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2011/03/24

【歌舞伎自由研究】「女殺油地獄」徳庵堤、野崎観音、天満、北新地

 2月にルテアトル銀座で観た「女殺油地獄」、大阪が舞台のようですが、関東育ちのぽん太は大阪の地理には不案内なので、ゆかりの地を調べてみました。

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 まずは序幕の舞台の徳庵堤。大阪を東から西に流れる寝屋川の、青い印のあたりが徳庵堤ですね。当時は野崎観音(赤い印)にお参りするのに、寝屋川を船で遡っていく方法がありました。船の客と、土手を歩く参拝客が口喧嘩をし、勝つとその年は運がいいと言われておりました。歌舞伎の「徳庵堤」で繰り広げられている口喧嘩がそれで、上方落語の「野崎参り」でも描かれています。ぽん太が野崎観音を訪れた話しは、以前の記事で書きました。
 与兵衛の河内屋とお吉の豊島屋は、ともに天満の油屋という設定です。天満は地図の緑の印のあたりです。豊島屋や油屋が実在した店かどうかはぽん太にはわかりません。
 こちらの文化デジタルライブラリーによれば、「女殺油地獄」は享保6年(1721年)5月4日の夜に起きた殺人事件が元になっており、わずか約2ヶ月後の7月15日に、竹本座で初演されたそうです。その元の事件の詳細も、ぽん太はわかりません。天満で起きた事件だったんでしょうか?
 天満といえば、近松門左衛門が息を引き取った地と言われております。享保9年(1724年)3月21日から22日にかけて、大阪は大火に見舞われ、竹本座や豊竹座も焼失しました。おそらくこの大火をきっかけに、近松門左衛門は天満に移り住んだようです。同じ年の11月22日、近松はこの世を去りました(『近松全集 第17巻』岩波書店、1994年、512ページ)。
 お吉を殺してお金を奪った河内屋与兵衛が遊興にふけるのが「北の新地」。言わずと知れた曾根崎新地(地図の水色の印)で、今でも高級飲食街として有名ですね。Wikipediaによれば(北新地#沿革堂島#沿革)、貞享2年(1685年)に河村瑞賢が曽根崎川を改修して堂島に新地を開発。江戸幕府は振興策として茶屋の設営を許可したため、北の遊里・北の色里などと呼ばれる繁華街になったそうです。その後、堂島に米市場が移転してきたのに伴い、遊里のほとんどは、宝永5年(1708年)に曽根崎川の北対岸に拓かれた曽根崎新地に移ったのだそうです。上に書いたように「女殺油地獄」の初演は1721年ですから、できてからわずか十数年の新しいプレイ・スポットだったんですね。曽根崎川は別名蜆川とも呼ばれましたが、明治42年(1909年)の北の大火(天満焼け)をきっかけに徐々に埋め立てられ、現在はなくなってしまいました。このあたりの事情は、こちらのサイト(消えた北の新地・蜆川1 - 十三のいま昔を歩こう)が詳しく、明治時代の写真なども多数アップされております。
 ちょっと気になるのは、ルテアトル銀座の公演の筋書きに、「新町の花屋の抱えの芸者である小菊」と書いてあること。「新町」というと、大阪市西区新町の新町遊郭のこと?なんかの間違いかしら。
 『近松全集 第12巻』(岩波書店、1990年)によると、「北の新地の料理茶屋。主なけれど咲く花屋」(129ページ)となっておりますから、やはり「北新地」のようです。ところが別の所を見ると、「小菊に逢瀬の田の面の雁よ新町の」(193ページ)と「新町」になってます。あれれ?しかしその続きの文句は、「花を見捨てて蜆川ふしの花屋にたどりよる」ですから、蜆川ということはやはり「北新地」?「新地」のことを「新町」とも言ったのでしょうか?ここから先はもうぽん太にはわかりません。

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