« 【マリインスキー・バレエ】完璧なヴィシニョーワ、雰囲気あるコールプ『眠れる森の美女』 | トップページ | 【マリインスキー・バレエ】テリョーシキナが良かった。ユーモアとイロニーたっぷりの『イワンと仔馬』 »

2009/12/10

【舞踏】へんなおじさんたちがなぜかカワイイ 山海塾『卵熱』

 20年くらい前だったでしょうか、テレビで『卵熱』を見たのが、ぽん太と山海塾の出会いでした。いまやインターネットの時代。調べてみたら見つかりました。1987年3月22に教育テレビで放映されたようです。ということで、約20年振りに生『卵』を観ることになった今回。席も前の方です。
 ところが前列の席に巨大な外人が並んでいます。み、見えません。そもそもこの劇場、前の方の席だと舞台をやや見上げる感じになり、舞台上の水や砂がよく見えません。椅子の背もたれも丸っこちデザインで、お笑い演技場の雰囲気です。舞台が暗転した時も、通路の非常灯(?)が明るくて、真っ暗闇になりません。この東京芸術劇場は、エントランスホールも長大なエスカレーターがあって、「池田屋の階段落ちか!」とつっこみたくなります。正面にあった緑色に輝く滝は、さすがに運用をやめたようですね。実用的にも、エスカレーターを上りきったところに人がたまると事故になるので、エスカレータの上ではお姉さんたちが「立ち止まらないでください」と叫びつづけ、エスカレーターの下には入場制限で長蛇の列ができたりします。大ホールの音響もあまりよくない気がして、このホールはぽん太はあんまり好きではありません。Wikipediaによれば、設計は芦原義信とのこと。こちらが芦原義信の公式サイトです。銀座のソニービルを設計したひとのようですね。
 ところで『卵熱』は「らんねつ」と読むのかと思ったら、どうやら「うねつ」らしい。しかし、「卵」って「う」って読んだっけ。ウィクショナリーによると、「卵」の読みは「ラン」と「たまご」だけのようですが。ひょっとして「卯」と間違えたのでしょうか。謎です。
 今回の舞台はフェスティバル/トーキョー09の一環らしいのですが、それが何なのかぽん太にはわかりません。フェスティバル/トーキョー09のサイトのなかの『卵熱』のベージはこちらです。
 などはさておき、舞台はすばらしかったです。舞台上に置かれた卵と、長い紐で吊るされた卵。そして天井から降り注ぐふた筋の水と土。床に広がる水。シンプルだけど、象徴的で美しい舞台装置です。卵はフォルムとしては、冒頭の天児牛大の白い背中となり、また顔となります。またメタファーとしては、土・水といった元素との関わりで、生命の起源、宇宙の始まりを思わせます。水は羊水となり、そのなかで胎児がうごめき、やがて立ち上がろうとします。卵はまた神秘・希望であって、ようやくそれを手に取ったとしても、あえなく割れてしまいます。砂の上に立てられた卵、振り子のようにゆっくりと動く卵、水、土、これらと舞踏手の動きが共振して行きます……。こういったことは、もはや言い尽くされたことですね。
 今回は、四人の踊り手の個性も面白かったです。蟬丸は、山海塾のために生まれて来たかのような風貌で、胎児のようであり、地蔵のようでもあります。その他の舞踏手は、誰がだれたやぽん太はわからないのですが、左奥の人は若い修行僧のような色気がありましたし、左手前の人は、水の中で寝転んで体を動かすシーンで、成長して行く胎児が自分の体を動かすことを楽しんでいるかのように、嬉々とした表情だったのが印象的でした。
 へんなおじさんたちがへんな踊りを踊っているのに、どこかカワイイ、山海塾の舞台でした。

山海塾 『卵を立てることから―卵熱』
2009年12月6日・東京芸術劇場中ホール

演出・振付・デザイン 天児牛大
音楽 YAS-KAZ、吉川洋一郎

舞踏手
天児牛大
蟬丸
竹内晶
市原昭仁
長谷川一郎

共同製作 パリ市立劇場、山海塾
初演 1986年 パリ市立劇場
共催 東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)
主催 フェスティバル/トーキョー

|

« 【マリインスキー・バレエ】完璧なヴィシニョーワ、雰囲気あるコールプ『眠れる森の美女』 | トップページ | 【マリインスキー・バレエ】テリョーシキナが良かった。ユーモアとイロニーたっぷりの『イワンと仔馬』 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/46951295

この記事へのトラックバック一覧です: 【舞踏】へんなおじさんたちがなぜかカワイイ 山海塾『卵熱』:

« 【マリインスキー・バレエ】完璧なヴィシニョーワ、雰囲気あるコールプ『眠れる森の美女』 | トップページ | 【マリインスキー・バレエ】テリョーシキナが良かった。ユーモアとイロニーたっぷりの『イワンと仔馬』 »