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2010/10/17

【歌舞伎】金鯱のごとくきらびやか・御園座の吉例顔見世

 ぽん太とにゃん子は、名古屋の御園座で、歌舞伎を観て来ました。こちらが松竹の公演案内、そしてこちらが御園座の公式サイトです。
 名古屋の御園座は初めてですが、客席も広すぎず、椅子もゆったりしていました。舞台は新橋演舞場などより広いんだそうです。ただ、弁当売場が見当たらず。聞いてみたら、客席内での飲食は禁止で、食事は地下のレストラン外や、近くのお店で済ますのだそうです。ぽん太とにゃん子は、近くできしめんをいただきました。
 もひとつ珍しかったのは、休憩時間ごとに係のお嬢さんが客席にやってきて、勝手に席を移動しているひとを取り締まり、もとの席に誘導していたこと。確かにぽん太とにゃん子も、ちゃっかりいい席に移動して観劇しているっぽいお客さんをしばしば見かけ、二人では「ちゃっかりおじさん」などと呼んでいるのですが、取り締まりを見たのは初めてで、いい悪いは別として、名古屋文化圏の異質性に触れた思いでした。

 さて、演目の感想に移りますが、昼の部は「旭輝黄金鯱」(あさひにかがやくきんのしゃちほこ)の通しがメインで、藤十郎・翫雀の「汐汲」がつきます。
 「旭輝黄金鯱」は、菊五郎の監修により今年の1月に国立劇場で初演されたたものですが、大凧に乗って黄金の鯱の鱗を盗んだという江戸時代の盗賊、柿木金助を主人公としているため、今回名古開府四百年記念として、地元御園座で上演されることになったのだそうです。ぽん太とにゃん子は、国立劇場の時は見なかったので、今回が初見です。
 内容は、御家騒動、出生の秘密、意外な因縁話など、歌舞伎の定番のフル出場で、大凧に乗っての宙乗り、本水を使っての「鯱つかみ」などのけれんもあり、金鯱観世音の滑稽な踊りも楽しめます。楽屋落ちもあり〼。
 菊五郎が、主人公柿木金助で宙乗りもこなし、金鯱観音の一糸乱れぬ千手観音ダンスも披露して大活躍。千手観音は、一階席で見たかったです。菊之助が「鯱つかみ」を演じました。
 歌舞伎フルコースといった演目でしたが、大詰めになってちょっとだれてきた感じもありました。もうちょっとしごころや、ぐっと泣かせる場面なども欲しかったです。

 「汐汲」の藤十郎、遠目に見るととてもかわいらしかったです。

 夜の部最初の「舞妓の花宴」は、時蔵が白拍子姿で踊ります。時蔵はホントに品があって美しいですね。

 次の「伽羅先代萩」は、時間の関係からか「御殿」と「床下」のみで、飯炊きもなし。政岡の藤十郎はさすがの集中力で、登場した瞬間から十二分に気が入っております。しかし見てる方のぽん太は、そんなにすぐに舞台に没入することが出来ず、十分に感情移入する前にクドキになってしまいました。やっぱし「竹の間」があった方がいいな〜。鶴千代の「それ程獄屋へやりたくば政岡が代りにそち行け」や、八汐の「てもマア、よう仕込んだものじゃなあ」も聞きたかったです。
 松緑の初役の仁木弾正が、妖しさ満点でスケールも大きく、好演。

 「身替座禅」は、菊五郎の右京、翫雀の玉の井。菊五郎の右京は何度か見ましたが、何度見てもいいです。あざとく笑いを取ろうとはしないのに、なんともいえぬおかしさがあります。屋敷内の行を勧める千枝と小枝の踊りの最中の憮然とした表情や、花子のもとから戻って来た時の花道の惚けた表情など、絶品です。玉の井にどこに行っていたのか問いつめられて、言いつくろうシーンでは、大須(名古屋にあるお寺)などと言ってサービスしてました。
 翫雀の玉の井も、男っぽく演じて笑わすようなことはせず、ぽっちゃりとして大福餅みたいな可愛らしい奥方でした。
 人間国宝の常磐津一巴太夫の名調子もごちそうでした。

 最後は「弁天娘女男白浪」。これまた何回か観た菊之助の弁天小僧。菊之助は(残念ながら)貫禄が出て来て、男に返ってからの迫力が出てきました。南郷力丸の松緑との掛け合いもよかったです。


御園座
第四十六回吉例顔見世
平成22年10月

昼の部

一、名古屋開府四百年記念
  通し狂言 旭輝黄金鯱(あさひにかがやくきんのしゃちほこ)
  尾上菊五郎大凧宙乗りにて黄金の鯱盗り相勤め申し候

  序 幕(京) 宇治茶園茶摘みの場
         宇治街道の場
  二幕目(尾張)那古野城内大書院の場
         同 天守閣屋根上の場
  三幕目(美濃)笠縫里柿木金助隠家の場
  大 詰(伊勢)御師大黒戎太夫内の場
     (尾張)木曽川の場
         鳴海潟の場

            柿木金助  菊五郎
      乳人園生/金助母村路  時 蔵
            向坂甚内  松 緑
            鳴海春吉  菊之助
           ねりの定八  亀三郎
       太郎作/ころの三蔵  亀 寿
            小田春勝  松 也
              国姫  梅 枝
            娘おみつ  右 近
            山形道閑  亀 蔵
             奴瀬平  権十郎
            腰元関屋  萬次郎
           大黒戎太夫  團 蔵
          石谷歩左衛門  彦三郎
           後室操の前  田之助

二、汐汲(しおくみ)
            蜑女苅藻  藤十郎
             此兵衛  翫 雀

夜の部

一、舞妓の花宴(しらびょうしはなのえん)
          白拍子和歌妙  時 蔵

二、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
  御殿
  床下
            乳人政岡  藤十郎
             沖の井  時 蔵
          荒獅子男之助  翫 雀
            仁木弾正  松 緑
              松島  萬次郎
              八汐  段四郎
             栄御前  田之助

三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
            山蔭右京  菊五郎
            太郎冠者  亀 蔵
            侍女千枝  松 也
            同 小枝  右 近
           奥方玉の井  翫 雀

四、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
  浜松屋見世先の場
  稲瀬川勢揃いの場
         弁天小僧菊之助  菊之助
            南郷力丸  松 緑
            忠信利平  亀三郎
           赤星十三郎  梅 枝
            伜宗之助  右 近
          浜松屋幸兵衛  亀 蔵
            鳶頭清次  権十郎
          日本駄右衛門  團 蔵

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