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2012/01/27

【歌舞伎】七之助大活躍。2012年1月平成中村座夜の部

 1月の平成中村座は、夜の部のみ観劇。公式サイトはこちらです。
 まずは「寿曽我対面」、正月らしい華やかな舞台でした。昨年の「伊賀越道中双六」や「松浦の太鼓」では生き生きとした表情を見せていた勘三郎ですが、今日はちょっと表情が硬い感じがしました。橋之助の曽我五郎が大きくて勢いがありました。
 続いて「於染久松色読販」。昨年2月にル・テアトル銀座で観ているはずですが、ほとんど記憶ににゃい!自分の過去の記事を読んでみても、あんまり感想が書いてありません。さては寝倒していたに違いない。
 「お染めの七役」は前回は亀治郎でしたが、今回は七之助が大活躍。亀治郎が陽なら七之助は陰。亀治郎は芸達者で客を意識した派手な演技でしたが、七之助は美しさと格式がありました。お六は、亀治郎はおきゃんでシャキシャキしてましたが、七之助は侠気があってカミソリのような鋭さがありました。道行きの狂乱の舞いも、鬼気迫るなかに色気がありました。亀治郎のは「猿之助四十八撰」で、今回の七之助のは玉三郎監修という違いがあるのかもしれませんが、ぽん太にはよくわかりません。梅枝と萬太郎の女猿回しと船頭も雰囲気が出ており、特に萬太郎が姿といい表情といいイナセで美しかったです。橋之助の喜兵衛は凄みがあり、また油谷のゆすりの最中に久作がやってきたときの「やっべ〜」という惚けた表情がよかったです。

 ところでこの「於染久松色読販」、大阪が舞台の物語を江戸に移し替えたものですが、出てくる場所を、東京に棲んでいながらぽん太はちっとも知らなかったので、調べてみることにしました。

より大きな地図で 於染久松色読販 を表示
 まずは序幕の舞台の柳島妙見。東京都墨田区にある柳嶋妙見山法性寺ですね。場所は地図の青印です。逆さスカイツリーで有名な十間橋の近くのようですね。日蓮宗のお寺で、御本尊は久遠実成本師釈迦牟尼佛(大曼荼羅)だそうですが、境内の妙見堂には開運北辰妙見大菩薩が祭られており、こちらが人々の信仰を集めていたようです。
 「北辰妙見大菩薩」というのはぽん太は初めて聞いたのですが、Wikipediaの妙見菩薩を見てみると、毘沙門天などと同じく、仏教の天部に属する仏様だそうです。ただしインド由来ではなく、中国から来たもので、北極星を神格化したものだそうです。
 日本で重要文化財に指定されている妙見菩薩像は1体だけだそうですが、なんとそれがある場所はよみうりランドの中にある聖地公園とのこと。こちらが(公式サイト)ですが、こちらのサイトが詳しいです。なんでよみうりランド内に宗教施設があるのか、歴代の読売の重役の中に仏教信仰が厚い人がいたのではないかと推測されますが、少しググってみましたがよくわかりません。
 また千葉氏は妙見菩薩を守り神として信仰していたそうで、そういえば「於染久松色読販」において久松と竹川の父は、千葉家の侍という設定でしたね。千葉家に伝わる剣術「北辰」一刀流も関係があるようです。
 ところで「仮名手本忠臣蔵」の現行の斧定九郎の演出が、江戸時代に初代中村仲蔵が、土砂降りのなか蕎麦屋にやってきた浪人の姿を見て考えついたものだということは、ぽん太も知っております。実はこれが、仲蔵が妙見様にお参りに行った帰りのできごとだったということは、ぽん太は初めて知りました。ただ出典は三遊亭円生の落語なので、どこまで史実かはわかりません。
 さて、「於染久松色読販」の序幕第二場の舞台となっている「橋本屋」は、大変有名な料理屋だったそうで、妙見様の北隣にあったようです(地図の赤印あたり)。こちらのサイトが、浮世絵などもたくさんあってわかりやすいです。
 お六の家がある「小梅」ですが、江戸切絵図を見ると、スカイツリーのちょうど北側の、業平橋駅から押上駅にかけてのあたりが「小梅村」となっております(地図の緑印あたり)。江戸切絵図は、たとえばこちらの古地図(goo地図)で見ることができ、右下の方にこのあたりが乗っております。現在でも向島二丁目、三丁目あたりには「小梅小学校」や「本所消防署小梅出張所」という名前が残っております。
 お六と喜兵衛がゆすりに出かけた油屋は「瓦町」にあるようです。これも江戸切絵図を探してみると、隅田公園(当時の水戸家下屋敷)の北十間川を挟んで南側のあたりに、「瓦町」という地名が見えます(地図の黄色印あたり)。川沿いは「瓦焼場」となっており、このあたりに瓦職人が住んで、瓦を焼いていたようです。


平成中村座 壽初春大歌舞伎
平成24年1月 夜の部

一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
                曽我十郎祐成  勘三郎
                曽我五郎時致  橋之助
                  大磯の虎  七之助
                 近江小藤太  萬太郎
                 化粧坂少将  新 悟
                鬼王新左衛門  亀 蔵
                 小林朝比奈  獅 童
               工藤左衛門祐経  彌十郎

二、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)

  序 幕 柳島妙見の場
      橋本座敷の場
      小梅莨屋の場
  二幕目 瓦町油屋の場
      同 座敷の場
      裏手土蔵の場
  大 詰 向島道行の場

  油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌
      奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六  七之助
                女猿廻しお作  梅 枝
                  船頭長吉  萬太郎
                鬼門の喜兵衛  橋之助

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