【バレエ】はまり役!コジョカルの「ジゼル」・東京バレエ団
コジョカルは、昨年の世界バレフェスで「コッペリア」は見たのですが、全幕物は今回が初めてでした。いや〜すばらしかったです!こちらが公式サイトです。
コジョカルのジゼルって、まさにはまり役ですね。細身の身体といい、清楚で愛らしい表情といい、ジゼルのイメージそのままです。家から飛び出して来た姿を見て、ぽん太はたちまち魅了されてしまいました。身体もとてもやわらかく、かつポーズが美しいです。なんていうのか知りませんが、アラベスクから状態をさらに傾けて足を高く上げる動きも、ネコが伸びをするみたいに、普通のダンサーよりさらに一段ぐっと伸びます。ジャンプも高いし、回転やバランスもとても安定しています。そしてなによりも、演技力があります。第一幕のソロでも、単に上手に踊るだけでなく、愛するアルブレヒトに「さあ、次は難しステップを見せるわよ」「どう?すごいでしょ」と、ダンスの端々で話しかけているような感じです。二幕でウィリとなったジゼルが、ゆっくりと舞台に現れ、ミルタの指示で突然コマネズミのようにくるくると回転するところは、「あ〜あ、あの世の人になっちゃったんだな〜」という感じで、ぽん太の好きな場面なのですが、くるくるぴよんぴよん回ってました。リフトされてふわふわと宙を舞う感じもよく出てました。
コボーは悪くないですが、がっちりとした体型で、アルブレヒトというよりヒラリオンという感じ。ビヨンビヨンとジャンプを繰り返すところなど、すごかったですが、こんなに体力があったら、この程度ウィリに踊らされても大丈夫なんじゃないかと思いました。コボーのアルブレヒトはとても実直で、婚約者がいながらもジゼルを本気で愛していたように思われました(その結果どうなるかまでは、考えが及ばなかったわけですが……)。二幕でも、深い後悔と愛を感じました。
後藤晴雄のヒラリオンは、人のよさそうな感じでよかったです。薄ら笑いを浮かべているのがちょっと気になりましたが。アルブレヒトに疑いを抱いているヒラリオンが、現れた村人たちといきなり陽気に踊りだすのはちょっと違和感を感じましたが、東京バレエ団の振付ってこうでしたっけ?田中結子のミルタ、もう少し崇高さが欲しかったですが、悪くなかったです。コールドバレエ陣にも拍手!アラベスクの交差、きれいでしたよ。ウィリ軍団が登場するところで、ベールがすっと引かれる場面がぽん太は好きなのですが、今回はありませんでした。東京バレエ団はいつもこうでしたっけ?井田勝大指揮、東京ニューシティ管弦楽団の演奏も、よかったと思います。
あ〜いいものを観たな〜。今回はコジョカルがメインだったせいか、カーテンコールでは、感極まったおっさんのスタンドアップ・オベーションが目立ち、ちょっと異様な雰囲気でした。
東京バレエ団「ジゼル」
2010年9月8日 ゆうぽうと
振付・演出:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ/L.ラブロフスキー
改訂振付(パ・ド・ユイット):V.ワシーリエフ
音楽:アドルフ・アダン
美術・衣裳:ニコラ・ベノワ
ジゼル:アリーナ・コジョカル
アルブレヒト:ヨハン・コボー
ヒラリオン:後藤晴雄
【第1幕】
バチルド姫:吉岡美佳
公爵:木村和夫
ウィルフリード:柄本弾
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
高村順子-宮本祐宜、乾友子-長瀬直義
佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス):
西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子
【第2幕】
ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣
指揮:井田勝大
演奏:東京ニューシティ管弦楽団
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