« 【歌舞伎】仁左衛門のこんな本格的な三味線を聴けるとは・2011年7月松竹座昼の部 | トップページ | 【歌舞伎】父の真似を超えつつある勘太郎・2011年8月新橋演舞場第三部 »

2011/08/20

【バレエ】バレエなんだもんね・オーシポワの「ロミオとジュリエット」アメリカン・バレエ・シアター(ABT)

 観てからだいぶ時間がたってしまいました……。公式サイトはこちらです。
 体操選手顔負けの身体能力を持つオーシポワちゃんが、いったいどんなジュリエットを踊るのか。まさかバルコニーシーンでロミオそっちのけでがんがん踊りまくったりして。期待でワクワクしながら観に行きました。
 ジュリエットの登場シーンは、普通は子供こどもした感じでチョコマカと踊り、あら可愛いわね〜となるところですが、オーシポワのジュリエットは踊りにキレがあって大きいです。をゝ、何か違和感が。
 でも、見てるうちにだんだんと見慣れてきました。オーシポワだけでなく、ほかのダンサー全員がスタイルがよくて、テクニックも抜群。ハイレベルな踊りが、ABTのデフォルトというか、小説でいえば文体みたいなものに思えてきました。
 そういえば、この『ロミオとジュリエット』って、演劇じゃなくてバレエなんだもんね。「感動」をいう前に、踊りとしておもしろくなくちゃ本末転倒ですよね。でもテクニック眼が行って客観的に見てしまう分、ドラマへの主観的な感情移入が浅くなってしまったのも事実です。まあ仕方ないか……。
 オーシポワの演劇的な表現力もすばらしかったです。また、背中がとっても柔らかいですね。アラベスクから上体を前傾して脚を垂直に180度開いたとき(正式名称不明?)、とても脚が長く見えます。またまわりのダンサーがみな背が高かったので、オーシポワが小さく見えました。
 ホールバーグのロミオ、美男子です。
 演出は、先日見た新国立と基本的に同じだったので、マクミラン版のようですね。ティボルトがマキューシオを刺すところは、偶然ぶつかって刺してしまったようにぽん太には見えたのですが、にゃん子はそうじゃなかったというので、定かではありません。ジュリエットの手紙がロミオに届かないという下りはやっぱりナシ。
 ロミオとジュリエットが結婚式をあげる教会が意外とみすぼらしく、また粗末な服装の修道士が式を執り行ったのにはちょっとびっくりしました。普通は建物はもっと豪華で、僧ももっと司祭っぽい整った服装をしている気がします。
 原作を読み返してみると、僧ロレンスはフランシスコ派の修道僧となっております。ぽん太の頭のなかでは、修道僧というものは修道院で隠遁生活を行っている人たちであって、ちまたの教会で結婚式を執り行ったりはしないと思ってたのですが。むむむ、よくわからん。
 Wikipediaを見てみると、広義の「修道士」は、「修道誓願を立て禁欲的な信仰生活をする人」であって、必ずしも修道院にいる必要はなく、また司祭になることもできるようです。『ロミオをジュリエット』の舞台となっているヴェローナの当時(いつだか知りませんが)の教会制度がどうなっているのか、あるいはシェイクスピアがこの劇を書いた16世紀末のイギリスの教会制度はどうだったのか、ぽん太の知識の及ぶ範囲ではないので、宿題にしておきたいと思います。
 演奏は東京シティ・フィルハモニック管弦楽団。先日の飯森泰次郎指揮、マルケヴィチ版によるベートーヴェンの「運命」の名演が記憶に残っておりますが、「ロミジュリ」も重厚な迫力ある演奏でした。でも何回か金管がよれたのは残念。一流のバレエ団だったらいいですけど、「超」一流のバレエ団の伴奏の場合は、音をはずさないで欲しいものです。


アメリカン・バレエ・シアター
《ロミオとジュリエット 》
2011年7月28日
東京文化会館

振付 : ケネス・マクミラン
音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
原作 : ウィリアム・シェイクスピア
台本 : セルゲイ・プロコフィエフ/セルゲイ・ラドロフ
装置・衣裳 : ニコラス・ジョージアディス
照明 : トマス・スケルトン
指揮 : オームズビー・ウィルキンズ
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ロミオ : デイヴィッド・ホールバーグ
ジュリエット : ナターリア・オーシポワ
マキューシオ(ロミオの友人) : ジャレット・マシューズ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥) : アイザック・スタッパス
ヴェンヴォーリオ(ロミオの友人) : ブレイン・ホーヴェン
パリス(ジュリエットの婚約者) : サッシャ・ラデツキー
キャピュレット卿夫人 : クリスティー・ブーン
キャピュレット卿 : ロマン・ズービン
ヴェローナの大公 : アレクセイ・アグーディン
ロザライン : カレン・アップホフ
ジュリエットの乳母 : スーザン・ジョーンズ
ローレンス神父 アレクセイ・アグーディン
モンタギュー卿夫人 : エリザベス・マーツ
モンタギュー卿 : ヴィタリー・クラウチェンカ
3人の娼婦 : ルシアナ・パリス、ステラ・アブレラ、メラニー・ハムリック
ロザラインの友人 : リーアン・アンダーウッド
ジュリエットの友人 : ジェマ・ボンド、イザベラ・ボイルストン、カロリーヌ・デュープロー、
 ニコール・グラニェロ、クリスティーン・シェフチェンコ、キャサリン・ウィリアムズ
マンドリンの踊り : ジャレット・マシューズ、フリオ・ブラガド=ヤング、ジョセフ・ゴラック、
 ジョセフ・フィリップス、アロン・スコット、ショーン・ステュアート
舞踏会の客/街の人々 ユン・ヨン・アン、ジェマ・ボンド、イザベラ・ボイルストン、ニコラ・カリー、カロリーヌ・デュープロー、
 ツォン・ジン・ファン、エイプリル・ジャンジェルーソ、ニコール・グラニェロ、
 ミーガン・ヒンキス、ジェイミー・コピット、イサドラ・ロヨラ、エリザベス・マーツ、
 エリーナ・ミエッティネン、レナータ・パヴァム、ローレン・ポスト、ケリー・ポッター、
 ジェシカ・サーンド、クリスティーン・シェフチェンコ、サラ・スミス、デヴォン・トイシャー、
 メリー・ミルズ・トーマス、カサンドラ・トレナリー、リーアン・アンダーウッド、
 ルシアナ・ヴォルトリーニ、ジェニファー・ウェイレン、キャサリン・ウィリアムズ
 スターリング・バーカ、フリオ・ブラガド=ヤング、グレイ・デイヴィス、グラント・デロング、
 ロディー・ドーブル、トビン・イーソン、ケネス・イースター、トーマス・フォースター、
 ジェフリー・ガラデイ、ジョセフ・ゴラック、アレクサンドル・ハムーディ、ミハイル・イリイン、
 ヴィタリー・クラウチェンカ、ジョセフ・フィリップス、ルイス・リバゴルダ、
 カルヴィン・ロイヤル、アロン・スコット、ホセ・セバスティアン、ショーン・ステュアート、
 エリック・タム

|

« 【歌舞伎】仁左衛門のこんな本格的な三味線を聴けるとは・2011年7月松竹座昼の部 | トップページ | 【歌舞伎】父の真似を超えつつある勘太郎・2011年8月新橋演舞場第三部 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/52340172

この記事へのトラックバック一覧です: 【バレエ】バレエなんだもんね・オーシポワの「ロミオとジュリエット」アメリカン・バレエ・シアター(ABT):

« 【歌舞伎】仁左衛門のこんな本格的な三味線を聴けるとは・2011年7月松竹座昼の部 | トップページ | 【歌舞伎】父の真似を超えつつある勘太郎・2011年8月新橋演舞場第三部 »