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2011/07/26

【バレエ】『ブラック・スワン』の……。アメリカン・バレエ・シアター《オープニング・ガラ》

 ついにやってきたABT!うれしいな。まずはオープニング・ガラ。見せ場を並べただけ、という感じではなく、全体がショーとして楽しめるように、よく考えたプログラムでした。さすがエンターテイメントの国、アメリカ!途中で眠くならないように、あらかじめ昼寝をしておきました。こちらが公式サイトです。
 まずは《アレグロ・ブリランテ》。初めて観る演目です。ってゆ〜か、チャイコフスキーのピアノ協奏曲「第3番」というのがあるのを初めて知りました。一曲だけかと思っていた。2番と3番は聴いたことがなかったが、よっぽどの駄作なんでしょうか?ひょっとしてヴァイオリン協奏曲も?これはさすがに一曲だけのようです。
 で、バレエに戻ると、バランシンらしいペアとコールドの抽象的でスピーディーなダンス。つないだ腕をくぐっていく動きもありました。ペアはヘレーラとスターンズ。あっと驚くところはありませんが、先鋒として盛り上げます。
 次の《トロイカ》では、シムキン君登場。そしてもうひとつの目玉は、振付けが、あのベンジャミン・ミルピエであること。そう、映画『ブラック・スワン』の振付けを担当した人ですね。
 ベンジャミン・ミルピエはニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパル(→こちら)で、振付家でもありますね。フランス人だそうですから、本当は「バンジャマン」と読むべきでしょう。『ブラック・スワン』の主演女優ナタリー・ポートマンと、2010年12月27日に「できちゃった婚約」を発表し、2011年6月14日に男の子を授かったそうですが、「結婚」の文字がちょっとネット上に見当たりません。
 ゴシップネタが続いて恐縮ですが、『ブラック・スワン』でナタリーのダンスシーンの代役を務めたのがABTのサラ・レイン。今回も来日していますが、オープニング・ガラには出てませんね。いったいナタリーが実際にどれくらいを踊ったのかが話題になっております。たとえばこちらの記事(『ブラック・スワン』代役騒動は泥沼化!関係者は大嘘つき!?/2011年4月18日 MovieWalker)によれば、ナタリーは大部分のシーンを自分が踊ったと主張しておりますが、サラは、ナタリーが踊ったのは5%に過ぎず、自分のボディにナタリーの顔をデジタル合成したと言ってるそうです。ちなみにミルピエは、ナタリーが85%踊ったと擁護しているそうです。
 ゴホン、ま、どうでもいいですけど、本題に戻りまして、《トロイカ》の振付けはあんまり面白くありませんでした。なんか日本でいうと、コンビニの前にたむろしている高校生という感じ。シムキン君のキュートさが生きておりません。もちろん、三人のなかではずば抜けて動きがよかったですが。一人を他の二人がリフトするというか、ブランコのように揺らす動きに少しおもしろいところもありましたが、なんか退屈でした。舞台上で辻本玲がチェロを演奏。売り出し中のチェリストのようですね(こちらが公式サイト)。
 ≪くるみ割り人形≫のグラン・パ・ド・ドゥは、男女の体格のアンバランスに注意が釘付け。男性に比べて女性が大きすぎて、リフトが重そうだし、抱え上げても高さがありません。パールトが舞台左手前から対角線上に走って行ってジャンプし、ハムーディが受け止めるところでは、右奥で待っていてるハムーディが、「まじかよ」とビビっているように見えました。何かのいじめか罰ゲームでしょうか?
 ちょと会場を笑わせておいて、本命の登場。レイエスとカレーニョの《ディアナとアクテオン》です。2009年の世界バレフェスでも見ましたが、カレーニョのあたり役ですね。
 「ディアナとアクテオン」というのは、ギリシア神話の物語で、猟犬を連れて狩りをしていたアクテオンが、水浴び中のディアナの裸を見てしまったために、彼女によって鹿に変えられてしまい、自分の飼い犬に食い殺されたという話しです。バレエではその食い殺されるあたりはでてきませんが、力強いアクテオンと美しいディアナのパ・ド・ドゥです。
 カレーニョはお腹にほどよく脂がのり、ジュニアヘビー級の体格。43歳のおじさんとは思えない、力強くダイナミックな踊りは迫力満点で、まさにギリシア神話から抜け出て来たみたい。やっぱりジャンプ力は落ちて来たかな〜と思わせておいて、フィナーレで見せた身体を反らせての連続ジャンプは、高さもあり、とても大きく見えました。回転もすごい。対するレイエスも、軽くて柔らかくも安定感がありました。2008年の『海賊』でギュリナーラを踊った時のキレのよい踊りが、ぽん太の印象に残っています。驚いたのが、レイエスのピルエットをカレーニョが両手でぐるぐる回し続け、最後は片手で廻し続ける技。初めて見ました。
 次いで、「ルグリ」で見たばかりの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」。何といっても笑顔が素敵なコレーラの踊りがすばらしかったです。表現力が豊かなだけでなく、とてもスピーディーで、ピルエットの途中でジャンプを交えたりしてました。ボイルストンも笑顔が魅力的なダンサーですが、ピルエットの最後でちょっとふらついたのはご愛嬌。
 ケントとゴメスの「椿姫」は、第3幕<黒>のパ・ド・ドゥ。雰囲気あふれる大人の逸品で、先日「ルグリ」で見た第2幕のパ・ド・ドゥのどこがどうなればこれにつながるのか、全幕を見たことないぽん太にはわかりません。
 最後の「THIRTEEN DIVERSIONS」は、光の演出がとても美しかったです。
 さすがABT、ガラ公演でもオケの生演奏でした。演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。最後のブリテンなど、珍しい曲をご苦労様でした。


アメリカン・バレエ・シアター(ABT)
オープニング・ガラ
2011年7月21日
東京文化会館

≪アレグロ・ブリランテ≫
振付:ジョージ・バランシン/舞台指導:ダーラ・フーヴァー/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー〔ピアノ協奏曲第3番〕
衣裳:カリンスカ/衣裳再飾:ヘイディー・モラレス
パロマ・ヘレーラ   コリー・スターンズ
メラニー・ハムリック,シモーン・メスマー,ルシアナ・パリス,ヒー・セオ,グラント・デロング,ロディー・ドーブル,ジョセフ・フィリップス,エリック・タム
指揮: デイヴィッド・ラマーシュ
ピアノ: バーバラ・ビラック

≪トロイカ≫
振付:ベンジャミン・ミルピエ/音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ〔無伴奏チェロ組曲第2番・第3番より〕/衣裳:ポール・コックス
トーマス・フォースター   ダニール・シムキン   サッシャ・ラデツキー
チェロ: 辻本 玲

≪くるみ割り人形≫のグラン・パ・ド・ドゥ
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
衣裳:リチャード・ハドソン/助手:ジャスティン・アリエンティ、マウリツィオ・エロリアーガ
ヴェロニカ・パールト   アレクサンドル・ハムーディ
指揮: デイヴィッド・ラマーシュ

≪ディアナとアクテオン≫
振付:アレグリッピーナ・ワガーノワ/舞台指導:ルドルフ・ヌレーエフ/音楽:チェーザレ・プーニ/編曲:ジョン・ランチベリー
シオマラ・レイエス  ホセ・マヌエル・カレーニョ
指揮: デイヴィッド・ラマーシュ

≪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ≫
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
イザベラ・ボイルストン   アンヘル・コレーラ
指揮: オ-ムズビー・ウィルキンズ

≪椿姫≫ 第3幕<黒>のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/舞台指導:ケヴィン・ヘイゲン、ヴィクター・ヒューズ/音楽:フレデリック・ショパン/衣裳:ユルゲン・ローズ
ジュリー・ケント   マルセロ・ゴメス
ピアノ: イーゴリ・シェヴツォフ

≪THIRTEEN DIVERSIONS≫
振付:クリストファー・ウィールドン/音楽:ベンジャミン・ブリテン(≪ディヴァージョンズ≫より)/衣裳:ボブ・クローレイ
ジリアン・マーフィー      ヒー・セオ
デイヴィッド・ホールバーグ   コリー・スターンズ
マリア・リチェット       シモーン・メスマー
ジャレット・マシューズ     アレクサンドル・ハムーディ
ユン・ヨン・アン,ジェンマ・ボンド,メラニー・ハムリック,イザドラ・ロヨラ,ルシアナ・パリス,クリスティーン・シェヴチェンコ,デヴォン・トウシャー,リアン・アンダーウッド,フリオ・ブラガド=ヤング,グレイ・デイヴィス,グラント・デロング,ロディー・ドーブル,ケネス・イースター,ジョセフ・ゴラック,ブレイン・ホーヴェン,アイザック・スタッパス
【テーマ】-【ヴァリエーション1.レシタティヴ】-【ヴァリエーション2.ロマンス】-【ヴァリエーション3.行進曲】-【ヴァリエーション4.ルバート】-【ヴァリエーション5.コラール】-【ヴァリエーション6.夜想曲】
【ヴァリエーション7. バディヌリ】【ヴァリエーション8.リトミコ】-【ヴァリエーション9a.トッカータⅠ】-【ヴァリエーション9b.トッカータⅡ】-【ヴァリエーション10.アダージョ】-【ヴァリエーション11.タランテラ】
指揮: オ-ムズビー・ウィルキンズ

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