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2011/11/29

【歌舞伎】桜席に興味津々!2011年11月平成中村座夜の部

 平成中村座の仮設劇場、今回は桜席を取ってみたのですが、興味津々でした。本公演の公式サイトはこちら、平成中村座の特設サイトはこちらです。
 桜席というのは、二階の左右の一番前の方の席ですが、なんと幕の内側の舞台の袖のところに位置します。幕の内側ですから、幕が閉まった状態で、道具方さんがセットを造りかえているところや、舞台が終わって役者さんが引き上げて行くところも見ることができます。
 道具方に女性がいることも初めて知りました。また大道具さんが幕間に、幕を吊っている留め金が外れていたのをたちどころに直していました。何でもできるんですね。
 「猿若江戸の初櫓」では、囃子方の上下は座布団の上に置いてあって、舞台に出来ててから着用してました。ふだん前から見ていると分からない、踊りの前後の動きがよく見えました。背景が開いたとき、桜席の角度からだと後ろをジョギングしている人が見えて面白かったです。ジョギングしていた人もびっくりしたことでしょう。幕が閉まると、勘太郎ら役者陣が、囃子方に「ありがとうございました」とお辞儀をして帰って行きました。
 「沼津」では、真下にいた義太夫さんの譜面(?)が見えました。言葉はとっても大きい字で書いてありました。その横に小さく書かれている記号みたいなのは、節まわしでしょうか。また、途中から義太夫が入るところでは、その前の役者さんのセリフが書き込んであったりしました。雲助平作宅では、一番奥の人が家のセットで芝居が見にくいため、幕側に補助椅子を置いて座席ひとつ分ずつずれて観劇いたしました。「沼津」のラストでは、幕と同時に座席の前に黒い幕が降りて来て、桜席からも舞台が見えなくなりました。悲しい結末のあと、「や、どうもご苦労さん」みたいな感じで役者が引き上げて行くのを見て感動が薄れないようにするための、配慮でしょうか。
 「弁天娘女男白浪」では、額を割られた弁天小僧菊之助が後ろを向いているあいだ、額に傷をつけているだけだと思っていたのですが、化粧全体を直しているのを初めて知りました。カツラも一回外してかぶり直してました。お嬢様風のメイクから、美男の悪党風のメイクに変えているのだと思います。

 さて芝居の感想ですが、「沼津」の勘三郎の演技がすばらしかったです。昼の部の感想では「完全復調とは言い難い」みたいに書いたのですが、どうしてどうして、今日の演技は動きといい、表情といい、間の取り方といい、最高でした。本物のおじいさんのように目がしょぼしょぼしてて、口のなかの舌の動きまで役を演じておりました。荷物を担ごうとしたら意外と重くて、笑ってごまかしながら呉服屋十兵衛を見ているときの表情と間は、大笑いをしてしまいました。だって桜席だと、勘三郎の表情を正面から見ることになるんですもん。もちろん泣かせどころの素晴らしさは当たり前。
 呉服屋十兵衛は仁左衛門。以前に吉右衛門で観たことがありますが、持ち前の明るさのせいで、お米に一目惚れして家まで押し掛けるあたりに色っぽさがありませんでした。仁左衛門だと、こうしたところが色っぽて自然でした。
 「弁天娘女男白浪」では、男に戻ってからの七之助が、身体の線が細いせいか逆に侠気があって颯爽としていてよかったです。ただ七之助も勘太郎も、黙阿弥の名調子で客を酔わせるにはまだまだか。
 


平成中村座 十一月大歌舞伎
平成23年11月24日
夜の部

一、猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)
              猿若  勘太郎
           出雲の阿国  七之助
          奉行板倉勝重  彌十郎

二、伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)
  沼津
          呉服屋十兵衛  仁左衛門
              お米  孝太郎
            池添孫八  彌十郎
            雲助平作  勘三郎

三、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
  浜松屋より勢揃いまで
         弁天小僧菊之助  七之助
            南郷力丸  勘太郎
           赤星十三郎  新 悟
         浜松屋伜宗之助  国 生
            忠信利平  彌十郎
          日本駄右衛門  橋之助

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