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2010/07/15

【バレエ】あのザハロワをもってしても。「椿姫」新国立バレエ

 2007年11月の初演時には観れなかったので、ぽん太は今回が初見です。でも、ぽん太はちと不満catfaceでした。もっとも、ノイマイヤー版も観たこともなければデュマの原作も読んだことがなく、ヴェルディのオペラしか観たことのないぽん太の個人的感想ですが……。新国立劇場の公式サイトはこちらです。
 まず、踊りの動きに新しさがありません。ほとんどが古典的な動きで、目新しい身体の使い方がみられないのです。新作のクラシック音楽を聴きにいって、全編モーツァルトみたいなメロディーと和声だったら、「なんでいまさら」と感じると思うのですが……。
 しかも、それぞれの踊りがみな同じような感じで、古典的な動作で延々と踊り続けるだけなので、だんだん飽きて来ます(妄言多謝)。というか、「椿姫」というドラマにおける登場人物たちの感情の動きが、踊りとして表現されていないのだと思います。確かにダンサーたちが踊りながら浮かべる表情はゆたかで、特にザハロワのうるうるした表情にはぽん太の胸はドキドキしてしまうのですが、肝心の踊りには感情が乏しく、やたらと二人が抱き合う動作ばかりが目につきました。感情表現は、ほとんどマイムの部分に限られているのです。これではバレエではなくて演劇です。感情表現が重要ではない、群舞やキャラクター・ダンスはそれなりに面白く感じられたことからすると、牧阿佐美さんは、踊りで感情を表現するのが苦手なのかもしれません(妄言多謝)。
 アルマンの父が、あまり踊らないのも疑問。第1幕2場で、父がマルグリットに別れるよう言いに来るところはは、もっとも緊迫したドラマティックな場面ですが、父はほとんど踊らず、そのドラマは踊りでは表現されませんでした。最後のマルグリットとアルマン、アルマンの父のパ・ド・トロワも、父がもっと踊らなくては、踊りとしての見所が台無しです。
 音楽はベルリオーズ。いきなり「幻想交響曲」で始まったので、「叶わぬ恋にアヘンで服毒自殺を図った男が、さまざまな夢を見る」というこの曲のテーマと、「椿姫」が交錯していくのかな……などと思いましたが、そんなことは全くなく、ベルリオーズの様々な曲を羅列した感じで、平板で盛り上がりに欠けました。原作のアレクサンドル・デュマ・フィス(1824年〜1895年)と同時代のフランス人作曲家ということで、ベルリオーズ(1803〜1869)を用いたのだそうで、それならそれでいいですが、ではなぜ背景に19世紀末から20世紀初頭の印象派絵画を使ったのか、ぽん太には理解できません。
 舞台美術は美しく立派。そしてザハロワはほんとに素敵だったのですが……。


新国立劇場バレエ
「椿姫」
2010年7月1日 新国立劇場オペラパレス
【振 付】牧 阿佐美
【音 楽】エクトール・ベルリオーズ
【編曲・指揮】エルマノ・フローリオ
【舞台装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリ
【照 明】沢田祐二
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【マルグリット・ゴーティエ】スヴェトラーナ・ザハロワ
【アルマン・デュヴァル】デニス・マトヴィエンコ
【伯爵】ロバート・テューズリー
【デュヴァル卿(アルマンの父)】森田健太郎
【プリュダンス】西川貴子
【ガストン】マイレン・トレウバエフ
【農民】小野絢子  大和雅美 八幡顕光  福田圭吾
【ジプシー】湯川麻美子 芳賀 望
【メヌエット】厚木三杏 吉本泰久
【チャルダッシュ】川村真樹 遠藤睦子 長田佳世 丸尾孝子
【タランテラ】高橋有里 八幡顕光  福田圭吾

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