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2011/10/22

【オペラ】迫力の大合唱『イル・トロヴァトーレ』新国立オペラ

 『イル・トロヴァトーレ』というのは、ぽん太は初めて耳にした題名ですが、公演の特設サイトを開いてみると、どこかで聞いたことのある、金床をカッチンカッチン鳴らしながら歌う大合唱が流れてきました。こ、これはぽん太がガキの時分、友だちと「あんみつ・コーラ」などと言ってふざけていた曲ではないか。正式にはアンヴィル・コーラス(Anvil Chorus)というらしい。ちなみにこちらがその特設サイトですが、そのうち消えるかと思われます。公式サイトはこちらです。
 先日聞いた『ローエングリン』の初演が1850年、『イル・トロヴァトーレ』は1853年。ほとんど同時期の作品ですが、なんかヴェルディの方が古風に感じられます。
 あらすじは、まるで歌舞伎のような「先祖の因果が子に報い」みたいな話しで、実の兄弟(兄ルーナ伯爵と弟マンリーコ)がそれとは知らず、一人の女性を廻って争い、ついには殺し合いにまで発展します。運命の糸を操るのは貧しいジプシー女のアズチェーナ。兄弟の父親によって母親を火あぶりにされた仕返しに、マンリーコをさらって焚き火に投げ込んで殺そうとしますが、なぜかその瞬間に突然錯乱して自分の実の息子を焼き殺してしまいます。自分のしでかしたことに呆然とする彼女は、マンリーコを実の子供として育てます。それもいじめるわけでもなく、けっこう愛情豊かに育てているようで、アズチェーナはマンリーコを頼りにしている様子がうかがえます。マンリーコの方もアズチェーナを母として愛しているようで、母の危機を知ったマンリーコが、愛するオノーラを置いて母を救いに行くのはご存知のとおり。
 このあたりの人間関係はなんか理屈にあわず、筋が通っていませんが、そこがさまざまな解釈を生み出し、多くの人からこのオペラが愛された所以かも。
 ところで「吟遊詩人」と聞いて、ぽん太は恋多き伊達男を想像しておりましたが、筋骨たくましい武人なんですね。
 ウルリッヒ・ペータースの演出は、「死の象徴」である男優が、最初から最後まで舞台上にいるというものですが、なんか凝りすぎかも。
 歌手ではアズチェーナ役のアンドレア・ウルブリッヒが、この複雑な人物像を母親・女の情動の上に描ききって好演。レオノーラのタマール・イヴェーリとマンリーコのヴァルテル・フラッカーロもよかった気がしますが、もう忘れてきてしまいました。フェルランドの妻屋秀和が、あいかわらずの豊かな喉を聞かせてくれました。「あんみつ・コーラ」の大合唱も迫力満点でした。


イル・トロヴァトーレ
ジュゼッペ・ヴェルディ/全4幕
Giuseppe Verdi : Il Trovatore
2011年10月5日 新国立劇場オペラ劇場
[New Production]

【指 揮】ピエトロ・リッツォ
【演 出】ウルリッヒ・ペータース
【美術・衣裳】クリスティアン・フローレン
【照 明】ゲルト・マイヤー

【レオノーラ】 タマール・イヴェーリ
【マンリーコ】 ヴァルテル・フラッカーロ
【ルーナ伯爵】 ヴィットリオ・ヴィテッリ
【アズチェーナ】アンドレア・ウルブリッヒ
【フェルランド】妻屋秀和
【イネス】小野和歌子
【ルイス】鈴木 准
【老ジプシー】タン・ジュンボ
【使者】渡辺文智

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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