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2011/12/28

【温泉】レトロな木造建築と天然鮎の料理が魅力・瀬見温泉「喜至楼」(★★★★★)(山形県)

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 10月中旬、栃木県の奥鬼怒を旅したぽん太とにゃん子は、そのまま一気に山形県は瀬見温泉の旅館・喜至楼に足を伸ばしました。「栃木県から山形県に足を伸ばすなんて、伸ばし過ぎやろ!」とツッコミたくなるかと思いますが、その陰には聞くも憐れな物語があるのです。まあ、聞いてくらはい。
Img_0616 テレビを見ていると、東北の被災地への旅行に対して、東京都が一泊3000円の補助金を出すというニュースが。でも旅行社で扱っている旅館じゃないとだめとのこと。ぽん太やにゃん子の好みの温泉旅館で、旅行社で扱っているようなところを捜したのですが、なかなか見つかりません。あそこはどうだ、ここはダメだと、すったもんだの末、やっとのことで喜至楼を見つけました。「にゃん子、さっそく旅行社へ行ってこい!」「ガッテンだ!」ということ旅行社に駆けつけると、窓口のお姉さんは、「あの〜、山形県なので助成範囲外なんですけど……」。いまさら「じゃ、いいです」というわけにもいかず、予約をお願いしたという次第です。まあ、東北の支援になるからいいか!こちらが宿の公式サイトです。
Img_0615 明治元年に造られたという本館は、レトロなムード満点の木造建築が魅力の宿です。実はこの旅館、今年の3月末に泊まる予定で予約していたのです。しかし結局キャンセルせざるを得なかった理由は、みなさんご存知の通り。仲居さんの話しでは、この旅館では建物や調度品の被害はありませんでしたが、停電してしまい、テレビが見れないので詳しい情報もわからず、電気を使う暖房器具が使えないので古い石油ストーブをかき集めて暖を取ったそうです。
Img_0609 こちらは今回宿泊した「別館」で、昭和後期の建物だそうです。本当は本館に泊まりたかったのですが、旅行社が扱っている宿泊プランには、別館しかありませんでしたweep
Img_0544 それでも客室はこのような古めかしさ。ふふふ、いい感じです。
Img_0545 別館の客室から見た本館の建物。いくつかの棟からなっていて立派です。別館とは廊下でつながっております。右手前の小さい建物は、湯前神社です。
Img_0549 別館の廊下です。
Img_0548 別館の洗面所です。畳の上に座って洗面をするようになっているのでしょうか。ぽん太は生まれて初めてこのような洗面所を見ました。
Img_0550 廊下の看板です。文章といい、字体といい、レトロで味があります。
Img_0552 しかし、これしきで驚いていてはいけません。いよいよ本館に足を進めましょう。本館の廊下です。磨き込まれた床が黒光りしております。
Img_0559Img_0555Img_0556 廊下のあちこちに作り込まれた意匠の数々。
Img_0554 これは湯治用の自炊場でしょうか。
Img_0569 本館の玄関です。大きな時計がいい味を出しています。補強のため、屋根に鉄骨が入ってしまっているのは残念です。でも、このおかげで今回の地震に堪えられたのかもしれません。
Img_0571 両側の建具には、美しい彫刻が作られています。
Img_0564 さて、次はお風呂です。こちらは本館1階のの男女別の「あたたまり湯」。あまり広くありません。タイル張りでレトロな雰囲気です。お湯は無色透明・無味無臭。白い湯の花が微かに舞います。泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉で、泉温は67.3度です。
Img_0565 脱衣場の棚の上にしつらえられた装飾の彫刻です。
Img_0560 廊下の洗面台もレトロです。
Img_0590 こちらは本館の「ローマ式千人風呂」です。「千人風呂」というのはちょっと大げさな感じがします。
Img_0589 タイルによる壁画です。水浴びする美女と誘惑する牧神か?ああ、ローマンチックです。
Img_0595 隅っこに小さな岩風呂が。「滝湯」と書かれてますが、一筋のお湯がしたたるのみ。
Img_0596 本館の岩風呂です。
Img_0566 こちらは本館の「ふかし湯」です。フロントに申し出て利用するようです。
Img_0607 別館の貸し切り風呂です。別館にはさらに「オランダ風呂」というタイルの風呂があります。人がいたので写真はありません。どこがオランダ風なのかはよくわかりませんでした。
Img_0579 地元の素材を使った郷土料理ですが、実は手が込んでいます。左上はカニ鍋。真ん中のお皿は生まれて初めていただいた「柿の白和え」です。
Img_0581 お造りはコイの昆布締めとコイの皮で、ぜんぜん泥臭さがありません。コイをこのように頂くのはこれまた初めて。焼き魚は「天然の」アユです。宿の前を流れる小国川に直営のヤナ場があり、そこで採れたものだそうです。小国川で採れるアユは「松原鮎」と呼ばれ、泥臭さがなくて香りがよく、昔は殿様に献上されたそうです。
Img_0583 天ぷらと芋煮もついて大満足。
Img_0578 皆さんは、この箸袋のマークを解読できましたか?解答は朝食後に……。
Img_0599 朝食は、鮎の一夜干しが美味しかったです。
Img_0608 こちらが別館の朝食会場。窓の部分が円形に張り出した洒落た造りですが、会議用の机にビニールクロス、パイプ椅子というのが悲しいところ。
 箸袋のマークの解答ですが、「セ」が3つで「セミ」温泉、「キ」が4つに真ん中が「ロ」で「キシロー」ですね。
Img_0610 宿に続く建物です。昔はどのような色に塗られていたのでしょうか。
Img_0618 写真は「薬源湯」(やげんのゆ)という川の中に湧く温泉です。ここ瀬見温泉は、義経ゆかりの地としても知られております。藤原秀衡を頼って逃げ延びてきた義経一行は、近道のため亀割山を越えたところ、にわかに静御前が産気づき、山の中で出産しました。産湯を捜して谷へ下ってきた弁慶が、長刀で岩を砕いたところ湧き出したのがこのお湯だそうです。ほかにも、静御前が出産した場所や、赤ちゃんの枕にした石、静御前が産後の養生をしたところ、弁慶が投げた松が根付いたものなど、義経いわれの史跡が多数あります。それらは瀬見温泉のホームページに出ております(散策マップ義経・弁慶伝説ガイド)。
 『義経記』の巻第七に、文治3(1187年)に義経一行が瀬見温泉を通ったことが書かれております。こちらのテキストの「八 亀割山にて御産の事」のあたりです。
 義経一行は、最上川を舟で遡り、「會津〔相川〕の津」に上陸します。ここは、現在の新庄市の本合海あたりだそうです(地図)。先を急いだ一行は、近道のため亀割山(地図)を越えます。すると山中でにわかに静御前が産気づきます(『義経記』では、静御前は義経とともに東北に逃げたことになってます)〔2012年1月12日訂正。『義経記』で義経とともに東北に逃げたのは、正妻だった大納言平時忠の娘であり、静御前ではありませんでした。大変失礼いたしました〕。大木の下に敷き皮をひいて、そこでお産することにします。難産のため静御前は何度も気を失いそうになりますが、弁慶が谷川から水を汲んで来たり、祈祷をしたりすることにより、無事に出産します。その子は、亀割山にちなんで「亀鶴御前」と名付けられます。山を下った一行は、「其日はせびの湯〔せみのから〕と云ふ所にて一両日御身労り、明くれば馬〔を〕尋ねて乗せ奉り、其日は栗原寺に著き給ふ」と書かれておりますが、これが瀬見温泉のことだと思われます。
 『義経記』の記述は、瀬見温泉に伝わる伝説と比べると、かなり簡略です。『義経記』の成立は南北朝時代から室町時代初期といわれておりますので、『義経記』の記述を膨らませて瀬見温泉の伝説を作ったというよりは、すでに流布していた瀬見温泉の伝説を取り込んで『義経記』が書かれたという可能性が高い気がしますが、ぽん太には判断できません。
Img_0623 帰りに、「新庄藩主戸沢家墓所」に寄りました。解説は例えばこちらの新庄市のホームページをご覧下さい。近世大名の墓の中で、藩主と正室や子ども、側室などが一緒に葬られているのは極めて珍しいそうです。
 さて、瀬見温泉喜至楼の採点です。とにかく明治初期の木造の建物がすばらしく、その他もレトロな雰囲気に満ち満ちています。また天然鮎などを使った食事も高得点です。温泉力がやや弱い点や、朝食会場のチープさなどが減点になりますが、温泉街の義経伝説が加点となり、さらに東北支援の意味も込めて、ぽん太の採点は5点満点!

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