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2012/04/26

【歌舞伎】最高のエンターテイメントなれど「小笠原騒動」2012年4月平成中村座第2部

 初めて見た「小笠原騒動」ですが、スピーディーな場面展開に、お家騒動・狐・幽霊・可愛らしい子役・戻り・本水・立ち回りなど歌舞伎定番のアイテムが盛りだくさんという、サービス満点のエンターテイメントでした。でも、第1部の「法界坊」を観た後では、ちと見劣りがしたかな。勘三郎の演じる法界坊の人間像が光っていたし、一人ひとりの役者が「芸」を見せてくれた気がします。公式サイトはこちら
 ストーリーも、ちょっとわからないところがあって(筋書きを買えってか)、狐の駕篭に乗った小笠原隼人はどこへ行ったのか(家に帰っただけ?)、そのあと隼人に化けた白狐は何かしたの? 岡田良助が幽霊に取り憑かれてなぜ改心したのかも、よくわかりませんでした。ラストもなんだかすっきりしてなくって、白狐の手助けも加わって犬神兵部が倒されたかと思ったら、また刃向かいだして、壇上の犬神兵部を中心にして一同見得を切って終わりとなりました。この形の見得で終わるのなら、双方互角の乱闘からそのまま見得に突入した方がいいのに。
 勘九郎と七之助が、それぞれ善玉と悪玉の二役。七之助があいかわらずすばらしく、冒頭で養父の首を赤い布で締めた姿で現れた時は、その美しさと恐ろしさにゾクっとしました。台詞を言っている間も、布がピンと張っている方が良かった気がしますが。勘九郎もなんだか色気が出てきて、以前は忠犬ハチ公みたいだった実直さが、犬神兵部では荒事的なカラッとした感じに、飛脚小平次では江戸っ子的な勢いに感じられるようになってきました。橋之助はカッコいいし上手ですが、観客を意識したあざとさが、ときどき気になります。水車での体を張った演技には、拍手喝采です。国生がんばりましょう。扇雀も三役をこなして健闘。子役の下りが可愛らしく思えたのは、ぽん太もおじいさんになりかけているせいか。笹野高史もうまい。勘三郎の小笠原遠江守が出てきて、そのセリフ回しに、現代劇みたいだった舞台が一挙に歌舞伎らしくなりました。なるほど、歌舞伎の芸とはこういうものか……。


平成中村座 四月大歌舞伎
平成24年4月 第2部

小笠原諸礼忠孝
通し狂言 小笠原騒動(おがさわらそうどう)

  序 幕 明神ヶ嶽芒原の場より
  大 詰 小笠原城内奥庭の場まで

            岡田良助/林帯刀  中村 橋之助
          犬神兵部/飛脚小平次  中村 勘九郎
        お大の方/小平次女房お早  中村 七之助
               隼人妹小萩  坂東 新 悟
                 林数馬  中村 国 生
               良助母お浦  中村 歌女之丞
               米屋市兵衛  笹野 高 史
                大石百介  片岡 亀 蔵
              小笠原豊前守  坂東 彌十郎
   小笠原隼人/奴菊平/良助女房おかの  中村 扇 雀
              小笠原遠江守  中村 勘三郎

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