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2009/12/15

【レニングラード国立歌劇場オペラ】オーソドックスで若々しい『エフゲニー・オネーギン』

 マリインスキー・バレエの「オールスター・ガラ」を我慢して、先に切符を取ってあったレニングラード・オペラの『エフゲニー・オネーギン』を観に行って来ました。ぽん太は『オネーギン』は三回目。最初は昨年春の小澤征爾音楽塾、二回目は昨年6月のボリショイ・オペラです。
 これらに比べると、今回の演出はとてもオーソドックスで、ひねった「読み替え」みたいなのはまったくありませんでした。舞台美術も半透明のカーテンを様々に使って、柔らかくて美しかったです。第三幕のポロネーズも、レニングラード・バレエ団員による踊りを堪能することができます。聴きどころのアリアなどでは、群衆がなにげに舞台上から掃けたりするのが面白いです。歌舞伎で、ある役者の見せ所になると、他の役者が客に背中を向けたりして存在を消すのを思い出しました。
 しかし、ちょっと物足りない気がしたのも事実。例えば決闘の場面。小澤音楽塾では、レンスキーが「こんなばかげたことは止めよう」というそぶりをした瞬間に打たれました。またボリショイでは、レンスキーが突きつける猟銃をオネーギンが払いのけようとしているうちに暴発して、レンスキーが死ぬのです。さて、レニングラードではどうだろうと期待して見ていたのですが、まったく小芝居はなく、普通に決闘をしていました。う〜ん、まさしくど真ん中直球勝負。
 タチヤーナのネチャーエワは楚々とした美女で、内気で素朴なタチアーナ役にぴったりでしたが、公爵夫人となった第三幕の風格はまだまだか。ラブロフは体が細いのに声量のあるバリトンで、神経質で虚無的なオネーギンをうまく表現していましたが、やはり第三幕の熱情の高まりの表現はもうひとつ。レンスキーのカルポフは明るく浪々としたテノール、グレーミン公爵のマンチャークも堂々としておりました。しかし全体として、「ををっ」と驚くような突出した歌手はいなかったような気がします。
 全体として、オーソドックスな演出でレニングラード・バレエ団のポロネーズもついて、悪くなかったと思うのですが、なんか拍手が少なく、幕のあいだから歌手を一人ひとり呼び出す前に拍手が終わってしまったのが、ちょっと申し訳なかったです。会場スタッフが幕を引っ張ろうとしていたみたいだったのに。
 今回のレニングラード国立歌劇場オペラの公演の公式サイト(光藍社)はこちらです。配役表もアップされず、歌手のプロフィールもありません。プログラムを買えばいいのかもしれませんが、もう少しネットで情報を流してくれてもいいような気がします。
 レニングラード国立歌劇場の本名はミハイロフスキー劇場(Михайловский театр)で、公式サイトはこちらです。光藍社はなぜか「レニングラード」の名前にこだわっていますが、「レニングラード」という都市名がそもそも「サンクトペテルブルク」に変わってしまっているんですから、そろそろ「ミハイロフスキー劇場」に変えてもいいのでは?こちらのページに歌手の一覧表があり、リンクから写真を見ることはできますが、なぜかぽん太のパソコンではプロフィールが見えません。ロシア語のサイトのプロフィールは見えるので、google翻訳にかけてみると、こちらがネチャーエワのプロフィール。33歳のようです。そしてこちらがラブロフ。24歳で、今年ミハイロフスキー劇場に入ったばかりの新鋭のようです。カルポフはキャリアがありそうですが、全体としては、期待の若手の公演と言いうかんじでしょうか?
 座席表を見ると、けっこうこじんまりとした劇場のようです。レニングラード・オペラやレニングラード・バレエは、このような小さいホールでいつもはやっているんですね。


レニングラード国立歌劇場オペラ
「エフゲニー・オネーギン」
2009年12月10日 Bunkamuraオーチャドホール

作曲:ピョートル・チャイコフスキー
原作:アレクサンドル・プーシキン

指揮:ピョートル・フェラネツ
演出:スタニスラフ・ガウダシンスキー
美術:セミョーン・パストゥーフ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨワ
振付:ニキータ・ドルグーシン

タチヤーナ:アンナ・ネチャーエワ
エフゲニー・オネーギン:アレクセイ・ラブロフ
オリガ:マリーナ・ピンチューク
レンスキー:ドミトリー・カルポフ
ラーリナ:エカテリーナ・セヴリュコーワ
フィリーピエヴナ:ナタリア・ビリュコーワ
グレーミン公爵:ユーリー・マンチャーク
トリケ:アレクセイ・クリギン
ザレツキー:アントン・プザノフ
中隊長:ヴァチェスラフ・カリュジニー

管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団
合唱:レニングラード国立歌劇場合唱団
バレエ:レニングラード国立歌劇場バレエ

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