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2012年2月の11件の記事

2012/02/13

【珍百景】レトロでシュールな東京都の児童育成手当障害認定診断書

12021201 先日ぽん太は、「児童育成手当障害認定診断書」という書類を書いたのですが、この書類がなかなかユニークだったのでご報告したいと思います。
 福祉に暗いぽん太は、「児童育成手当」という制度も初耳でした。調べてみると、東京都が行っている制度で、基本的には父または母が死亡や離婚などでいない場合に支給される手当のようですが、父または母が重度の障害を持つ場合にも支給されるようです。詳しくは例えばこちらの東京の福祉オールガイドをご覧下さい。
 まず表題ですが、児童「扶養」手当障害認定診断書というのが、手書きで児童「育成」手当に訂正されております。そしてその後にさりげなく、「精神及び脳疾患用」と書かれています。脳疾患……レトロです。
 氏名、住所、病名などは普通ですが、(11)の「現在まで受けた特殊療法等」というところがすごいです。

1 特殊薬物療法 2 インシュリン療法 3 痙攣療法 4 持続睡眠療法 5 熱療法 6 駆梅療法 7 精神療法 8 作業療法 9 その他
 う〜ん、すばらしい。インシュリン療法や持続睡眠療法、やったことがありません。熱療法ってなんでしょう。梅毒のマラリア療法かなんかでしょうか。駆梅療法とともに、時代を感じさせます。薬物療法に「特殊」がついているあたりも、精神病の薬物がまだ珍しかった時代のものなんでしょうね。「ロボトミー手術」がないだけましか。
 続いて「現在の状態像」のところの「21 性的異常行動」。
1 サディズム 2 マゾヒズム 3 フェティシズム 4 その他
 ……丸を付けたくなります。これらが精神障害の症状だったんでしょうかね〜。
 次に「23 問題行動」というところ。
1 殺人 2 傷害 3 暴行 4 脅迫 5 自殺企図 6 自傷 7 破衣 8 不潔 9 放火 10 弄火 11 器物破損 12 窃盗 13 盗癖 14 ぶじょく 15 強盗 16 恐かつ 17 無銭飲食 18 無賃乗車等 19 はいかい 20 家宅侵入 21 性的異常 22 風俗犯的行動 23 無断離院 24 その他
 障害の重さを認定する診断書に、犯罪が列挙されているというあたりに、昔の人権感覚が伺われます。しかもそのなかの「破衣」「ぶじょく」「無銭飲食」「無賃乗車等」「無断離院」などという項目があり、なぜわざわざこれらなのか、よくわかりません。「風俗犯的行動」という言葉も、無知なるぽん太は知らなかったのですが、Yahoo!辞書によると、「狭義では、猥褻(わいせつ)罪など、性道徳に反する犯罪。広義では、賭博罪などの社会の善良な風俗に反する罪を含む。風俗犯罪」とのこと。
 ちなみにぽん太がこの診断書を書いたのは、数十年前ではなく、数ヶ月前です。
 この診断書、日々書類の山と格闘している精神科医にとって、一服の清涼剤となっていいですけど、もし東京都の担当者がこのブログを目にとめたら、早々に書式を変更することをおすすめします。

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2012/02/12

【拾い読み】日本バレエの先駆者小牧正英を知る。山川三太『「白鳥の湖」伝説』

 たまたま目に止まったので読んでみました。山川三太『「白鳥の湖」伝説』無明舎出版、1995年です。
 バレエ「白鳥の湖」の日本初演に携わったダンサー小牧正英について書かれたほんです。ぽん太はパラパラとめくってみて、「小牧正秀?知らね〜な〜。なんかバレエ事始めの「ふるへっへんど」みたいな話しだったらつまらないな〜」などと思いながら読み始めたのですが、とても面白くて、引きつけられました。
 考えてみればぽん太は、最近バレエにはまっているとはいうものの、日本のバレエの創成期についてはまったく知識がありませんでした。
 小牧正英(明治44年(1911年) - 平成18年(2006年))は本名が菊池榮一で、岩手県生まれです。21歳のときにパリで画家になろうと決意し、大連からシベリア鉄道で密航を試みますが失敗。ハルビンに連れ戻されました。そこでバレエと出会ってバレエ学校に入学し、めきめきと頭角を現して、上海バレエ・リュスの一員として活躍します。敗戦に伴って引き上げたのち、敗戦からわずか1年の昭和21年(1946年)8月に、東京バレエ団(現在の東京バレエ団とはまったく無関係)を率いて「白鳥の湖」日本初演を、帝国劇場で22日間にわたって行ったそうです。
 だいたいぽん太は、上海バレエ・リュスなどというものも初耳だし、戦後すぐに、ちょっと前までは敵国のものとされていたバレエの公演が大々的に行われ、観客を集めたというのも驚きでした。
 詳しくは、自分で読んで下され。こちらの小牧正英「白鳥の湖」伝説というサイトも見やすいです。ということで、いつものように、以下はぽん太が興味を持ったところの抜き書きです。

 小牧正英がハルビンに行ったのは昭和8年(1933年)ですが、満州事変ののち満州国が設立された翌年ですね。当時のハルビンは、39万人の中国人のなかに、3万6千人の日本人と、2万5千人の亡命ロシア人が暮らす国際都市で、ロシア風の建築が立ち並び、ホテルや劇場、カフェやレストランもあったとのこと。小牧は絵を描くことにはすぐに飽き、ロシア人のおばさんにピアノを習いますが、半年ほどで「ピアノを習い始めるには遅すぎるから」と、ハルビン音楽バレエ学校を紹介されました。レッスンを覗いた小牧はバレエに魅了され、入学を希望しますが、「ここはロシア人専用の学校だから」と断られたにもかかわらず、小牧は連日のように学校に通い詰めて頼み込み、ついに入学を果たします。
 ハルビンのバレエ学校などというと、レベルが低そうな気がしますが、小牧の先生はワルシャワ国立バレエでプリマとして活躍したこともある人だったそうです。

 しかし時代は足早に戦争へと突き進んで行きます。昭和15年(1940年)小牧は、ハルビンからの退去命令に従わず、上海バレエ・リュスの招きに応じて再び密航を企て、こんどは成功します。「上海バレエ・リュス」とは初耳ですが、本家のバレエ・リュスはディアギレフの死去によって1929年に解散、またマリインスキー劇場の多くのダンサーたちも、1917年のロシア革命によって世界に散って行きました。上海バレエ・リュスは、こうしたダンサーたちが集まって、マリインスキー劇場のレパートリーとバレエ・リュスのレパートリーを継承していくために組織された、ロシアの伝統を受け継ぐバレエ団でした。またイギリスやイタリアのダンサーも合流していたそうです。フランス租界にあるライセアム劇場を拠点とし、英国工部局の助成とフランス疎開の格銀行からの補助によって運営されていたそうです。しかしこうした西欧文化はあくまで租界の内部のことであり、「犬と黄色人種は立ち入るべからず」の立て札が建てられていたことはよく知られています。このような戦前の上海の様子も、ぽん太はまったく知りませんでした。

 昭和16年(1941年)、日本は大東亜戦争に突入。連合国側に属するダンサーやスタッフは、収容所に入れられます。しかし上海バレエ・リュスは、東和映画の川喜田長政などの援助もあり、日本軍の管轄下で活動が続けられたそうです。戦時下にもバレエが行われていたとは、無知なるぽん太には驚きです。
 昭和18年(1943年)、小牧は上海ライセアム劇場で「牧神の午後」の主役をつとめ、高い評価を受けたそうです。この年に上海を訪れた指揮者の朝比奈隆はが小牧に会っているそうです。朝比奈はこれまで彼のことを知りませんでしたが、上海の多くの外国人から彼の名前を聞かされ、「私達内地にいる日本人が少しも気がつかない間に、否、バレエ芸術というものが日本では全く未開の状態に止まっていた間に、『コマキ』は少なくとも極東の文化人の間では大きな名前になっていたのだった」と感動したそうです。
 当時の上海には、羽仁五郎、小林秀雄、河上徹太郎などが訪れ、小牧は彼らとも交流を持ったそうです。
 また昭和19年(1944年)の「ペトルーシュカ」の「オリエント初演」においても、小牧は主役を踊りました。

 さて、疲れて来たのでだいぶ省略し、大戦も終わって帰国した小牧に、「白鳥の湖」全幕公演の話しが舞い込みます。東勇作バレエ団、服部・島田バレエ団、貝谷八百子バレエ団、に小牧正英が加わって「東京バレエ団」(註、現代の東京バレエ団とは別物です)が組織され、昭和21年(1946年)8月9日から帝国劇場で上演されることになりました。東宝が支援してくれることになりましたが、重役会議では「バレエなどというものは女子供のやる『おさらい会』のようなものだ」ど大反対されたりしたそうです。舞台美術はなんと藤田嗣治が担当するという豪華版。音楽は山田一雄(当時は和男?)、オケは東宝交響楽団(現在の東京交響楽団)だったそうです。オケの団員たちも、初めはバレエのために演奏するのを嫌がったそうです。

 小牧正英が谷桃子と一時結婚していたことも初めて知りました。そういえば、劇場でもらうチラシのなかに、「谷桃子バレエ団」というのがありますね。その気になってよくみたら、「小牧バレエ団」というのもありました。

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2012/02/11

【バレエ】主役はもちろん道化です。「白鳥の湖」ボリショイ・バレエ

 ド迫力の「スパルタクス」に続いて、定番の「白鳥の湖」を観てきました。こちらが公式サイトです。
 会場についてキャスト表を見てみると、なんと岩田守弘という名前が!!ソワレだけの出演かと思ってたぽん太は、狂喜乱舞・歯舞色丹でした。ソビエト時代から単身異国にわたり、ボリショイのソリストにまで上り詰めた才能と努力には、頭が下がる思いです。ボリショイのダンサーたちに囲まれると、とってもちっちゃく見えますが、ひときわ高いジャンプや鋭い回転を披露するたびに、客席からは盛大な拍手が巻き起こりました。特に第一幕の道化クルクルでは、見事なピルエットの連続に拍手が起きたのですが、さらにそこからターボがかかってもう一段スピードが上がるという素晴らしいパフォーマンスでした。あゝ、いいもの観たな。今シーズン限りで現役引退なんてもったいない……。
 オデット/オディールは、「スパルタクス」に引き続きルンキナです。軽くて柔らかい踊りなのでオデットの方が合ってるかとぽん太は思ったのですが、チラシ(A3のでかいやつ)のインタビューによれば、ルンキナ自身はオディールの方が踊りやすいと言ってました。
 実際に見てみると、確かにオディールの方がよく、妖艶さにはやや欠けますが、弾けた感じで勢いがあります。いっぽうオデットは意外と体の硬さが気になり、か弱さを見せようとしてなのか、黒鳥との対比を強調しようとしたためなのか、なんだか力が抜けているように見えてしまいました。とはいっても、すばらし踊りだったことは間違いありません。
 王子のチュージンは、ぽん太は初めて見ましたが、手足がすらりと長く、立ち姿がなかなか美しいです。ジャンプ力は驚くほどではありませんが、脚を広げて飛んだ時など、とても大きく優雅に見えます。
 こんかいのグレゴローヴィチ版はロッドバルドの踊りが多いのですが、ラントラートフが悪魔らしい雰囲気をかもし出しながら見事に踊りました。
 この版では、第一幕の最後の時点で、ロットバルトが王子に影のようにまとわりついて踊るパ・ド・ドゥがあります。ということは、ロットバルトはオデットを白鳥に変えたフクロウの化け物ではなくて、人間の心に潜む抽象的な悪との設定か。またラストではオデットが死んで、王子は崩れ落ちて終わりますが、見終わったあとどっぷりと気分が暗くなるので、ぽん太はハッピーエンドの方がいいです。
 パ・ド・トロワはもちろんのこと、コール・ドの一人ひとりの踊りも美しく、第一幕の群舞を眺めているだけで、「バレエ」としての美しさに感動で目がうるうるしてきました。
 舞台美術も重厚で美しく、場面転換もスピーディー。ボリショイ劇場管弦楽団も、ときにアンサンブルを乱しながらも大迫力の演奏。実は激しい音楽だったんですね。普段は聞こえない声部が聞こえてきたりして、まったく違う曲に聞こえました。
 あ〜いいもの観たな。しあわせ、しあわせ。


<白鳥の湖>
The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Theatre Orchestra
2012年2月9日マチネ 東京文化会館

台本:ユーリー・グリゴローヴィチ (ウラジーミル・ベーギチェフとワシーリー・ゲーリツェルの原台本に基づく)
プティパ・イワノフ版初演: 1895年1月15日、ペテルブルグ帝室マリインスキー劇場 グリゴローヴィチ新改訂版初演: 2001年3月2日、モスクワ・ボリショイ劇場
音楽 :ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
演出 :ユーリー・グリゴローヴィチ
振付 :マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
アレクサンドル・ゴールスキー、ユーリー・グリゴローヴィチ
美術 :シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作 :パーヴェル・ソローキン
照明 :ミハイル・ソコロフ
指揮 :パーヴェル・ソローキン
管弦楽 :ボリショイ劇場管弦楽団

出演
オデット/オディール :スヴェトラーナ・ルンキナ
ジークフリート王子 :セミョーン・チュージン
王妃 (王子の母) :エカテリーナ・バリキナ
悪魔ロットバルト :ウラディスラフ・ラントラートフ
王子の家庭教師 :アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化 :岩田守弘
王子の友人たち :アンナ・ニクーリナ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
儀典長 :アレクサンドル・ファジェーチェフ
ハンガリーの王女 :オルガ・マルチェンコワ
ロシアの王女 :アンナ・レベツカヤ
スペインの王女 :チナーラ・アリザーデ
ナポリの王女 :ダリーヤ・コフロワ
ポーランドの王女 :アンジェリーナ・ヴラシネツ
3羽の白鳥 :アンジェリーナ・ヴラシネツ、オルガ・マルチェンコワ、ユリア・グレベンシコーワ
4羽の白鳥 :スヴェトラーナ・パヴロワ、ユリア・ルンキナ、ダリーヤ・コフロワ、マルガリータ・シュライネル
ワルツ :アンナ・レベツカヤ、アンナ・オクネワ、マリーヤ・ヴィノグラードワ、ヤニーナ・パリエンコ、 カリム・アブドゥーリン、デニス・ロヂキン、 アルテミー・ベリャコフ、ミハイル・クリュチコフ

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2012/02/10

【バレエ】ますます女子会化するKバレエ・カンパニーの「シンデレラ」

 Kバレエの「シンデレラ」を観に行ってきました。主役は松岡梨絵と宮尾俊太郎のゴージャス・コンビを選択しました。こちらがオーチャードホールの公式サイトです。
 いつもながら物語の面白さを重視した演出で、演技上手なKバレエのダンサーたちがその能力を十分に発揮してました。セットもアールヌーボー調の曲線を基本にした美しい物で、シンデレラの家は斜めに歪めることで圧迫感を表現してました。衣装や馬車も美しく、楽しくて夢のようなファンタジーが、ステージ上に繰り広げられました。
 し、しかしですよ。「ステージ」としてはよかったですが、「バレエ」としてはちょっと物足りなさを、ぽん太は感じました。目の覚めるような跳躍や、息を飲むようなピルエット、うっとりと見とれるようなパ・ド・ドゥがありませんでした。周りの奥様たちは笑い声をあげて喜んで見てましたが、おじさんのぽん太は次第に眠気が差してきました。おじさんには「シンデレラ」の物語自体は退屈なので、プラスして身体能力の発揮とか、新たな解釈とかがなかったら、見るべき所がありません。
 Kバレエの観客はもともと女性が多いのですが、今回はさらに女子率がたかく、おじさんのぽん太は、なんだか女子会に紛れ込んだかのような気恥ずかしい感じがしました。ちまちまと可愛いバレエ。このような女子向けの路線を続けて行くと、ますます男性が減っていく気がするのですが、熊川はそれでいいと思っているのでしょうか?

 松岡梨絵は、シンデレラらしい初々しい美しさで光り輝いておりました。スタイルの良い宮尾俊太郎もノーブルな王子様でしたが、先に書いたように、身体能力を発揮したパフォーマンスが見れなかったのが残念です。なんだかほどほどに踊って無難にまとめたように見えました。シンデレラの義姉妹の岩渕ももと湊まり惠はコミカルな演技が見事でした。継母のルーク・ヘイドンは、あまりに面白すぎで、最優秀演技賞をあげたいです。仙女は、当初予定されていた浅川紫織が体調不良で休演し、佐藤圭が代役をつとめました。ふらつきが気になりましたが、透明感があって妖精のような美しさでした。北爪弘史と井澤諒の二人の道化師もダンスに演技に大活躍、ブレンデン・ブラトーリックと酒匂麗のコンビに寄る騎士の踊りも面白かったです。オレンジマン、あとで配役表を見て、ようやくスチュアート・キャシディであることがわかりました。

 振り付けは熊川哲也とのことですが、下敷きとなった振り付けがあるのかどうか、ぽん太にはわかりません。音楽のニュアンスの変化にダンスがよく対応していて、全体としてとてもよかったと思います。コミカルな芝居の方も、間もいいし、細かいところまで注意が行き届いていました。ただし、見応えのあるダンスがなかったのは、上に述べた通りです。にゃん子は、「熊哲が、自分が出ないのに、自分よりカッコよく踊られたらやだから、わざと地味な振り付けにしたんじゃないの?」とうがった見方をしてましたが、そんなことってあるんでしょうか。

 
Bunkamura オーチャードホール芸術監督就任記念
Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY
<シンデレラ> Cinderella
2012年2月8日 Bunkamuraオーチャードホール

シンデレラ Cinderella:松岡梨絵 Rie Matsuoka
王子 Prince:宮尾俊太郎 Shuntaro Miyao
仙女 Fairy Godmother:佐藤圭 Sato Kei
シンデレラの義姉妹 Step Sisters :岩渕もも Momo Iwabuchi / 湊まり恵 Marie Minato
継母 Step Mother:ルーク・ヘイドン Luke Heydon
【第1幕 Act 1】
バレエ教師 Ballet Master :ビャンバ・バットボルト Byambaa Batbold
美容師 Hairdresser:愛澤佑樹 Yuki Aizawa
靴職人 Shoemaker:長島裕輔 Yusuke Nagashima
仕立屋 Dressmaker:小山憲 Ken Koyama
宝石商 Jeweller :池本祥真 Shoma Ikemoto
2人のヴァイオリニスト 2 Violinist:遠藤雄一 Yuichi Endo/小山啓久 Hirohisa Koyama
(シアター オーケストラ トーキョー THEATER ORCHESTRA TOKYO)
4人の妖精 4Fairies
  バラ Rose:神戸里奈 Rina Kambe
  トンボ Dragonfly:日向智子 Satoko Hinata
  キャンドル Candle:白石あゆ美 Ayumi Shiraishi
  ティーカップ Tea Cup :東野泰子 Yasuko Higashino
4頭の雄鹿 4 Stag Footmen:秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 浅田良和 Yoshikazu Asada 伊坂文月 Fuzuki Isaka / 西野隼人 Hayato Nishino
【第2・3幕 Act 2・3】
4人の王子の友人 4 Prince Friends:秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 浅田良和 Yoshikazu Asada 伊坂文月 Fuzuki Isaka / 西野隼人 Hayato Nishino
2人の道化師 2 Jester:北爪弘史 Hirofumi Kitazume / 井澤諒 Ryo Izawa
大きい騎士 Tall Knight:ブレンデン・ブラトーリック Brenden Bratulic'
小さい騎士 Short Knight:酒匂麗 Rei Sakoh
式典長 Master of Ceremonies:ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin
2人のオレンジガール 2 Orange Girls:並河会里 Eri Namikawa / 松岡恵美 Emi Matsuoka
オレンジマン Orange Man:スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
星 Stars / 貴族 Court Ladies and Gentlemen / 街の人々 Town People 他 Artists of K-BALLET COMPANY

●芸術監督 Artistic Director 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●演出・振付 Production / Choreography 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●音楽 Music セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
●衣裳デザイン Costume Design ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend
●衣裳デザイン アソシエイト Associate Costume Design アラン・ワトキンス Allan Watkins
●衣裳デザイン アシスタント Costume Design Assistant サイモン・ベイヤー Simon Bejer
●舞台美術デザイン Set Design レズリー・トラヴァース Leslie Travers
●照明 Lighting Design 足立恒 Hisashi Adachi
●指揮 Conductor 井田勝大 Katsuhiro Ida
●演奏 シアター オーケストラ トーキョー Theater Orchestra Tokyo

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2012/02/09

【バレエ】オシャレで楽しい「こうもり」新国立劇場バレエ

 新国立でローラン・プティの「こうもり」を観てきました。バレエの「こうもり」は初めてです。こちらが公式サイト特設サイト
 ローラン・プティの振り付けということで、大人向きのオシャレな舞台かと思っていたのですが、子供たちと一緒に家族で楽しめるバレエでした。すごいテクニックの見せ場があるわけでも、斬新な動きがあるわけでもありませんが、オシャレでちょっとコミカルで洗練されていて、楽しいステージでした。
 ベラ役の本島美和はスタイルがよく、品のいい優雅な踊りがすばらしかったです。ただ変身して男達を魅了する場面では、もっとコケティッシュな雰囲気があるとよかったのです。ヨハンの福岡雄大も上手でしたが、やはりもっと女好きっぽい仕草や表情が欲しかったです。なんか二人とも根が真面目そうですが、もっと演技力・表現力を磨いていって欲しいです。
 その点ウルリックの八幡顕光は演技力があり、キレの良い動きとあいまって、存在感がありました。もすこし「ペーソス」が感じられると、さらによかった気がします。
 チャルダッシュの芳賀望は、先日の「パゴダの王子」での大活躍が目に焼き付いてますが、今日はちょっと元気がなかった気がします。
 群舞もよし。ガルフォース指揮の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団は、ウィーンらしいノリノリの演奏、というわけにはいかなかったのは、バレエの伴奏だから仕方がないのかも。
 講演後に、芸術監督のデヴィッド・ビントレーのミニ・インタビューがあり、来シーズンの演目の紹介などが聞けました。ローザンヌ国際バレエコンクールで菅井円加が優勝したというニュースが飛び込んで来たのが、その日の夜。ビントレーが新国立と同時に芸術監督をしているバーミンガム・ロイヤル・バレエ団への留学を希望しているそうで、1日ずれていたら、それに関する話しも聞けたかもしれませんでした。
 ところで、ビントレー芸術監督になってから、フィーチャーリング外国人有名ダンサーと新国立コールド・バレエ団という形の公演をやめ、新国立バレエ団員のみによる公演を増やしているように思えます。外人を招聘する費用を蓮舫に査定されたためなのかもしれませんが、新国立バレエ団員を育成するという点ではすばらしい試みだと思います。この点を前面に押し出して宣伝して、観客の応援をお願いしてもいいのではないでしょうか?


新国立劇場バレエ
<こうもり>
Roland Petit’s La Chauve-souris
2012年2月5日 新国立劇場オペラ劇場

【振 付】ローラン・プティ
【音 楽】ヨハン・シュトラウスⅡ世
【編 曲】ダグラス・ガムレイ
【美 術】ジャン・ミッシェル・ウィルモット
【衣 裳】ルイザ・スピナテッリ
【照 明】マリオン・ユーレット/パトリス・ルシュヴァリエ
【指 揮】デヴィッド・ガルフォース
【管弦楽】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ベラ:本島美和
ヨハン:福岡雄大
ウルリック:八幡顕光
メイド:楠元郁子
グランカフェのギャルソン:江本拓、奥村康祐、輪島拓也
フレンチカンカンの踊り子:厚木三杏、西川貴子、堀口純
チャルダッシュ:芳賀望
川村真樹、長田佳世、寺田亜沙子、丸尾孝子、米沢唯、細田千晶

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2012/02/08

【バレエ】圧倒的迫力の「スパルタクス」ボリショイ・バレエ

 観・て・き・ま・し・た!いんや〜すごい迫力でした。こちらが公式サイトです。
 海外バレエ団の日本公演では、音楽は日本のオケが担当することが多いですが、今回は専属のボリショイ劇場管弦楽団を引き連れての来日。冒頭の和音から重厚な音色に圧倒されます。作曲はハチャトゥリアン。無学なぽん太は「剣の舞」くらいしか知りませんが、そのイメージ通りのビートのきいた激しくきらびやかな音楽で、ちょっと深みには欠けますが、これまた大迫力でした。
 しかししかし、それらにも増して凄かったのがスパルタクス役のワシーリエフのパフォーマンスです。驚異的なジャンプ力、安定した高速のピルエット、高い片手リフト。技を繰り出すたびに観客席からどよめきが起きます。演技力もすばらしくて、以前は「体操」のような印象を受けましたが、こんかいは身体能力とテクニックを駆使したすばらしい「表現」を見せてくれました。
 昨年末、ワシーリエフとオシポワがミハイロフスキー劇場に移籍するというニュースが駆け巡りました。年末年始恒例のレニングラード国立バレエ来日公演には参加してくれるのでしょうか?長い間レニングラード・バレエを招聘し続けて来た光藍社の関係者は、大喜びでしょうか?
 ルンキナは、以前にガラ公演で観たジゼルのまるで体重がないかのような踊りに感動しましたが、今回は「肉」の存在を感じさせる力強い踊りでした。2幕以降の愛の表現になると、持ち前の繊細で柔らかい踊りが楽しめました。そしてラストでは、「魂」の叫びを感じました。
 クラッスス役のヴォルチコフも素晴らしい踊りで、ワシーリエフがいたので目立ちませんでしたが、なかなかのパフォーマンスでした。エギナのマリーヤ・アラシュ、妖艶にしてゴージャス。娼婦の雰囲気が出てました。
 振付はグリゴローヴィチ。このバレエは、まず1954年にハチャトゥリアンによって音楽が作曲され、1956年にレオニード・ヤコブソンの振付で初演、1958年にイーゴリ・モイセーエフの振付で再演されましたがこれらは大きな成功を収めることはできず、1968年にグレゴローヴィチ版が出て好評をはくしたそうです。今回の振付が、どこまで当時のオリジナルを保存しているのかは、ぽん太にはわかりません。
 ストーリー性が強くて、とてもドラマチックでした。群舞に迫力があって、舞台全体を使ったダイナミックなダンスが次々と繰り広げられました。ちょっと『ウェスト・サイド物語』を思い浮かべました。そういえばこの映画が製作されたのは1961年ですから、同時期ですね。また、音楽と振付がよくシンクロしてました。また場面転換で、舞台の真ん中に幕が降りて、手前でソロを踊っている間に、奥手のセットを変えるという方法が用いられていて、流れを断ち切らずにスピーディーな転換が行われておりました。
 ところで第一幕などはかなりエロチックで退廃的ですが、1960年代のソ連で、こんなのが許されたのでしょうか?
 とにかく踊りも音楽も振付もすごい迫力で、観客も大興奮。先日はパリ・オペラ座のエレガンス、そして今日はボリショイのド迫力。う〜ん、今月のバレエは充実してます。


ボリショイ・バレエ
<スパルタクス>
2012年2月2日 東京文化会館

台本:ユーリー・グリゴローヴィチ (ラファエロ・ジョヴァニョーリの小節と古代史に基づく。ニコライ・ヴォルコフのシナリオを使用。)
初演:1968年4月9日
音楽 :アラム・ハチャトゥリアン
振付 :ユーリー・グリゴローヴィチ
美術 :シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作 :ゲンナージー・ロジェストヴェンスキー
指揮 :パーヴェル・ソローキン
管弦楽 :ボリショイ劇場管弦楽団

スパルタクス(剣奴、反乱の指導者) :イワン・ワシーリエフ(ミハイロフスキー劇場プリンシパル・ダンサー)
クラッスス (ローマ軍の司令官) :アレクサンドル・ヴォルチコフ
フリーギア(スパルタクスの妻) :スヴェトラーナ・ルンキナ
エギナ(娼婦、クラッススの愛人) :マリーヤ・アラシュ
剣奴 :アントン・サーヴィチェフ
道化役者たち :チナーラ・アリザーデ、アンナ・オークネワ
マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、 ヤニーナ・パリエンコ、アンナ・レベツカヤ、 バティール・アナドゥルディーエフ、アレクセイ・マトラホフ エゴール・シャルコフ、アレクサンドル・プシェニツィン
3人の羊飼いたち :ディミトリ・ザグレービン、デニス・メドヴェージェフ、 アレクサンドル・スモリャニノフ
4人の羊飼いたち :アレクサンドル・ヴォドペトフ、エフゲニー・ゴロヴィン、 ウラディスラフ・ラントラートフ、デニス・ロヂキン
羊飼いの女性たち :スヴェトラーナ・パヴロワ、ダリーヤ・コフロワ、 ジュ・ユン・ベ、クセーニャ・プチョルキナ、
ユリア・ルンキナ
娼婦たち :アンナ・レベツカヤ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、
マリーヤ・ジャルコワ、アンナ・オークネワ、 ユリア・グレベンシコーワ、クリスティーナ・カラショーワ、 ヤニーナ・パリエンコ

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2012/02/07

【東日本大人災】なんと岩手県に劣悪医療特区!?

 今朝の新聞に、東日本大震災の被災地のための「復興特別区域(特区)」として、岩手県の医療特区が認定されるという記事が出てました(例えば「復興特区、岩手も医療分野で認定へ 宮城は投資特区」2012年2月7日、朝日新聞)。
 この大震災では、病院の建物が破壊されたり、医師や看護師、職員が命を奪われたりと、東北の医療が大きな打撃を受けました。一方で、震災によって医療の需要は以前よりも高まっております。多くの医療関係者がボランティアとして東北支援に参加してきましたが、そのマンパワーも限界があります。特区の指定によって、医師や看護師が働きやすくなり、東北の医療再生が少しでも促進されれば、とぽん太も喜びましたhappy01

 ところが、記事の中身を読んでみると……

岩手県の医療特区では、医師の数が配置基準に満たなくても病院の運営を認め、医療サービスを受けやすくする。

 これってもしかして……shock。医者の数が全国的な基準より不足している病院でも、診療を行っていいっていうこと!?つまり少数の医師が、大勢の患者の治療を行うことを認めるっていうことでしょ。
 すると、医者は、普通よりも多くの患者の治療を行うわけだから、負担がおおきくなるじゃん。また患者さんは、十分な時間をとって診療してもらえないわけじゃん。
 ぽん太は「医療特区」と聞いたとき、通常以上に医療費を投入して、病院を整備したり医師を確保するのかと思ったのですが、単に劣悪な医療を許可するという話しじゃないですか。医師が過労で倒れないか、岩手県の患者さんたちが震災前のレベルの医療サービスを受けられるのか、ぽん太はとっても心配です。

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【バレエ】エトワール フランス・バレエのエレガンス/Bプログラム

 風邪気味で体調不良でしたが、咳は出ないので行ってきました。パリ・オペラ座バレエ団所属のダンサーによるガラ公演ですが、ジルベール、ガニオ、ペッシュ、オファルト以外は、おそらくぽん太が初めて見るダンサーたちでした。こちらが公式サイトです。
 ギゼンダナーとビトンクールの初々しいコンビの『ベニスの祭り』で、幕が開きました。続く『カラヴァッジオ』ではガニオが登場し、貫禄を見せつけました。身体の美しさを生かしたコンテンポラリーなダンスで、雰囲気たっぷりでした。ガニオって、王子様らしい風貌とは違って、とっても筋肉質ですね。『コッペリア』では、フルステのバランスの良さ、安定感が目に付きました。『椿姫』では、シアラヴォラとペッシュが大人の恋の情熱を熱演。『ドン・キホーテ』のジルベールのキトリは、娘というには貫禄がありすぎましたが、長いバランスと妖艶さが魅力的でした。オファルトはキレのよい踊りで、回転も速くてバランスがよく、観客も興奮しておりました。
 後半に移って『ランデヴー』は、オシャレで少しコミカルな、ローラン・プティらしい大人のダンス。シアラヴォラが貫禄を示してネットリと踊りました。『ミューズを率いるアポロ』は、バランシンの振付、ストラヴィンスキーの音楽ということで期待していたのですが、意外と面白くなかったです。アポロと三人のミューズの踊りなのですが、あんまり神話らしい神々しさはなく、なんだか体育の先生と生徒みたいでした。ガニオ・ファンのお嬢様方にはたまらないのでしょうけど。ストラビンスキーの音楽も、激しさがなく和声も比較的普通。初期の作品かと思ったら、『春の祭典』などで有名な原始主義のあとの新古典主義の時代のものだそうです。『スターバト・マテール』はペッシュの振付で、世界初演。題名は「悲しみの聖母」という意味で、伝統的なカトリックの聖歌だそうです。雰囲気があって悪くなかったですが、ペッシュの振付の世界の全体像を伺い知ることは、ぽん太にはまだまだ無理なこと。最後にペッシュが、片手でぶら下がって釣り上がって行ったのですが、片手で全体重を支えられるとは凄いですね。最後の『オーニス』は男性3人による踊り。ケルト風の音楽にのせて、若者たちが、ちょっとフォークダンスっぽい、楽しく和気あいあいとしたダンスを踊ります。三人の振付が、微妙にずれていたり異なったりしてるのが面白かったです。洒落た雰囲気もありました。
 全体として、水準の高い公演で、とてもよかったです。演目も、有名なパ・ド・ドゥをずらりと並べたようなものではなく、多様な演目がうまく配置されて、見応えがありました。まさにフランスのエレガンスという感じでした。空席が目立ったのが、残念でなりません。
 

エトワール フランス・バレエのエレガンス
Bプログラム
2012年2月1日 ゆうぽうとホール

『ベニスの祭り』よりサタネラのパ・ド・ドゥ
振付:プティパ 音楽:プーニ
シャリーヌ・ギゼンダナー/ヤニック・ビトンクール

『カラヴァッジオ』第1幕より
振付:ビゴンゼッティ 音楽:モレッティ
ミリアム・ウルド=ブラーム/マチュー・ガニオ

『コッペリア』第2幕より
振付:バリシニコフ 音楽:ドリーブ
マチルド・フルステ/フロリアン・マニュネ

『椿姫』 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ノイマイヤー 音楽:ショパン
イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュ

『ドン・キホーテ』第3幕より
振付:プティパ 音楽:ミンクス
ドロテ・ジルベール/ジョシュア・オファルト 

ローラン・プティの『ランデヴー』
振付 :プティ 音楽:コスマ 衣装:ブラッサイ
シアラヴォラ/ペッシュ 

『ミューズを率いるアポロ』
振付:バランシン 音楽:ストラヴィンスキー
ウルド=ブラーム/フルステ/ギゼンダナー/ガニオ

『スターバト マテール』【世界初演】
振付:ペッシュ 音楽:ヴィヴァルディ
ジルベール/ペッシュ 

『オーニス』
振付:ガルニエ 音楽:パシェール
オファルト/マニュネ/ビトンクール 

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2012/02/05

【オペラ】特筆すべきとこなけれど秀作「ラ・ボエーム」新国立劇場

 新国立劇場の「ラ・ボエーム」を観るのは初めてでした。こちらが本公演の公式サイト特設サイトです。
 ヴェロニカ・カンジェミは華奢な体格で、ミミの病弱でおどおどした感じに合ってました。高音がキンキンせずに暖かみがあり、優しく情感あふれる歌声でした。ロドルフォのパク・ジミンは、軽くて明るいテノールですが、もう少し声量があるとよかった気がします。ムゼッタを歌ったアレクサンドラ・ルブチャンスキーは、元ピアニストという異色な経歴を持つそうですが、美人で背も高く、娼婦っぽいアクのある女性を見事に演じ、かなり存在感がありました。コッリーネ役の妻屋秀和、「古い外套よ」では深い悲しみが伝わってきました。しんみりした歌だったので拍手は起こりませんでしたが、すばらしかったと思います。
 美術も奇をてらわずオーソドックスによくできていて、2幕では建物のセットを動かして雑踏の雰囲気をうまく出してました。
 をゝ、と驚くようなところはなかったのですが、優れた舞台だったと思います。最後はぽん太もちょっとウルウルしてしまいました。


ラ・ボエーム
ジャコモ・プッチーニ
2012年1月29日 新国立劇場オペラ劇場

【指揮】コンスタンティン・トリンクス
【演出】粟國 淳
【美術】パスクアーレ・グロッシ
【衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
【照明】笠原俊幸

【ミミ】ヴェロニカ・カンジェミ
【ロドルフォ】パク・ジミン
【マルチェッロ】アリス・アルギリス
【ムゼッタ】アレクサンドラ・ルブチャンスキー
【ショナール】萩原 潤
【コッリーネ】妻屋秀和
【べノア】鹿野由之
【アルチンドロ】晴 雅彦
【パルピニョール】糸賀修平

【合 唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

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2012/02/03

【歌舞伎】おとくが主役!秀太郎の「傾城反魂香」/2012年1月大阪松竹座

 1月末、ぽん太とにゃん子は歌舞伎を観に大阪遠征して参りました。こちらが公式サイトです。
 昼の部の「傾城反魂香」の秀太郎がすばらしかったです。秀太郎のおとく、翫雀の浮世又平という配役を聞いたとき、おとくが又平を引っ張る感じになだろうとは予測してましたが、想像を遥かに越えて、まさにおとくが主役でした。「傾城反魂香」は何度も観てますが、これまでとはまったく違う芝居に見えました。
 おとくと又平の花道の出でも、おとくが「今日こそはお師匠さんにきっちり話しをつけて、土佐の名字を頂かなければ」とでもいうような毅然とした面持ちで、つかつかと先頭を歩んでいきます。いっぽう又平は、「あ〜どないしよ」と途方にくれてちょっと虚ろな表情でおとくの後に従います。以後もおとくが芝居を仕切っていきますが、秀太郎の、夫に自害を勧める時の真剣な表情、筆を離させるために又平の手をさするときの優しさ、絵が手水鉢を抜けたのを見て驚く様子、名字を許されて幕外の花道での夫婦のやり取りでのパッと花が咲いたような嬉しそうな顔など、一つひとつに見とれてしまいました。
 又平の翫雀は、人が良くて大人しそうな感じがよく出てました。ちょっと押しが弱い感じはしましたが、今回の演出ではこれでいいのかも。しかし怒って妻を叩く場面では、ぽん太がこれまで観た演出ではどれも様式的に演じておりましたが、翫雀はビシビシひっぱたくだけでなく蹴り飛ばしたりしてました。これが上方のリアルな演出というものでしょうか。
 笑也の修理之助、虎をかき消した功績で名字を賜ったときに、泣き叫ばんばかりに喜んでいて、ちょっと大げさな気もしましたが、又平が名字を許されたなかったことで自害するところまで行く、という話しの前振りですから、免許皆伝のありがたさをこれくらい強調してもいいのかもしれません。市蔵と家橘の土佐将監とその妻もよかったです。海老蔵の雅楽之助は、独自の世界を形作っていました。
 ぽん太がびっくりしたのは、土佐将監が手水鉢を刀で叩き割り、又平の吃りが治るという下り。初めて見ました。この下りがあるのとないのと、どっちがオリジナルなんでしょうか?ただ、精神科医のぽん太としては、又平の吃りが治ってめでたしめでたしというより、吃りのまま幸せをつかむ、障害がありながら幸せに生きる、という結末の方が好きです。それにこの脚本だと、言葉は吃るが節を付けた口上は吃らない、という話しが重複というか、無意味になってしまう気がします。
 昼の部は続いて「修禅寺物語」。岡本綺堂作とのことですが、職人と宮仕えとどちらが偉いか比べるという発想が近代っぽくて、ぽん太は好きではありません。最後に夜叉王が娘桂の断末魔の表情を写し取ろうとするのも、芥川龍之介の『地獄変』のパクリか、と思ったのですが調べてみると、『修禅寺物語』の初出は1911年(明治44年)、『地獄変』は1918年(大正7年)ですから、『地獄変』の方が後。失礼いたしました。役者陣は大健闘で、特に我當はさすがでした。進之介は世話物の演技ではちょっと粗が目立ちました。
 「積恋雪関扉」は、團十郎の関守、藤十郎が小野小町と傾城墨染の二役を演じ、さらに人間国宝の一巴太夫が常磐津を務めるという超豪華版。けれど、1時間30分にわたる舞踏劇を味わい尽くす鑑賞眼が、ぽん太にはないのが残念です。
 第二部は、海老蔵の「雷神不動北山櫻」の通しでした。海老蔵の「雷神不動北山櫻」は、2008年1月に新橋演舞場で観た演目ですが、エビゾー歌舞伎がさらにパワーアップしたようです。海老蔵が五役を演じ分けますが、妙になよなよした安倍清行や、お馬鹿っぽい粂寺弾正など、キャラがコミック調です。大詰めの立ち回りの途中で、押し寄せる敵にあきあきしたように「あ〜あ」とため息をつくあたりは、アメリカ西部劇調。鳴神上人の「酒は一滴もならぬ、奈良漬けでもだめじゃ」という台詞では観客に笑いが起きましたが、どうせならここで一発自虐ネタのアドリブが欲しかったです。ということでエビゾー歌舞伎、エンターテイメントとしては悪くはありませんが、「歌舞伎」としてはどうなのか。やがて猿之助歌舞伎のように評価を得るにいたるのか、それとも一時のあだ花として消えていくのか、ぽん太にはまったくわかりません。


大阪松竹座
壽初春大歌舞伎
平成24年1月

昼の部

一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
  土佐将監閑居の場
       浮世又平後に土佐又平光起  翫 雀
             狩野雅楽之助  海老蔵
             土佐修理之助  笑 也
               土佐将監  市 蔵
              将監北の方  家 橘
            又平女房おとく  秀太郎

二、修禅寺物語(しゅぜんじものがたり)
             面作師夜叉王  我 當
             源左金吾頼家  海老蔵
               下田五郎  市 蔵
                妹娘楓  吉 弥
                 春彦  進之介
                姉娘桂  扇 雀

三、積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)
  逢坂山関所の場
        関守関兵衛実は大伴黒主  團十郎
             良峯少将宗貞  海老蔵
  小野小町姫/傾城墨染実は小町桜の精  藤十郎

夜の部

通し狂言
雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
  市川海老蔵五役相勤め申し候

  発 端    深草山山中の場
  序 幕    大内の場
  二幕目    小野春道館の場
  三幕目第一場 木の島明神境内の場
     第二場 北山岩屋の場
  大 詰第一場 大内塀外の場
     第二場 朱雀門王子最期の場
     第三場 不動明王降臨の場

               鳴神上人
               粂寺弾正
               早雲王子  海老蔵
               安倍清行
               不動明王

              雲の絶間姫  扇 雀
               文屋豊秀  右 近
               腰元巻絹  笑 也
               小野春風  宗之助
               秦秀太郎  吉 弥
               八剣玄蕃  市 蔵
               関白基経  門之助
                秦民部  右之助
               小野春道  翫 雀

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2012/02/01

【歌舞伎】亀治郎が弾けまくり。2012年1月浅草歌舞伎

 正月といえば新春浅草歌舞伎。第一部・第二部を通しての観劇です。こちらが公式サイトです。
 第一部のお年玉ご挨拶は亀治郎。なかなか話術が巧みです。今年限りで浅草歌舞伎は卒業とのこと。観客席から溜息が漏れます。猿之助襲名は、みな盛大な拍手で応援です。この日はWOWOWの収録が入っていたのですが、他局の番組の宣伝をして、WOWOWを困らせておりました。また、これから上演される「南総里見八犬伝」のあらすじを、「犬が出て、玉が出て、八人そろったら、そろそろ終わり」と簡潔明瞭に説明しておりました。
 で、最初の「南総里見八犬伝」。ぽん太は以前に見たことがあるような気がしますが(2006年8月歌舞伎座か?)、あんまり覚えてません。こんかいは石川耕士の脚本・演出によるものだそうですが、なかなか面白かったです。「温厚なお父さんがキレるよ、キレたら恐いよ」みたいな現代用語が入ってたりしましたが、新春浅草歌舞伎では違和感はありませんでした。蟇六内でのこっけいなだんまりと、円塚山での本格的なだんまりとの対比も面白かったです。
 壱太郎の浜路がなんとも初々しくて可愛らしかったです。亀治郎はよぼよぼの因業じじい蟇六で登場。大ベテランの竹三郎演ずる女房亀篠とのやりとりが面白かったです。
 お次ぎは愛之助と壱太郎の「廓文章」。お二人とも初役だそうですが、さすがに今回は手習いといったところでしょうか。愛之助の伊左衛門はよく勉強してますが、まだまだ仁左衛門のような、立ち姿だけで美しかったり、火鉢にあたる手の動きになんともいえぬ品の良さと可愛さがにじみ出て来る域には達しておりません。一太郎の夕霧も、とっても可愛らしいのですが、太夫の風格には欠けるようです。ただ、実在の夕霧が亡くなったのは22歳とも27歳とも言われておりますので、ホントの夕霧はこのように子供こどもしていたのかもしれません。いずれにせよ壱太郎、今後に大いに期待です。
 第二部は「敵討天下茶屋聚」の通し。この演目は、昨年の5月に新橋演舞場で観ているはずですが、内容がだいぶ違うような。今回は猿之助版だからでしょうか。とにかく亀治郎がはじけっぱなしで、ケレンたっぷりで、ちょっと鼻につくところもありましたが、猿之助襲名の前祝いだからいいか、という感じでした。ぽん太が大阪に歌舞伎を観に行ったおりおりに、四天王寺や住吉大社を見学していたので、場面が思い浮かんで面白かったです。


新春浅草歌舞伎
平成24年1月 浅草公会堂

第1部

お年玉〈年始ご挨拶〉
  亀治郎

一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)

  富山山中の場
  大塚村庄屋蟇六内の場
  円塚山の場
             庄屋蟇六/犬山道節  亀治郎
             金碗大輔/簸上宮六  男女蔵
                網干左母二郎  亀 鶴
                  犬塚信乃  歌 昇
                  犬村大角  巳之助
                 蟇六娘浜路  壱太郎
                 犬田小文吾  種之助
                  犬坂毛野  米 吉
                 犬江親兵衛  隼 人
            下男額蔵実は犬川荘助  薪 車
                    伏姫  春 猿
                蟇六女房亀篠  竹三郎
                  犬飼現八  愛之助

二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
  吉田屋
                藤屋伊左衛門  愛之助
                  扇屋夕霧  壱太郎
              吉田屋女房おきさ  春 猿
               吉田屋喜左衛門  竹三郎

第2部

お年玉〈年始ご挨拶〉
  愛之助

猿之助四十八撰の内
通し狂言 敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)

  序幕 四天王寺の場より
  大詰 天下茶屋村敵討本懐の場まで
          安達元右衛門/片岡造酒頭  亀治郎
                  安達弥助  男女蔵
                 早瀬源次郎  巳之助
               源次郎許嫁葉末  壱太郎
               人形屋幸右衛門  薪 車
                伊織妻染の井  春 猿
                  早瀬伊織  亀 鶴
               東間三郎右衛門  愛之助

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