歌舞伎】若々しくてよかった「盟三五大切」・2009年11月花形歌舞伎昼の部 | トップページ | 【慶良間ダイビング(2)】パンダダルマハゼとピペキ(Phyllidiopsis pipeki)に感動 »