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2011/10/06

【歌舞伎】情感あふれる藤十郎の『新口村』2011年9月新橋演舞場昼の部

 なんか雑事が多くで、ブログを書くひまがありません。だいぶ記憶が薄れてしまいましたが、新橋演舞場9月の昼の部です。こちらが公式サイトです。
 最初は『舌出三番叟』。滑稽な祝祭舞踊ですが、染五郎の三番叟は、柔らかさや滑稽さがいまひとつで、ちょっと物足りなかったです。千歳の歌昇の方が、しなやかで色気が感じられました。
 お次ぎは『新口村』。藤十郎が4月に演じた『封印切』の続きですね。ここのところぽん太は、歌舞伎を観に大阪に足を運ぶことが多くなり、大阪の街になじんできました。そのせいか、藤十郎の関西風の演技のよさがわかるようになってきたようです。藤十郎の忠兵衛、ホントに感動いたしました。平成19年10月に歌舞伎座で観た時は、こんなに感動しなかったんですが。
 死ぬ前にひと目父親に会っておきたい、しかしそのことで父に難儀がかかってはいけないし、養い親への義理も立たない。限界まで張りつめた葛藤を柔らかな「情」で表現する味わいは格別です。小屋の小さな窓から見える顔と手。これという動作をしているわけではないのに、さまざまな感情が伝わってきます。福助の梅川も、義父となるはずだった孫右衛門へのやさしさがにじみ出てました。歌六の孫右衛門、花道からの登場の姿がすばらしかったです。降りしきる雪のなか、息子を案じつつ、老いた体でとぼとぼと歩く姿には、いとおしさがこみ上げてきました。ぽん太の脳内では、新橋演舞場の客席が、一面雪に覆われた野原となったように思われました。吉弥の忠三郎女房は、情で流れて行くドラマのなかで、きっちりアクセントとして納まっていました。
 『寺子屋』は又五郎の武部源蔵。足をギプスで固定しているようで、動きの少ない演出でした。悪くはなかったですが、何か凄い特徴がある、という感じはしませんでした。そういう意味では、吉右衛門の松王丸の方にやはり目が行きました。前半の大きさと迫力、後半でのうってかわって子を思う父親としての心情、どちらも見事でした。歌昇の涎くりが、そこらのコンビニにたむろしている中学生みたいで面白かったです。
 『勢獅子』は鳶頭らによるイナセな踊りで、又五郎、歌昇の襲名を祝い上げました。伴奏は人間国宝の一巴太夫らの常磐津。こういう威勢のいい常磐津もあるんですね。


新橋演舞場
秀山祭九月大歌舞伎
中村歌 昇改め 三代目 中村又五郎襲名披露
中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露
平成23年9月14日

昼の部

  再春菘種蒔
一、舌出三番叟(しただしさんばそう)
                 三番叟       染五郎
                  千歳  種太郎改め歌 昇

  恋飛脚大和往来
二、新口村(にのくちむら)
                 忠兵衛       藤十郎
                  梅川       福 助
               忠三郎女房       吉 弥
                孫右衛門       歌 六

  菅原伝授手習鑑
三、寺子屋(てらこや)
                 松王丸       吉右衛門
                  千代       魁 春
                  戸浪       芝 雀
              涎くり与太郎  種太郎改め歌 昇
                 菅秀才       玉太郎
                百姓吾作       由次郎
                園生の前       福 助
                春藤玄蕃       段四郎
                武部源蔵  歌 昇改め又五郎

四、勢獅子(きおいじし)
                鳶頭鶴吉       梅 玉
                鳶頭雄吉  種太郎改め歌 昇
                  鳶頭       松 江
                  鳶頭       亀 寿
                  鳶頭       種之助
                 手古舞       米 吉
                 手古舞       隼 人
                 手古舞       歌 江
                鳶頭亀吉       松 緑

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