« 【バレエ】熊川哲也のコンビネーション・スピン?「海賊」Kバレエカンパニー | トップページ | 【温泉】鄙びた建物・料理が美味しい!清津峡温泉せとぐち(★★★★) »

2012/06/24

【歌舞伎】芝居とリアルが見ていて交錯 2012年6月新橋演舞場夜の部

 澤瀉屋一門追善&襲名披露公演、夜の部はスーパー歌舞伎の「ヤマタタケル」です。公式サイトはこちら
 哲学者の梅原猛が原作のこの芝居は、ぽん太は2008年3月の新橋演舞場以来2度目。そのときは月乃助(当時は段治郎)がヤマトタケルでした。今回の脚本・演出は、一部初演時に近いものに戻したそうですが、ぽん太の狸脳では、どこが違うのかよくわからないのが悲しいトコロ。筋書きの猿翁の文章によれば(「未来へ天翔ける『ヤマトタケル』)、平成7年(1995年)の上演の際にお客さんにわかりにくいところを改訂したけれど、現代の等身大の人間の感情を描くよりも、骨太な古代ロマンを提示する方がよいと思い直したのだそうです。
 とはいえ今回の舞台を見てぽん太は、やっぱり「父との確執によってアイデンティティを見いだせない若者」といった同時代的なテーマを感じました。その理由は、ひとつには若い世代の亀治郎が演じたことであり、もうひとつには、猿翁と中車のリアルの確執と和解が重なって見えたからかもしれません。
 猿之助のヤマトタケルは素晴らしかったですが、最後にヤマトの国を目の前にして死んで行く所の望郷の思いは、やや弱い気がしました。もっともっと人生の苦労が必要なのかもしれません。
 白鳥となっての宙乗りは、月乃助のときは、生前の苦楽を超越しながらも深い悲しみをたたえた素晴らしい表情に感心したのですが、今回の猿之助の表情には、自信と意思の力を感じました。「亀治郎としての死を迎えたが、猿之助としての生が始まる」といった感じでしょうか。
 宙乗りの前の、團子と笑也のセリフは、團子のために今回付け加えたものだと思いますが、ぽん太は泣く気満々だったのに、今ひとつ感動できませんでした。「日継ぎの皇子ってな〜に?」って、今更そんな質問かい!何もわかってないコドモという感じで、もっと「寺子屋」の菅秀才のような賢さと高貴さが欲しかったです。実はこれも、「何も知らずに歌舞伎の世界に入ってきた」という意味か?
 笑三郎と月乃助が出て来ると舞台がしまります。お二人ともお体を大切にして下さい。笑也が、中車を前に「中途入社組」の意地を見せたのか、気持ちが入った素晴らしい演技で、兄橘姫とみやず姫の二役にメリハリがありました。春猿の弟橘姫、右近のタケヒコ、弘太郎のヘタルベ、それぞれ持ち味を出して好演。門之助はいつもながら上手。

初代市川猿翁 三代目市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎

二代目市川猿翁・四代目市川猿之助・九代目市川中車 襲名披露
五代目市川團子 初舞台

新橋演舞場
平成24年6月13日 夜の部

スーパー歌舞伎
三代猿之助 四十八撰の内 ヤマトタケル

     小碓命後にヤマトタケル/大碓命  亀治郎改め猿之助
                   帝       中 車
                タケヒコ       右 近
               ワカタケル    初舞台團 子
            兄橘姫/みやず姫       笑 也
                 弟橘姫       春 猿
                 老大臣       寿 猿
                ヘタルベ       弘太郎
                帝の使者       月乃助
                  倭姫       笑三郎
         熊襲弟タケル/ヤイラム       猿 弥
               尾張の国造       竹三郎
               皇后/姥神       門之助
           熊襲兄タケル/山神       彌十郎

|

« 【バレエ】熊川哲也のコンビネーション・スピン?「海賊」Kバレエカンパニー | トップページ | 【温泉】鄙びた建物・料理が美味しい!清津峡温泉せとぐち(★★★★) »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/54990255

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】芝居とリアルが見ていて交錯 2012年6月新橋演舞場夜の部:

« 【バレエ】熊川哲也のコンビネーション・スピン?「海賊」Kバレエカンパニー | トップページ | 【温泉】鄙びた建物・料理が美味しい!清津峡温泉せとぐち(★★★★) »