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2011/02/14

【舞踏】テーマがいまいち感じ取れず 山海塾「から・み」

 昨年4月にパリ市立劇場で初演された新作「二つの流れ-から・み」を見てきました。公式サイトは……こちらの山海塾のサイトかな?
 題名の「から」は「殻」であって外形的な身体を指し、また「み」は「身」や「実」であって生命を宿す身体を意味し、両者の交換・交流が今回のテーマなんだそうです。ただぽん太は、そのテーマを十分に感じ取ることができませんでした。
 一番最初の「立てること 立つこと」では、ばったりと倒れて硬直した人を木造のように起こして立てる動きがとても面白く、身体に生命が宿ったり失われたりする様子が感じられました。また最後の「二つのリズム」は、題名の通り、手をひらひらさせる踊り手と、それ以外の踊り手との、交換・交流が読み取れました。しかしこの二つ以外では、「から」と「み」の対比や相互作用が感じ取れませんでした。
 「ステージ通信Q Vol.30 2010秋号」に天児牛大のインタビューが載っております。これを読むと、天児の2つのソロの「遠のいていた記憶」と「遠のいていく記憶」は、同じ曲を異なる楽器で演奏した音楽が使われており(最初はグラスハープ、次は二胡と琴)、同じ曲でも楽器が異なると踊りがどう変わるかを味わうものなんだそうです。う〜ん、ちっとも気付かんかった。「から」「み」が感じ取れないのは、ぽん太の感性がにぶいせいかも。
 ぽん太には、セットもいまいちな感じがしました。赤と青の樹木状の図形が描かれた半透明のプレートが、天井から何枚か下がっているのですが、プラスチック系の素材感が、なんか安っぽくて美しくありませんでした。どうせならガラスがビシッと吊り下げられている方が、鋭い素材感があり、落ちたら割れるという緊迫感もあっていいと思うんですが。
 とはいえ、山海塾独特の動きと雰囲気は、十分に楽しむことができました。蟬丸ほかコール・ド・山海塾もよかった。プレートを挟んでの鏡像のような動きも面白かったです。踊り手の中でたった一人だけ、感情や意思といった「心」を表出する権利を持つ天児の踊りもすばらしく、特に二番目のソロが気迫がこもっていました。両手をひらひら動かし続けて踊る「二つのリズム」は、女性的・中国的でかわいかったですが、ちょっとケレンっぽい演目なので、全体の〆に持ってくるのはいかがなものか。
 でも、踊り手たちが年取ったなぁ。体つきがじっちゃんぽくなってきました。それはそれで悪くないですが、若い人も入れてください。


二つの流れ-から・み
KARA・MI - Two Flows

2011年1月30日 世田谷パブリックシアター

演出・振付・デザイン 天児牛大
音楽 加古隆・YAS-KAZ・吉川洋一郎
舞踏手 天児牛大・蝉丸・岩下徹・竹内晶・市原昭仁・長谷川一郎・松岡大・浅井信好
共同プロデュース パリ市立劇場 / 北九州芸術劇場 / 山海塾
初演 2010年4月 パリ市立劇場

1 立てること 立つこと
2 遠のいていた記憶
3 内側の内側は外
4 見えぬ手 立ち現れる想像
5 想像をやぶるものごと
6 遠のいていく記憶
7 二つのリズム

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