« 【伝統芸能】仁左衛門の実盛 第37回NHK古典芸能鑑賞会 | トップページ | 【オペラ】重厚だけどなんか地味 キエフ・オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」 »

2010/11/04

【バレエ】楽しいけどね……「ペンギン・カフェ」新国立劇場

 新たに新国立劇場の舞踏芸術監督に就任したデビット・ビントレーのオープニング、「ペンギン・カフェ」を観て来ました。新国立劇場の特設サイトはこちら(たぶんそのうちリンク切れ)。通常の公演案内はこちらです。
 ビントレーは、2年前に「アラジン」を観ましたが、なんか夏休み子供ミュージカルみたいで感心しなかった記憶があります。しかし、ひとたび芸術監督となったからには今後は最低3年間のおつきあい。とりあえずご挨拶に行かねばなりません。
 まずはストラヴィンスキーの「火の鳥」です。ぽん太は音楽は何度もきいてますが、バレエを観るのは初めて……いや、はるか昔に観た記憶が……。なんか黒人のバレエ団だった気がするぞ。赤い火の鳥の衣裳を着た黒人ダンサーがとても美しかった印象があります。ぐぐってみると、1983年のニューヨーク・ハーレムダンス・シアターの来日公演で観ているようですが、詳細不明。こちらのdance theatre of Harlemと同じなんでしょうか。よくわかりません。
 さて、新国立に話しをもどして、まずは「火の鳥」から。今年はこのバレエの初演からちょうど100年目にあたるそうで、ビントレーはフォーキンのオリジナルの振付けを使っているようで、また最後のロシアの街の背景画もオリジナルのデザインだそうです。そのせいか、なんだか古典芸能を観ているような印象を受けます。物語性や美術的な美しさは感じられますが、ダンスはテクニック的にちょっと物足りなかったです。火の鳥も、もっとジャンプしたり、くるくる回ったりして欲しいところです。「火の鳥」の音楽は、ストラヴィンスキーとフォーキンが共同作業をしながら作られたそうで、音楽だけを聴いていると唐突に思える部分も、実は舞台上の動きに対応していたりするそうです。火の鳥を踊ったエリーシャ・ウィリスはちょっと地味な印象。このような振付けだと、ちょっとした動きにゾクッとするような、雰囲気と表現力のあるダンサーの方があっているかも。コールドのリンゴを投げる踊りは、優雅できれいでした。バレエそのものとして楽しむというよりは、「オリジナルの『火の鳥』はこんなだったのか」という感じ。
 続いてバランシンの「シンフォニー・イン・C」。最初少し動きが固い気がしましたが、だんだんとよくなってきた気がします。しかしこの振付けは、ホントによくできてますね。音楽とバレエが見事に対応しています。バイオリンの流れるような旋律にはピルエット、弾むようなパッセージにはジャンプ、そしてトゥッティでは舞台上の全ダンサーが同じ振付けで踊ります。とってもクレバーでスマートなバレエだと思いました。新国立メンバーの踊りも、目を見張るとこまでは行きませんでしたが、悪くなかったです。
 最後はビントレー振付けの「ペンギン・カフェ」。絶滅危惧種の動物たちの着ぐるみが次々と現れ、ダンスを繰り広げます。それぞれの踊りが個性的で、バラエティに富んでいます。動きはあまり斬新なものではなく、見やすく楽しいのですが、あまり知性は刺激されません。なんかアメリカのショーのような印象を受けました。最後は動物たちが嵐のなか逃げ惑い、ノアの箱船に乗り込みます。絶滅危惧種のなかに人間も入っているのがちょっとした風刺か。でも、料理のスパイスに留まっていて、いわゆるメッセージ性はありません。カンガルーネズミの福田圭吾がコミカルなダンスだけどきっちりと踊っていてすばらしく、会場の子供たちも大喜びでした。音楽は、ミニマルのテイストを入れたポピュラーミュジックでした。
 前回観た「アラジン」と同様ショー的なバレエで、「楽しいけどね……」という印象でした。新国立の今後の公演ですが、「シンデレラ」と「ラ・バヤデール」は外人ゲストダンサーがいないのでパス。事業仕分けの影響でしょうか?不要な役員を削らずに、現場の予算を削ってどうするのでしょう?次は「ダイナミック ダンス!」を見に行く予定です。


ビントレーのペンギン・カフェ
同時上演
 バランシンのシンフォニー・イン・C
 フォーキンの火の鳥
[New Production]
Symphony in C
The Firebird
´Still Life´ at the Penguin Café

2010年10月31日 新国立劇場オペラ劇場

<火の鳥>
【振 付】M.フォーキン
【音 楽】I.ストラヴィンスキー
【装 置】D.バード
【衣 裳】N.ゴンチャローヴァ
【照 明】沢田祐二

<シンフォニー・イン・C>
【振 付】G.バランシン
【音 楽】G.ビゼー
【演 出】C.ニアリー

<スティル・ライフ・アット・ザ・ペンギン・カフェ>
【振 付】D.ビントレー
【音 楽】S.ジェフェス
【装置・衣裳】H.グリフィン
【オリジナル照明】J.B.リード

【指 揮】P.マーフィー
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

<火の鳥>
【火の鳥】エリーシャ・ウィリス
【イワン王子】イアン・マッケイ
【王女ツァレヴナ】寺田亜沙子
【魔王カスチェイ】冨川祐樹

<シンフォニー・イン・C>
第1楽章 米沢 唯 菅野英男
第2楽章 川村真樹 貝川鐵夫
第3楽章 厚木三杏 輪島拓也
第4楽章 丸尾孝子 古川和則

酒井はな、厚木三杏、小野絢子、川村真樹、
長田佳世、堀口 純、本島美和、米沢 唯

山本隆之、江本 拓、貝川鐵夫、マイレン・トレウバエフ、
芳賀 望、福岡雄大、古川和則、輪島拓也

<ペンギン・カフェ>
【ペンギン】井倉真未
【ユタのオオツノヒツジ】遠藤睦子/江本 拓
【テキサスのカンガルーネズミ】福田圭吾
【豚鼻スカンクにつくノミ】西山裕子
【ケープヤマシマウマ】古川和則
【ブラジルのウーリーモンキー】吉本泰久
【熱帯雨林の家族】小野絢子/山本隆之

|

« 【伝統芸能】仁左衛門の実盛 第37回NHK古典芸能鑑賞会 | トップページ | 【オペラ】重厚だけどなんか地味 キエフ・オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/49897231

この記事へのトラックバック一覧です: 【バレエ】楽しいけどね……「ペンギン・カフェ」新国立劇場:

« 【伝統芸能】仁左衛門の実盛 第37回NHK古典芸能鑑賞会 | トップページ | 【オペラ】重厚だけどなんか地味 キエフ・オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」 »