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2011/10/25

【バレエ他】勇気づけ鼓舞するギエムのボレロ「HOPE JAPAN」東日本大震災復興支援チャリティ・ガラ

 この日は新国立オペラの「サロメ」の予定が入っていたので諦めていたのですが、ギエムが封印していた「ボレロ」を踊ると聞いてどうしても観たくなり、調べてみたところ昼の「サロメ」のあとなんとかハシゴできそうだったので、急遽チケットを取りました。一般発売直後にS席を押さえたのですが、買ったばっかりのスマホの操作に慣れず、購入するのに30分かかってしまってあえなく撃退。最初から取り直してなんとかE席を確保しました。バレエにしろオペラにしろ来日中止があいつぐなか、チャリティ公演を開いてくれたギエムやルグリには、ホントに頭が下がる思いです。こちらが公式サイトです。
 まずは東京バレエ団による「現代のためのミサ」。ミサということで震災つながりなのかもしれませんが、ベジャールにしては、なんかあんまりインスピレーションを感じられない振付けで、正直おもしろくありませんでした。
 次に、英国ロイヤル・バレエ団の創設者であるニネット・ド・ヴァロワの二篇の詩が朗読されました。朗読したのはアンソニー・ダウエルで、なんでも20世紀を代表するダンサーのひとりで、のちに同バレエ団の芸術監督もつとめた人だそうです。特に「満ち足りた幽霊」では、日本人とイギリス人の死者に対する思いに違いがないんだな〜と思いました。当日の会場に集まった人達の多くはバレエファンだったと思うのですが、詩の朗読が持つ言葉の力にみな深い感銘を受けていたようでした。
 「ルナ」は、アルトーの「ヘリオガバルス」に触発されてベジャールが振付けた作品で、「月」を描いたソロだそうです。静謐で祈りのようなバレエで、ギエムの一挙一動に被災者や犠牲者に捧げる気持ちが感じられました。ギエムの動きはほんとうに美しいです。
 ムッルの「アルルの女」は、草刈民代の引退公演で観た記憶があります。震災との関係は不明ですが、気迫あふれる踊りでした。
 次の「火の道」は一転して邦楽の世界で、横笛と太鼓による音楽にのせて舞いをまうというもの。音楽はそれなりに面白く、とくに太鼓は迫力がありましたが、舞いはいまいちで、あまり迫力がありませんでした。
 ルグリの「ダンス・組曲」も、2008年のエトワール・ガラで観た演目。バッハのチェロ組曲にのせて、はじめは簡単なステップから、次第に複雑な踊りへと高まっていきます。ときにはユーモラスで、さりげない動きに豊かな表現力が感じられます。ルグリ先生、ありがとう!
 藤村実穂子の歌で「十五夜お月さん」などの日本歌曲をしみじみと聞く。
 で、いよいよ最後はギエムの「ボレロ」です。ギエムが「最後のボレロ」と銘打った公演(その公式サイトはこちら)を行って、日本での「ボレロ」を封印したのが2005年。2009年のベジャール追悼公演(そのときの公式サイトはこちら)で一度封印を解き、ぽん太も「ギエムのボレロ」を観ることができました。今回は東日本大震災のチャリティということで、ギエムが再び封印を解いてくれました。秘儀的なエロティシズムよりも、健康的な力強さを感じる踊りで、「リズム」の男性ダンサーたちを勇気づけ、鼓舞しているように感じられました。
 すばらしい公演をありがとう。ギエムや、参加してくれたほかのアーティストたちに、心から感謝したいと思います。


東日本大震災復興支援チャリティ・ガラ 
HOPE JAPAN
10月19日 東京文化会館

【第1部】
「現代のためのミサ」より"ジャーク"(バレエ「ダンス・イン・ザ・ミラー」より)
「ピエール・アンリ音楽/モーリス・ベジャール振付
東京バレエ団

ニネット・ド・ヴァロワによる詩「満ち足りた幽霊」「子どもの言うには・・・」
朗読:アンソニー・ダウエル

「ルナ」
ヨハン・セバスチャン・バッハ音楽/モーリス・ベジャール振付
シルヴィ・ギエム

「アルルの女」より
ジョルジュ・ビゼー音楽/ローラン・プティ振付
マッシモ・ムッル

「火の道」
舞踊:花柳壽輔  横笛:藤舎名生  太鼓:林英哲

【第2部】

「ダンス組曲」より
ヨハン・セバスチャン・バッハ音楽/ジェローム・ロビンズ振付
マニュエル・ルグリ  チェロ:遠藤真理

「十五夜お月さん」「五木の子守唄」「シャボン玉」「赤とんぼ」「さくらさくら」
歌:藤村実穂子

「ボレロ」
モーリス・ラヴェル音楽/モーリス・ベジャール振付
シルヴィ・ギエム  東京バレエ団
指揮:アレクサンダー・イングラム
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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