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2010/06/26

【バレエ】鬼気迫るコボーのルドルフ「うたかたの恋」英国ロイヤル・バレエ団

 「うたかたの恋」は初めてのぽん太は、題名からして「リーズの恋」みたいな話しかと思ってたら、とんでもない、とっても深刻で重〜い話しでした。いきなり埋葬から始まるは、暴力的なシーンは多いは、主人公は頭がおかしくなって、最後はジャンキーになって心中するは……。お母さんと見に来てたお嬢ちゃんたち、お気の毒様でした。こちらが公式サイトです。
 このバレエの題材になっている「マイヤーリング事件」に関しては、無学なタヌキのぽん太は全く知りませんでした。Wikipediaに出ています。1889年、ハプスブルグ家の皇太子ルドルフが、ウィーン近郊のマイヤーリングの狩猟小屋で、十代の女性マリー・ヴェッツェラと心中した(といわれる)事件だそうです。
 原題は"Mayerling"とのこと。なんか「リーズの結婚」に続き、邦訳が悪いんじゃないの?「うたかたの恋」なんて甘く切ない感じはしませんが……。クロード・アネが1930年に書いた小説"Mayerling"を邦訳するときに「うたかたの恋」と訳し、その後同名の映画の邦題にも使われたため、定着したのでしょうか??
 ま、その辺はおいといて、ヨハン・コボーの入魂の踊りが凄かったな〜。エキセントリックな主人公ルドルフを踊って、傲慢、孤独と悲しみ、愛欲、不安、狂気などを完璧に表現してました。最後にモルヒネの力で踊り続ける姿は、鬼気迫ってました。こういうのを見ると、サッカーでは日本はデンマークに勝ったけど、バレエではまだまだ及ばないなと思いました(コボーはデンマーク人です)。
 マリー・ヴェッツェラを踊ったリャーン・ベンジャミンも表現力豊かでしたが、「愛のために死ぬ」という思いに取り憑かれた娘の危なそうな雰囲気に欠けていた気がします。ステファニー王女のエマ=ジェーン・マグワイアは凄い美人。こんな美人なら、たとえ政略結婚であろうともルドルフも満足しそうなもの。ハンガリー高官たち男性4人の踊りも、迫力がありました。居酒屋の娼婦たちの踊りも濃厚。
 マクミランの振付けも、全幕では初めて観ましたがとてもおもしろく、難しそうなリフトがてんこもりでした。薄暗い幕の前をルドルフが歩いていると、四人のハンガリー高官が一人ひとり幕の襞から現れ、ルドルフに何やらささやきかけるシーンは、4回の反復が強迫的で恐ろしく、観ていて発狂しそうになりました。歌手の歌を、ダンサーたちがじっとたたずんで聴くシーンは、斬新でとても効果的でしたが、普段オペラの合間にバレエを踊らせれていることに対する腹いせか?舞台装置や衣装も豪華で重厚。貴族たちがずらりと並んだ様子は、それだけで存在感がありました。
 音楽は、フランツ・リストの曲を編曲したものだそうです。彼はハンガリー人で、1811年に生まれ1886年に亡くなっていますが、時代的にも一致しています。ロマンチックな暗さと貴族的なエレガンスがあり、とてもバレエに会ってました。
 う〜ん、ロイヤルのイメージが変わった。さあ、明日は都ちゃんの「ロミオとジュリエット」だ!


英国ロイヤル・バレエ団
「うたかたの恋」
2010年6月23日 東京文化会館

音楽:フランツ・リスト
編曲:ジョン・ランチベリー
振付:ケネス・マクミラン
美術:ニコラス・ジョージアディス
台本:ジリアン・フリーマン

ルドルフ(オーストリア=ハンガリー帝国皇太子):ヨハン・コボー
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(ルドルフの愛人):リャーン・ベンジャミン
ステファニー王女(ルドルフの妻):エマ=ジェーン・マグワイア
オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ(ルドルフの父):クリストファー・サウンダース
エリザベート皇后(ルドルフの母):クリステン・マクナリー
伯爵夫人マリー・ラリッシュ(皇后付きの女官、ルドルフの元愛人):ラウラ・モレーラ
男爵夫人ヘレナ・ヴェッツェラ(マリー・ヴェッツェラの母):ジェネシア・ロサート
ブラットフィッシュ(ルドルフの個人付き御者、人気者の芸人):ジョナサン・ハウエルズ
ゾフィー大公妃(フランツ・ヨーゼフの母):ウルスラ・ハジェリ
ミッツィ・カスパー(ルドルフの馴染みの高級娼婦):ヘレン・クロウフォード
ベイミードルトン大佐(エリザベートの愛人):ギャリー・エイヴィス
四人のハンガリー高官(ルドルフの友人):ホセ・マルティン、ブライアン・マロニー、ヨハネス・ステパネク、アンドレイ・ウスペンスキー
カタリーナ・シュラット(独唱):エリザベス・シコラ
アルフレート・グリュンフェルト(ピアノ独奏):ポール・ストバート
エドゥアルド・ターフェ伯爵(オーストリア=ハンガリー帝国の首相):アラステア・マリオット
ホイオス伯爵(ルドルフの友人):ヴァレリー・ヒリストフ
ルイーズ公女(ステファニーの妹):サマンサ・レイン
コーブルグ公フィリップ(ルイーズの夫、ルドルフの友人):デヴィッド・ピカリング
ギーゼラ公女(ルドルフの姉):オリヴィア・カウリー
ヴァレリー公女(ルドルフの妹):セリサ・デュアナ
ヴァレリー公女の子供時代:ロマニー・パジャク
マリー・ヴェッツェラの子供時代:リャーン・ベンジャミン
ロシュック(ルドルフの従者):ジェームズ・ヘイ
ラリッシュ伯爵:ベネット・ガートサイド
その他、来客、メイド、娼婦、紳士、使用人、侍女など:英国ロイヤル・バレエ団

指揮:バリー・ワーズワース
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

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